甲賀市土山町の鮎河集落の南東、野洲川と支流鯎川の合流点に近い丘陵部の先端に、黒川氏城があります。
登り口は、県道9号大河原北土山線から507号鮎河猪鼻線に入り、
一つ目のカーブを曲がり切った辺りに、土山町教育委員会の案内板(上画像)があります。
尾根伝いに登っていくと、
「→主郭」との看板の立つ、曲輪に出ました。
中井均編『近江の山城を歩く』(サンライズ出版、2019年)p.225の縄張図と見比べてみると、ここはⅢ郭。
主郭の南から、
南西にかけては「堀切」があり、
土橋を進み左手に折れると、石階段で、右手には石垣。
石階段を上り、右手に折れると「黒川氏城址」との標石があり、
主郭に出ました。
主郭は、周囲を土塁で囲んだ長方形状で、
北にも平入の虎口。
また、東には「雁木」?
土塁ではあるのでしょうが、階段状に石が置かれています。
中井均編前掲書によれば、
中世城郭にはなかった近世城郭の防御施設「雁木」を有するという点からも、単純に甲賀衆の黒川氏が築いた城、天正十三年で廃城、という訳にもいかない謎の城跡ということができよう。
謎多き城のようです。