上図は名古屋鉄道局編『中部日本名勝案内圖』(1928年)。
湖南鉄道株式会社が、新八幡~八日市口間の営業を開始したのは、1913年12月29日です*。
同鉄道は、1919年3月30日、「新八幡」停車場の位置及び停車場名を「近江八幡」と変更**。
同年7月1日には、「八日市口」を「新八日市」と変更しました***。
なお、湖南鉄道は、1927年に太湖汽船・大津電車軌道と合併し、琵琶湖鉄道汽船株式会社になり****、1929年には、八幡村~八日市間の鉄道を八日市鉄道株式会社に譲渡*****。
さらに、1944年、近江鉄道に合併****され、現在は近江鉄道八日市線です。
ただし、1922年に建てられた******という、新八日市駅の駅舎は現存。
木造2階建て・瓦葺きの建物ながら、薄緑色に塗られた外板には蔦がからまり、和洋折衷の雰囲気。かつては、二階に、湖南鉄道の本社も入っていたそうです******。
現在は、平日の朝夕を除いて無人駅。
改札も木柵で、ベンチも木製。
また、かつては上図に見られる飛行場に向かう路線が分岐していましたが、1964年に廃止****。
現在のホームは2面2線です。
*『官報』1914年1月10日
**『官報』1919年4月16日
***『官報』1919年7月10日
****高田圭「近江鉄道」(『鉄道ピクトリアル』No,685、2000年5月
*****『官報』1929年3月26日
******日本経済新聞2018年8月29日「和洋折衷 愛され100年 新八日市駅舎(もっと関西)」