上画像は、2020年5月29日付『中日新聞』三重版。
ブナの新緑 参道ひやり
伊賀 奥山愛宕神社の原生林
原生林に覆われた参道=伊賀市勝地で
と、奥山愛宕神社のブナ林が紹介されていたので、行ってみることにしました。
三重県道2号伊賀青山線を走り、勝地の集落から、奥山川沿いの勝地林道に入ります。
この林道は、奥山愛宕神社の参道でもあり、町石が。
「是ヨリ五十丁」ということなので、約5.45kmということになるでしょうか。
林道登り尾線を分けたところにも、「左奥山權現 是ヨリ三十七丁」。
涼しげな清流を見ながら、さらに歩いていくと、
何丁かは、埋もれて見えなかったのですが、幾つもの苔むした町石を見ることができました。
年号を見ていると、明治七年から八年に建立されたもののようです。
さて、一時間ほど歩いたところで、橋があり、鳥居が見えてきました。
参道に入ると、しばらくは赤い鳥居をくぐることになるのですが、
やがて、杉並木の間の、苔むした石段を登る道となり、
朱塗りの拝所が見えてきました。
本殿は後方の石段の上。
三重縣神職會『三重縣神社誌 三』(1926年)を見ると、
本殿 春日造
とあるので、かつては切妻妻入の春日造。
また、同誌に掲載されている、文久二(1861)年の「奉再建御寶殿愛宕大權現守護祈處」という棟札に、「上津山別當坊」とか「寶珠院現住法學」という文字があるので、廃仏毀釈以前は、ここも神仏習合。
別当寺は、山麓の上津地区にある上津山宝珠院だったのかもしれません。
さて、参拝を済ませた後、ブナの大木に囲まれた奥山愛宕神社の境内を離れ、青山高原へ向かうことにしました。
道標によれば、近鉄上津駅から7.0K。三角点展望台までは
1.1Kです。
(次回に続く)