(前回より続く)

 

 観音山歩道で、次の筆捨山に向かいます。

 

 

 この歩道は、東海自然歩道の支線扱いのようで、案内板も三重県と「環境庁」。 

 

 

鈴鹿国定公園協会の看板も、「東海自然歩道」です(上画像左)。

 

 

ここから筆捨山までは、2.4k。

 

よく整備された道が筆捨山まで、続いていました。

 

 

 その中で興味深かったのが、上画像の道標。

 

 右の腕木に「国民宿舎関ロッジ1.0km 国鉄関駅2.6km」と書かれていました。

 

 「環境庁」が省庁再編により「環境省」になったのは、2001年1月。

 それに対して、旧国鉄が分割民営化されたのは、1987年4月。

 

 上画像の道標は、三十数年以上もの間、この地で風雨に耐えてきたということになります。

 

 また、同道標の左の腕木によれば、筆捨山までは2.1kmです。

 

 

 さて、観音山歩道に入り、十数分登ると、東屋がありました。

 

 

 左手(西)からは林道が入り、

 

 

 正面には展望台。

 

 登ってみると、

 

 

東には、シャープの亀山工場、

 

 

南東方向には、亀山市関町の街並み。

 

 

南南西には、錫杖ヶ岳が見えました。

 

 

 さて、展望台から30分ほど歩いたところにあったのが、上画像の道標。

 

 ここで右折(東)すれば、羽黒山なのですが、私は直進。

 

 ここから筆捨山まで1.2kです。

 

 

 いったん下って、登り返すと、もう一本、東海自然歩道の道標。

 

 筆捨山まで、0.4Kと近づいてきました。

 

 

 そして、最後の急坂を登り切ると、山頂に到着。

 

 現在の国土地理院の地形図によれば、標高は285mです。

 

 

 上画像は、秋里籬島『東海道名所圖繪』(1797年)巻二*より「筆捨山」。

 

 本名は岩根山といふ里諺云狩野古法眼東國通行の時此山の風景を畫に写してんとやと筆をとるにこゝろに逮ばず山間に筆を捨しとぞ

 

 筆を捨てたので、筆捨山になったようです。

 

  狩野家さへ 筆を捨たる 所をば 拾ふて圖する 無法眼なり

 

*国立国会図書館デジタルコレクション