上画像は、大浦天主堂。 

 

 

 以前、このブログで登場した「カトリック神田教会」が、国の登録文化財で、「東京復活大聖堂(ニコライ堂)」が国の重要文化財であるのに対し、大浦天主堂は国宝。 

 

 

 そして、2018年7月に登録された世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つでもあります。

 

 ところで、この大浦天主堂の献堂式が行なわれた1865年2月19日から、約1か月後の3月17日、潜伏キリシタンの「信徒」が、この地で「発見」されることになりました。

 

 長崎市役所『長崎市史 地誌編 神社教會部下』(1929年)によれば、

 

慶応元年三月十七日男女十四名の一團が御堂を参観したしと訪ねて來たので、之を堂内に案内せしめ、自らは神前に跪いて祈禱を捧げてゐると、その右側に安置せるサンタ・マリヤの聖像の前で右の一團の人々の口からサンタ・マリヤ云々といふ聲の漏るゝを耳にした。プチジャンは不思議に思ひ、その方に向き直って、サンタ・マリヤを知ってますかと尋ねしに、彼等は恭しく胸に手を當て、聲を潜めて私共は皆貴師と同じ心でございますると答へた

 

 

 上画像は、カトリック長崎大司教区が1965年3月17日に建立した「キリスト信者発見百周年記念碑」。

 

 信者の中央に立つのが、プチジャン神父ということになるでしょうか。

 

 

 続けて上画像は、聖堂の入口中央に立つ、「慶應元年三月十七日信徒發見記念 日本之聖母」像。

 

 長崎市役所前掲書には

 

 マリヤ立像 高四尺七寸 壹体

 當堂表口玄関に立てるもので、信徒發見記念としてプチジャンの建てしものである。

 

と書かれていました。