上図は、1981年修正の五万図「二本木」。
先日、一志町・美杉村境*の「矢頭山」へ行きました。
登山口は、県道43号一志美杉線沿いの「矢頭中宮キャンプ場」。
ここには、「矢頭の大杉」(上画像)があります。
現地の看板によれば、
胸高周囲9.56m 樹高42.5m
三重県『環境白書』2002年版にも、
一志町波瀬の神社境内には、樹高30mを超 えるスギの大木が数本そそり立っています。 その中でも最大のものが県の天然記念物に指定されていて、「矢頭の大スギ」と呼ばれて います。
と紹介される、巨木です。
神社の参道に入り、
苔むした石段を登っていくと、
両側に石燈籠がありました。
右手の竿には
延享五戊辰 六月吉日
延享五(1748)年の建立のようです。
一方、左手には、二字不明ですが、
奉建立 貞享三□□ 石屋市兵衛
と刻まれていました。
さらに左には「請雨願成就」の石碑も。
安岡親毅(1758~1828)の『勢陽五鈴遺響』に、
矢頭山 同處ノ西南ニアリ高嶽ナリ山上半腹ニ矢頭権現ノ祠アリ
と書かれているので、かつては神仏習合の「矢頭権現」。
山岳信仰であり、雨乞いも行われていたということになるでしょうか。
矢津中宮キャンプ場に設置されている、地元津市一志町の看板「矢津山」によれば、
明治維新まで矢津権現と称し、(略)明治四十二年八月には、村社合祀のため、中宮を奥宮として保存されることとなった。
合祀の対象になったようで、
ブロック塀に囲まれた広い社地には、石造の小さな祠が祀られていました。
(次回に続く)
*2006年、一志町・美杉村ともに、津市に合併となり、現在は津市一志町・津市美杉町です。