冷房の下着売り場の白世界

                  (草間時彦『中年』、1965年)  

 

 季語は「冷房」で、夏。

 

 1965年当時の一般世帯クーラー普及率は、わずか2.0%*。

 さらに、かつての下着売り場は「白世界」だったので、より一層涼しさが感じられた,、ということになるでしょうか。

 

 白い肌着のなかの膚の小六月

                   (飯田龍太『春の道』、1971年)      

 

 こちらの季語は「小六月」(冬)。

 

 肌着は文字通り、肌に直接着るものだけに、他の衣服以上に、季節の移り変わりを感じるような気がします。

 

 

 上画像は、実家の押し入れで見つけた「ズボン下」。

 

 私の父親は冬になるとよく、こういう白い「ズボン下」を穿いていました。 

 

 

 続けては、白い「ブリーフ」。

 

 パッケージにバーコードがプリントされているので、上のズボン下より、少し新しい商品かもしれません。

 

 『グンぜ百年史』(グンゼ株式会社、1998年)によると、それまでパジャマ部門で販売していた布帛パンツ(トランクス)を、YGを展開するメリヤス部門が引き継いだのは1984年。

 

 「ブリーフからトランクスへ変化するヤングの需要に対応した」ものだったそうです。

 

 男性の下着売り場がカラフルになり始めたのも、その頃だったかもしれません。