先日、金勝寺から竜王山に行きました。
上図は、平成15年更新の二万五千図「三雲」。
天台宗金勝山金勝寺(こんしょうざんこんしょうじ)は、滋賀県栗東市の南西、標高530~40mの山中にあります。
苔むした参道を歩き、
仁王門をくぐると、
正面に本堂がありました。
この金勝寺には、国の重要文化財に指定されている仏像が五躯あって、そのうちの一つが、本尊として安置されている「釈迦如来坐像」、平安期の作だそうです。
本堂の右手、二月堂に安置されている「軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)立像」も重要文化財。
白洲正子の『かくれ里』(新潮社、1971年)に、
横手のお堂には、巨大な軍荼利明王が、腕を組み、物凄い形相で見下ろしている。四メートルもある一木造りの彫像で、昔はたくさんあった堂塔の中に、このような群像が並んでいたのであろう。(略)ただ一つ残る明王だけ見ても、当時の壮観がしのばれる。
と紹介があります。
さて、金勝寺の重文の仏像5躯のうち、残る3つは虚空蔵菩薩堂。
中央が虚空蔵菩薩半跏像で、左が毘沙門天立像、右が地蔵菩薩像ということになるでしょうか。
金勝寺を参拝した後、金勝寺林道を、竜王山に向いました。
30分ほど歩いた馬頭観音堂の先で林道が終わり、金勝山ハイキングコースに入ります。
このあたり一帯の名称が「金勝山」で、金勝山国有林。
そのうちの一ピークが「竜王山」ということになるようです。
「竜王山」なので、山頂近くの祠には「金勝寺八大龍王」が祀られていました。
白洲正子『かくれ里』に、
京博の景山春樹氏の母上は、東坂の生れとかで、先生は子供の頃、よくこの山へ茸狩りや魚釣りに行った。旱魃の夏などは、「アーメ ターマエ ハーツダイ リューオー」(雨給え八大龍王)と唱えつつ登ったとうかがったことがあるが、この辺にはまだそういう信仰が残っているのであろう。
という文章がありますから、この「金勝寺八大龍王」も、雨乞いの神として信仰されていたのかもしれません。
昔は五十町の険しい坂道を歩いて登ったので、こんな所へは、二度とは「コンゼ」と人はいったという。
金勝山は、コンショウともコンゼとも訓むようです。
山頂には四等三角点「竜王山」。
標高は604.63mです。
山頂からの展望は北面のみですが、近江富士こと「三上山」がよく見えていました。