上図は、1930年鐵道補入の五万分一地形図「擧母」。
「三河鐵道」の「枝下」・「三河廣瀬」・「にしなかがね」の三駅を見ることができます。
猿投~枝下間は1927年8月26日*、枝下~三河廣瀬間は1927年9月17日**、そして三河廣瀬~西中金間は1928年1月22日の開業です***。
三河鐵道は、1941年、名古屋鐵道により合併され、同鐡道の「三河線」になりましたが、2004年、猿投~西中金間が廃止に。
先日、その廃線跡を見に行ってきました。
上画像は、「枝下(しだれ)」駅跡。
駅舎はありませんが、ホームや線路は撤去されずに残っています。
上画像は、現地の説明板。
かつては、引込線もあり、粘土が貨物輸送されていたようです。
次は、三河廣瀬駅へ。
ここは駅舎が残っています。
平入りの木造平屋建で、1927年の建築。
プラットフォームとともに、国の登録有形文化財です。
さて、最後は、旧「西中金」駅へ。
三河鉄道は、猿投村~足助町間の延長線敷設免許を1921年11月2日****に取得していますから、西中金は途中駅の予定だったのだろうと思います。
しかし、結局延伸できず、名鉄三河線(山線)の終着駅として、廃線を迎えることになりました。
駅舎は、木造平屋建で、1930年の建築。
プラットホームとともに、国の登録有形文化財です。
ところで、この駅舎では、2015年10月から、地元の愛護会により「西中金ふれあいステーション」が営業中。
中に入ってみると、「出札口」の標示や「旅客運賃表」も残され、まだ充分に駅の待合室の雰囲気。
私はおやつに、五平餅を食べました。
*『官報』第218號(1927年9月17日)
**『官報』第223號(1927年9月23日)
***『官報』第324號(1928年1月30日)
****『官報』第2777號(1921年11月3日)