(前回より続く)

 

 勝山の街並み保存地区にある出雲街道の道標から、さらに北に進むと、すぐ右手に蔵元がありました。

 「辻本店舗兼主屋」として、国の登録有形文化財です。

 

 

 中に入ってみると、試飲もOK。 

 いくつもの銘柄の中で、興味を感じたのは、純米吟醸酒の「如意山」。

 

 如意というのは、辻本店の裏山だそうです。

 

 深山木が みどりの波を 重ねたる 如意のふもとの 客房の朝

 (美作勝山の辻氏邸にて)

 

 初出は『冬柏』四巻八号(1933年7月)、与謝野晶子の一首です*。

 

 1933年6月26日~7月5日、与謝野寛・晶子夫婦は、岡山を旅しています**。

 

 さて、与謝野夫妻も逗留した辻本店の道を挟んで西にあるのが、「辻本店西蔵」。

 

 現在は「レストラン西蔵」ですが、国の登録有形文化財の建物ということで、ここで昼食をとることにしました。

 

 

 酒蔵レストランであるのですが、車を運転してくれる知人に遠慮して、お酒は我慢。

 

 地元野菜を使った9品のおかずに玄米ご飯という、「お野菜たっぷりランチ」を食しました。

 

 

*『定本 與謝野晶子全集 第六巻 歌集六』(講談社、1981年)

 

**逸見久美『新版 評伝 与謝野晶子 昭和篇』(八木書店、2012年)