(前回より続く)
山頂からの展望を堪能した後、宮道天神社に向かって下山しました。
いったん下って軽く登り返すと、同神社の本宮があります。こんな山の上にとiいう感じですが、雨乞い信仰があったそうです。
そして、順番が逆になってしまったのですが、30分程下った麓に、宮道天神社の拝殿。
参道には楓も多く、もう少し早ければさぞ紅葉がきれいだったのでしょうか、残念ながら、ほとんど落葉。冬の訪れを感じます(下画像)。
ところで、今井金吾『今昔東海道独案内 西編』(ちくま学芸文庫)を見ると、宮道天神社は「たけ大明神」とも呼ばれていたとか。
それで思いだしたのが、清河八郎『西遊草』の記述。
1855(安政2)年7月18日、赤坂宿の「たたみやなる家」に宿泊した彼は、
明日は当所氏神岳明神の祭礼にて、町中三ヶ処より踊舞台立派なるものいで、且宿の若ひものども芝居をいたし、在の祭礼にはにぎやかにて、うつくしき事とぞ。
と書いています。
ということは、その年は、旧暦の7月19日が、「岳明神」の祭礼だったということになります。
現在、8月の第三土・日曜日に行われている宮道天神社の祭礼「雨乞いまつり」は、山車や神輿が出て、地元の青年が花魁や武士に扮する歌舞伎行列が目玉だそうです*。
日付はともかく、江戸時代より続く由緒あるお祭りということになるかもしれません。
上図は、1927年鉄道補入の五万図「御油」。
左下(南西)に宮路山と宮道天神社本殿があり、その東北東の谷間の鳥居マークが同神社の拝殿。
そして、右上(北東)が、旧東海道の赤坂宿です。
*豊川市のウェブページ「雨乞いまつり 」