地図を見るのが好きで、暇があれば、折り畳んだ陸地測量部の地図を拡げて見入る。
深田久彌に「地図を見ながら」(1934年)という随筆があります。
『わが山山』(中公文庫)*の「解説」の中で、山口耀久さんが
たった一枚の五万分の一の地形図がどんなに魅力的であるかを、深田さんは恋文にこめるような熱い思いをこめて書いている。(付け加えるがこれは巧まざる名文である。)
と書いているような、熱い思いの名文。
『日本の名随筆 別巻46 地図』(作品社)でも読むことができます。
一見何の奇もないただの曲線と記号だけの地図が、こんなにも不思議な力を持っているのはどうしたことだろう。しかし仔細に見ているとどの地図にもそれぞれの変化があって、見慣れるほどに親しみが湧いてくる。自然の美しさは、地図の上にも美しい曲線になって現れる。
などと、読んでいるこちらにまで、思いが伝わってきそうな文章です。
不思議なくらい地図というものは妙な魅力を持っている。山が好きなせいかもしれないが、地図を眺め出すともう他のことは打っちゃらかしになって、時のたつのも忘れてしまう。(略)山の好きな人でこういう地図の魅力を知らない人は誰もないだろう。
私も、山が好きなせいかもしれませんが、地図を眺めることが昔から好き。
地図を見ていると、こんな勝手な空想がいろいろと湧いてきてたのしい。
地図を見ながら、浮かんできたこと、思いついた、考えたことなど、書いてみようかと考え、ブログのタイトルを「地図を見ながら」にあらため、再出発することにしました。
これからどうぞ、よろしくお願いします。