二年前の夏のことになりますが、長野県南木曽町の南木曽岳に行きました。

 

 

五万図「妻籠」より  
  左画像は1931年修正測図の五万図「妻籠」。

 

 左上(西北)が、旧中山道が通る妻籠、地下(南東)が、蘭です。

 

1874年、妻籠村と蘭村が合併して、吾妻村となりました。

 

  かつてこの辺りは林業で栄えたところ。

 地図でいうと妻籠から蘭にかけての山腹に太い破線が見えますが、これは御料林の境界線です。

 妻籠の上が「妻籠御料林」であり、蘭の北東が「北蘭御料林」、南東が「南蘭御料林」でした。

 

 そして、この御料林を管理していたのが、帝室林野管理局木曾支庁。

 

 地図上で、妻籠集落の上から蘭川沿いに走っている、「吾妻林用軌道」も同庁の三殿出張所や妻籠出張所が建設したものです。

 西裕之『改訂新版 木曾谷の森林鉄道』(ネコパブリッシング、2006年)によれば、三留野停車場~南沢間10,130m間が1926~1929年、南沢~長者畑5,231mが1931年の建設だそうです。

 

 ただ、同書によれば、既に1953年には、線路の撤去が始まり、トラック輸送へ。

 

 一方、御料林も、戦後国有林に編入され、長野営林局妻籠営林署の管轄になりましたが、1979年には妻籠営林署は三殿営林署に統合(1982年に南木曽営林署と改称)。

 1999年には中部森林管理局木曽森林管理署南木曽支署に改組されました。


 南木曽町は面積の88%が森林であり、そしてその約7割が現在も国有林という町ですが、南木曽町のウェブページ「統計資料 」によれば、林業従事者は1980年国勢調査の310人に対し、2010年は71人。

 林業の衰退は、全国的な傾向ではありますが、中山間地の過疎化への影響はどうなのでしょうか。

 

 南木曽町の人口は、1980年の国勢調査の6680人から、4810人への30年間で28%減少しています。

 

 南木曽町には、かつておんたけ交通が路線バスを運行していましたが、2007年に南木曽町に移管され、現在は「南木曽町地域バス」です。

 

 そして、南木曽岳登山口である、蘭地区の尾越バス停に向かう、「保神線」は一日五本の運行


ピタゾウのブログ-南木曽岳山麓避難小屋   というわけで、今回は自家用車でのアプローチになりました。

 

 蘭キャンプ場 から先、道が細くなりますが、さらに進むと駐車場があり、南木曽岳山麓避難小屋(左画像)やトイレもありました。

 

 手元の高度計で、すでに標高は960m。ここに車を置いて、登山開始です。

 

 時間は8時10分。

 

 南木曽町観光協会の「南木曽岳登山道案内図 」によれば、コースタイムは一周6時間とのことですが、さて、どうなるでしょうか。

 

(次回に続く)