昔の話。(かなり長い文になる予感。)
地域限定のお客様がおりまして、なかなか希望の物件が出なくて、
すでに2ヶ月が経過したときのこと。
すでに終了していた物件が、ローンキャンセルで出てきました。
これが正に、上記のお客様にジャストフィットと思いました。
ペルフェクトでございます。
ただ建物はまだ上棟したばかり。(建て始めたばかりということよん)
イマイチ、全体像がつかめない。
しかし、この方はすでに何件か完成物件を参考に見ている。
特に問題はないだろうと思われる。
この物件は更地で即完売した物件だったのですね。
つまりお得感がプンプンと匂ってくるような物件なのです。
すぐに無くなってしまうっ
と感じました。
即奥様に電話連絡しました。
奥様曰く、週末の日曜日ならば見れるとのこと。
私、力説しました。日曜日では遅いっ
絶対に土曜日の午前中に
申込が入ってしまう物件だと。
だから、何とか土曜日の朝一に来てください。とお願いしました。
当時はインターネットなど普及しておらず、この方にはFAXもなかった。
今みたいに一家に一台なんて時代じゃない。
お客様からすれば、図面を見てもいないのに、仲介の私が来いと言っている。
さぞ、不信に思われたであろうかと。ただこちらは自信がありました。
だって、希望にバッチリ合ってるんだもん。
ようやく、奥様のご主人を説得して来ていただくことに。
朝9:30に待ち合わせをして、いざ出陣。
お二人のまさに予想通りの盛り上がり。
う~ん、仲介冥利に尽きる。
ただ、ご夫婦から希望が出ました。
「1階の洋室を和室に変更出来ないか
」と、
「多少でも価格を値引き出来ないか
」の2点。
私は無理だと言いました。
何故ならば、この物件であれば現状のままの姿で、売れる。
価格も絶対に引くはずがない。引く手数多だからだ。
変更工事などしたら、費用もかかるし大工工事が増えるので
工期が遅れる。なので受ける訳が無い。(と売主から聞いているのだ。)
値引きなど言ったら、軽く断われるし、2番手の申込にアッサリ負けると。
必ず、午前中に3件は申込が入るはず。
いかに早く一番手の申込を、現状のままで満額で入れるかが重要だと力説しまくりです。
納得していただき、「買いますっ
」とのご返事。当時の会社に猛ダッシュ![]()

車内では、これから来社していただき、資金計算と申込書をいただく話をしました。
先ほどの希望は諦めてくださいねと念押ししてね。で到着。
接客ルームにお客様をお通しして、ダッシュで営業ルームに戻ります。(スピード命
)
上司に接客をして貰うためです。
(自分でクロージング出来るけど、上司に合わせろってうるさい会社だったんだよ、当時は。)
自分の課に戻ると、上司の課長がいません。
何だよっ![]()
と思い、見回すと部の長。つまり御大部長がいらっしゃいます。
よし、御大にご登場いただこうと、状況報告いたしました。
部長:「おう、ユウジ。どうした
来社か
」
中村:「はいっ
(緊張!)それで、接客をお願いしたいのです。状況は・・・」
お客様の状況を説明し、こういう希望が出たが私は断わった。
何故ならば、これこれこういう理由だからと。もしもまた出たならば
必ず断わってくださいと。そんな条件を出したら一発で売主に蹴られるからと。(力説しまくり!)
部長:「よしっ
わかった。」
ホッと胸をなでおろす私。後は一番手を取れるかか勝負。
時間との戦いだけだ
と。前にも資金計算はしているから、長くても15分でいけるだろうと。
で、御大接客に入る。私は隣に座ります。
部長:「この度はありがとうございました。どうでしたか本日は![]()
ああ。やはりこれですか。良い物件ですからね、こちらは。
(購入申込書を出しながら)それではこちらにサインをお願いします。」
早っ!
接客してから10秒経ってないんじゃないの
よし、これで一番手は確実だ
と。
すると・・・・
お客様の方から、先ほどの希望点が出てきた。
洋室を和室に出来ないかと。
やはり来たかっ
と。一応、私から説明を受けているが、上役に聞くだけ聞いてみようと
いうことだね。
いやぁ、さっき部長に言っておいてよかったなぁと。すると間髪入れずに御大が
部長:「洋室を和室に
出来ますよ、それぐらい。」
はぁ![]()
![]()
おうおう俺の話聞いてたのか、このオヤジっ![]()
責任取れるんだろうなと。それとも太いパイプでもこの売主とあるのか![]()

きっとそうなのだろう。流石だな。悪いことしたかな、お客様にはと。
勿論、大喜びのお客様。ちょっと私を見て、「出来るじゃない
」という視線が。
おかしいなぁ。一応売主に確認したときには、追加・変更工事は受けない。
値引きも絶対にしないよって言われてるんだけどなぁ。
気を良くしたお客様。当然のごとく、もう一つの希望も言うわなぁ。
部長:「値引き
出来ますよ、少しぐらい。」
ああっ
根拠があるんだろうな
と。
一応、売主さまとの交渉電話をするために、営業ルームに戻って始めます。
私、「はぁ![]()
![]()
」の部分から無言です。
もう何も言う気もありませんし、お任せするかない。
流石
部長
となるかどうか、見守るしかありません。
(今とはえらい違い。今ならば「何やってんですか
、どいてください。もういいです。」)
プルルルルルルルル・プルルルルルルル・ガチャッ(売主に電話で交渉する)
部長:「あ~どうもどうも、社長。○○○○の○○です。
(地名)の物件なんですが、申込取るんですよ。
ちょっと変更希望がありまして、
洋室を和室に・・・・・あ、出来ない?
あ~そうですか?
ちょっと指値(値引きのことよ)もあるんですが、あの・・・
あ~出来ない?

わかりました。失礼します。」 ガチャンっ
えっ
切った
それって物件押さえてないよね![]()
お客様に交渉をもう一度すればいいんじゃないの![]()
今更かもしれないけど、私との段階では納得してたわけだし![]()
![]()
(上記のこと。頭の中で考えていて約5秒)
部長:「できねぇってよ~。ムカツクな○○○○○(この売主業者名)」
俺はあなたのことがムカツキますが!
中村:「とりあえず一番手でも押さえるしかないじゃないですか![]()
(「アンタ、やっぱりコネもパイプもなかったか!人の話聞いてなかったんだな!
このタコがっ!」と思っていますが)
早くしないと、絶対になくなります
」
部長:「だって、デキネェっつーんだもんよ~。仕方ないな。」
仕方なくないでしょ、交渉しなさいよ、お客さんに。
希望は聞けないけどよろしいですか
ってよ![]()
最悪の状態にしやがって~っ![]()
結局、何も対策も練らずに接客ルームに戻ります。
そこでお客様に言ったことが強烈です。
部長:「あ~、ダメでしたね。今回はご縁がなかったちゅーことで!」
終了かよっ!
結局、何の進展もないどころか、交渉さえもないままに、お客さまとお別れしました。
「別に和室に出来なくても、値引きがなくても良かったのですが・・・」
って後日言われました。
「もう、遅いです。どうにもなりません。」と口には出せなかったが、
心は叫んでましたね。
(完璧だったのになぁ~。悪いことしたなぁ、このお客さんに。)
この接客してから30分後に部長から電話連絡がありました。
部長:「あの物件、決まっちゃったってよ。3番手まで申込が入ったってよ。
ついてないな。また何か紹介して盛り上げろよ。じゃあ。」ガチャンと。
殺意さえ浮かぶ、この言い方。
全てアナタのせいなのだが、自分が悪いと思っていない。
部下の苦労を全て徒労に終わらしたこの男。
二度と今後はお客様には会わせないぞ。![]()
と心に誓ったのでした。
と、本気で思ったなぁ~![]()
今では良い思い出の一つです。