「私説桶狭間」105回目です。こちらです。(←文字クリックで移動します)


四方拝は1年の一番最初に行われる宮中行事です。
昔は一般にまで広がっていたようで、そんな資料を見つけたわけではないのですが、今川家もやっていたんじゃないかなと思い、エピソードに採用しました。


「四方拝」広辞苑では『(前略)皇大神宮・豊受大神宮・天神地祇・天地四方・山陵を拝し、宝祚の無窮、天下太平、万民安寧を祈る儀式』とあります。
でもこれじゃもう一つ辞書が要りそうです。もう少し砕いて書くと、
『皇室の祖であるアマテラス大御神が祀られている伊勢神宮の内宮と外宮、すべての神様、明治・大正・昭和天皇の墓所を拝礼し、永遠の皇位継承と平和な日本、人民の幸せを祈る儀式』ということになるでしょうか。


皇室にならって貴族や庶民の間で行われた四方拝は、1年の豊作と無病息災を願うために行われたそうです。
今川家は駿河・遠江・三河を支配する戦国大名ですから、豊作・豊漁・盛業と家臣・領民の安寧ということにしました。
豊作・豊漁・盛業と、いろいろ盛り込んだ理由は、当時の駿遠三という地域は農業だけでなく、漁業や商業、海運に金山と、様々な産業が発達し、収入源になっていただろうと考えるためです。


ちなみに、本文ではあえてルビを振りませんでしたが、呪文の音はネットにありました。


賊寇之中 過度我身  ゾクコウシチュウ カドガシン
毒魔之中 過度我身  ドクマシチュウ カドガシン
 毒氣之中 過度我身  ドクケシチュウ カドガシン
毀厄之中 過度我身  キヤクシチュウ カドガシン
五急六害之中 過度我身 ゴキロクガイシチュウ カドガシン
五兵六舌之中 過度我身 ゴヒョウクゼツシチュウ カドガシン
厭魅咒咀之中 過度我身  エンミジュソシチュウ カドガシン
百病除癒  ヒャクビョウジョユ
所欲随心  ショヨクズイシン
急急如律令 キュウキュウニョリツリョウ


実は漢字と読み方はいくつかのバージョンがありました。
だから上の表記が正しいかどうかは分かりません。
呪文だからわざと少し変えている?とも思いましたが、実際のところどうなのでしょう。(という、ちょっと言い訳です)