最近のニュースで大きな話題となった、池江選手の東京オリンピック出場
内定。ご本人が本当に努力して、苦しいことにも負けずに耐え抜いたご
褒美を神様が与えてくれたかのような、今回の快挙は日本中の人々の
心に勇気を与えてくれた出来事と言えます。まあ、本当にめでたい。
水泳選手の体は本当に強そう。長期の入院で筋肉を落としたはずなの
に・・・。短期間でここまで戻すのは、トップアスリートならではでしょうね。
そんな強靭な精神力を持つ池江選手でも、白血病治療初期の頃の苦し
みは筆舌に尽くしがたいものだったようで、優勝後のインタビューの話に
よると、入院中は最悪の体調で寝たきりの日々が続いて、本気で「死にた
い」と思うことがあったほど・・・とのことです。
この話を聞いて、程度が全然違うとは思いますが、私の骨折治療初期の
頃のことを思い出しました。粉砕骨折をした直後も痛かったのは当然です
が、本当の地獄だったのは手術をした後です。左膝から上が痛すぎて一
日中吐き気がするわ、熱も常に38度以上あるわ(これが何週間か続い
た)で体調最悪なせいで夜も全く眠れないし、なにより24時間ほぼ仰向
け状態で寝返りも打てず、日々ぼーっと過ごす状況は、もう拷問を受けて
いるような心境でした。車いす生活になるかもしれないと主治医に言われ
たこともあいまって、死にたいと何度思ったことか・・・。どうやら人は、行
動制限+体調不良+将来の展望なしが重なると死にたいと思うように
できているようです。こればかりは、本当にそういう状況にならないと理解
出来ないと思います。
でも、このような状況、もしくはもっと過酷な状況で数か月どころか幾数年
も闘病している方は、世の中にごまんと居るわけで、そういった方々の
苦労が、池江選手の華々しい活躍の裏にある闘病話をきっかけにクロー
ズアップされて、共感、支援の輪が広がるといいな、と思います。池江
選手の活躍や、インタビューでの「努力は必ず報われる」という言葉に
やっかみを覚えるという人もいると聞きますが、池江選手は自身の体験
をふまえ、あえてそのように発言されていて、そういう思考によって少しで
も現状況をよくすることにつながるという趣旨の話である、と捉えないとい
けないと思います。実際に一度死にたいと思い、恐らく常人には想像もつ
かない努力をした方の言葉なので、普通の人が言うのとは重みが全然違
います・・・。
ちなみに、あれだけの活躍をするようになった今でも普通の生活ができて
いることに感謝しているとのことで、私もいまだに普通に歩けることですら
「歩けるって、本当にすごいことなんだよなあ・・・」と日々思うほどです。
一度不自由な生活を経験すると、普通のありがたさに感謝するようにな
るので、今思い返しても骨折というのは嫌な経験でしたが、当たり前に
感謝するという考え方ができるようになったのは、良いことなのかもしれ
ません。あと、左ひざの状態に大きな変化はあるはずもなく、いまだに
ひざから太ももにかけて硬い筋みたいなものがある感触は、今後も改善
しないような気がします。運動機能に別段支障はないとはいえ、なくなっ
てくれたらちょっと嬉しい・・・。そう思って、スパ銭とかに通うたびにコツコ
ツとリハビリとはいえない程度のストレッチに取り組んでいます。そういえ
ば、皮膚の手術跡は完全に消えることはありませんが、少しだけ薄くなっ
てきている気がします。こういうちょっとした体の変化も、見つけるとちょっ
と嬉しくなるもので、人間の体は本当に不思議です。