スポーツで 足を酷使した後、あるいは寝ている時などに、突然〔足がつる〕という経験をした事が有る人は多いはずです。

なかには、普段から 足がつりやすくて悩んでいる人もいるかもしれません。

自分の意識と 無関係に起こる筋肉ケイレンは、いったいどのような原因で起こるのでしょうか? 

日本スポーツ医学財団理事長の松本秀男医師に、その医学的な原因や 予防法などを聞きました。 

『〔足が つる〕という事態は、けっして珍しい事では無く、ほとんどの人に起こりうる事です。たとえばサッカーや テニスなどの選手が、

試合の終盤に成って、足がつっている姿を、目にした事が有る人もいる事でしょう。

普段からトレーニングを重ね、コンディションを整えているはずのプロの選手でさえも、足が つる事はあります。 

 足が、つる事が最も多く起こる部位は、ふくらはぎにある《腓腹筋(ひふくきん)》です。

ふくらはぎは<コムラ(腓)>ともいう為、俗称<コムラ返り>とも呼ばれます。正式な医学用語では、≪腓腹筋ケイレン≫と言います。

この自分の意識とは、無関係に起こる一時的な筋肉のケイレンは、ふくらはぎの他、太ももや 足指、全身でも起こる事があります。

太ももの大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のような大きな筋肉で起こるほど、痛みは強く成ると言われます。  

では、なぜ突然、無意識に筋肉のケイレンが一定時間起こるのでしょうか? 

その原因は、はっきりと特定されていませんが、とくに持久系のスポーツの運動中や、運動後に生じる事が多い事から、

筋肉の使い過ぎと 大きな関係が有ると言われています。  

長時間の激しい運動で 局所の筋肉を酷使すると、筋肉への栄養の供給が需要に追いつかなくなり、ケイレンが生じると考えられます。

一般の健康な人でも、一日じゅう立ち仕事をして足が疲労したり、血行が悪くなったりした時に 同様の状態に至り、起こる事があります。  また、電解質の異常も1つの原因と考えられています。運動中は、発汗に ともなって水分や、電解質が失われます。

電解質とは、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなど血液中にあるミネラルイオンの事で、これらが筋肉や神経の動きを調整しています。

その電解質のバランスが乱れると、筋肉のケイレンが起こるのです。』と!