平成22年の夏の暑いさかり、仕事上の過度なストレスと座り仕事が中心だった私は、長年に渡り便秘と下痢に悩まされていた。今まさに便秘解消の強い意志を持ってトイレに籠城していた。トイレは洋式のウォシュレット付のものだ。ここで3日分の「もの」を出すのだ。全身全霊をかけて強くいきみ続けた。何とか「もの」が出る気配がする。さらにいきんでみた。すると、何やら水分の無くなって硬さを増した「もの」が出始め、安堵しながらもずっといきんだ。チャポン、チャポンと水たまりに「もの」が落ち始める。長さによって、チャポンの間隔が違う。苦闘すること10分間、合計5回のチャポンの音がした。3日分の「もの」だ。やれやれ。今回は下痢じゃなくて良かったと思いながら、下痢なら無駄な体力は使用せずに済んだかもしれない。まあいい。出たことは目出度きことだ。さて、肛門を洗浄しようとリモコンのボタンを押そうとするその瞬間、
ピチャ。
ん?何の音だ?
ピチャ。
ウォシュレットの残った水が垂れているのか?
ピチャ。
少し不安に駆られながらも、出た「もの」の確認もあるし、股ぐらから覗き込んだ。
便器内が朱色に染まっていた。「もの」と水溜まりも赤い絵の具を溶かしたように朱色だし、はねた後があちこちに飛び散っていた。何?出血?自分が混乱している。考えが纏まらない。