結婚は人生に大きな影響を与えます。

それは必ずしもプラスばかりではありません。時には大きなマイナスを生み出すこともありますし、逆に一人では到底生み出せないようなプラスを生み出すこともあります。

プラスを生み出すか、マイナスを生み出すかに大きく影響してくるのは、お互いが持つ価値観です。

働き方や人生の過ごし方、お金の使い方などで夫婦が共通の価値観を持っていると、その夫婦は非常に強くなることができます。複数の人が同じ方向を見据えて動くことはとても大きな力を発揮することができるからです。

つまり、互いの価値観ができるだけ一致する相手と結婚することができれば、夫婦は協力してより大きな力を発揮できるようになります。

それはあなたの人生、お金の問題に対してあらゆる方面から影響を与えてきます。


●人生の方向性はできるだけ一致するほうがいい
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人生の方向性とは俗に価値観と呼ばれるもので、夫婦それぞれが持つ価値観が互いの人生を大きく左右することになります。

基本的には夫婦の価値観が一致していればしているほど、互いに考え方の相違が小さくなるので、強い協力体制を取ることができます。

ちょうど二人三脚をやっているのと同じで、息の合った二人ならほぼ全力疾走し続けることすら可能になります。

その反対に、夫婦の価値観がずれていると厄介なことになります。

夫はサラリーマンで終わらずに独立して成功したいと考えているが、妻は夫に堅実に会社勤めをして毎月安定した給料を受け取り続けてほしいと考えていることは、決して珍しい話ではありません。

これを二人三脚で例えるならば、その場から全然前に進むことができない、あるいは力の強いほうが相手を引きずりながら進んでいるようなものです。協力体制を作るどころか、一人でいたほうがより好ましい状態になるかもしれません。

どんな生き方を選ぶのかは完全に個人の自由です。どちらの生き方が正しい、間違っているというものはありません。

しかし、夫婦の価値観が大きく異なってしまうと片方あるいは双方の価値観が制限された生き方となってしまう場合があります。自分が持つ価値観に沿って生きることができないことは想像以上に辛いものです。

このような価値観のズレはお金の扱い方や資産運用でも起こります。


●夫婦共有の財産管理はどうするのか
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夫婦の問題でかなり重要な位置にあるのがお金に対する価値観です。これができるだけ一致していることが非常に大事なことになります。

夫婦は一緒に生活することになるため、夫婦が稼いだお金をどのように使うのかという問題に直面します。夫婦どちらが稼いだお金も共通にするのか、夫婦それぞれ毎月出す生活費を決めておき、残りは各自が自由に使うのか、保内も様々なやり方がありますが、大事なことは夫婦がともに納得できる方法を選ぶことです。

お金の使い方ひとつをとっても実に様々です。お金を使うことが極端に少ない人、宵越しの金は持たないと言わんばかりに財布にあるお金をすべて使ってしまう人、クレジットカードを持たせると際限なく使い続けてしまう人まで、実に様々です。 

夫婦が何の恥ずかしげもなくお金の話ができる状態にあることが望ましい姿の一つです。例えば会社の経理担当が経営状況をまとめて報告するように、毎月夫婦の共有財産の状況や増減を確認してするくらいになるのが理想の姿の一つでしょう。

そのためには、日頃からお金に対して互いの信頼関係を高める努力を積み上げることが必要です。

私は共通のお金を使うときは必ず「これ買うけどいい?」と許可を取るようにしています。事後報告でも問題なさそうな買い物であったとしても確認を1つ入れることで、お金に対してきちんと向き合っていることを示すようにしています。

夫婦共通の財産管理方法に正解はありません。あるとするなら、互いにお金の価値観にきちんと向き合って考えて、お互いが納得できるような形を見つけ出すことです。非常に面倒くさいように感じるかもしれませんが、夫婦関係を継続するうえでは想像以上に重要になってきます。


●資産運用は極めて繊細な問題となる
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お金に対する価値観の違いや信頼が特に顕著に表れるのが資産運用です。

私の資産運用の主軸は株式投資です。そして結婚してからは株を買うのは許可制にしています。

これは妻がそのように要求したのではなく、私がどのような資産運用をしているのか、なぜこのタイミングでこの株を買うのか、あるいは売るのかを説明して納得してもらうための必要な手続きです。

株式を買う時に自分の判断だけでサッと売買することが一番楽なのですが、それは夫婦共有の財産である以上、私の判断だけでお金を動かすことはいずれ悪い方向に力が働くと考えているからです。

利益を出せれば事後報告でもいいじゃないかという考え方もありますが、そのようなことを繰り返していると、仮に利益を出していても信用は少しずつ失われるものです。損失を出そうものなら夫婦間の信用など一気に失われてしまいます。

結婚後の資産は夫婦の共有財産ですから、資産運用をすることに夫婦が一生懸命話し合いを繰り返して納得することが、最低限必要な手続きです。

だからこそ、資産運用が絶対に嫌という人をパートナーにした人は、資産運用自体を諦めるほうが賢明です。

お金に対する価値観の中には、今この瞬間1円だって損をしたくない、あるいは損をする可能性が少しでもあるのなら絶対に受け入れることができないと考える人は一定数存在します。

それはその人がこれまで生きてきて身につけた価値観ですら仕方がありません。変えようとすること自体が無駄な努力なのです。時間を掛ければ変わっていくかもしれませんが、無理に変えようとすれば、後に大きな歪となって災いを招くでしょう。

夫婦の絆や愛はお金で手にすることが決してできない素晴らしいものです。その気持ちを大事にしてあげてほしいのです。

ただし、資本主義社会において資産運用をしないという選択は、資本主義社会が持つ運用の力、複利の力を放棄することになります。この力を放棄するということは、お金を働かせてお金を手にすることを失うことになります。

言い換えれば、お金のために働き続ける人生が待っているということです。宝くじで高額当選する、両親から多額のお金を相続するなど想定外の幸運が無い限り、あなたの労働だけがお金を手にする手段となるのです。

そして働くと言われると大部分の人が「どの会社に就職しようか」と考えます。どこかで雇われて働いてお金を稼ぐ方法しか知らないのです。それ以外の方法を考えることさえしないのです。

誰かに雇われて働くという方法の長所は安定収入を手にできることです。その代償として、あなたの稼ぎは「あなたが働いた総時間×時給●●●●円」に限定されます。

これは単純労働者でも優秀なエリートサラリーマンでも時給の単価が異なるだけで、本質的な構造は同じです。与えられている時間が限られているため、稼ぎには限界があります。

あなたの労働で得られる対価のみでお金の問題を解決することはかなり難しくなってしまうでしょう。


●結婚相手を選ぶときはワガママになってもいい
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結婚相手が持つ価値観は、あなたのお金の問題に多大な影響を与えます。多くの場合でパートナーの存在はあなたのお金の問題をより複雑にするかもしれません。

その一方で、二人三脚のまま全速力で走ることができるほど価値観や生きる方向性が一致しているパートナーならば、あなたの人生は非常に素晴らしい方向に変わっていくことでしょう。

幸いなことに、結婚相手は自分で選べます。その選んだ相手によってあなたの人生は大きく変わります。周りから「選り好みし過ぎだ」「贅沢だ」と言われようとも、納得できるまでパートナー選びに力を注ぐことが、結果的にはより良い人生を送るために必要なことになるでしょう。

値観を共有できる夫婦になる事はお金を稼ぐより難しいのです。資産運用や起業で成功するほうがずっと簡単で現実的かもしれません。

だからこそ、価値観を共有できる素晴らしい相手をパートナーにすることができたら、あなたの人生は大きく飛躍することでしょう。

最近はオンラインカジノがあり、現地に行かなくても自宅でカジノを楽しめるようになっています。オンラインカジノでもブラックジャック、ルーレット、バカラ、クラップス、テキサスホールデムポーカー、ホールデムポーカー、キノ、スロットなど様々なゲームが用意されています。

お金を手にする手段、資産運用としてカジノを利用することを考えた場合、どのような戦略が一番効果的と言えるのでしょうか。


●戦い方がある程度確立している勝負なら勝てるか!?
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スロットなど機会を相手にするゲームは、機械内部の設定によって操作されていることが予想できます。長く続けても最終的に負けるゲームになることは簡単に予想できます。

その点、ブラックジャックは比較的戦略性が高いゲームとして利用されています。いつ勝負しても良い事、3枚目以降のカードを自分の選択で聞くことができる選択権があること、ディーラーは合計数字が16以下なら必ずもう1枚引くが17以上であればその数字で勝負しなければいけない決まりがあること、将棋やチェスと同じように、定石(基本戦術)が存在しているなどの有利な要素があるためです。

ブラックジャックの定石は少し調べると多くのサイトで紹介されていますので、一般人でも簡単に情報にアクセスして調べることができます。秘匿情報ではないので、あなたもすぐに利用することができます。

このように考えるとブラックジャックは比較的プレイヤーに有利な条件が与えられているように見えます。定石を理解して最大限に活用することで、何も知らずに戦うより確実に勝率を高めることができるでしょう。

しかし、疑問も浮かびます。戦い方の定石が確立されているならば、どうしてカジノ側はブラックジャックというゲームを提供し続けることができるのでしょうか。勝率が五分五分ならば、カジノ側は運営資金をねん出することができずに廃業することになります。

残念ながら、多くのカジノがブラックジャックを規制することなく営業を続けていることを考えると、ブラックジャックもまたカジノ側に有利な仕組みになっていることがわかります。複雑な計算をして証明するまでもなく確実な話であり、疑う余地はありません。

定石(基本戦術)がどんなに整備されていて、それを入手して最善を尽くして勝負し続けたとしても、カジノ側は最終的により沢山の利益を手元に残せる仕組みを作っているのです。だからこそ、ブラックジャックでの戦い方の定石が野放しになり、カジノはブラックジャックのルールを変えていないのです。

これはブラックジャックに限らず、どのゲームでも同じことが言えます。カジノで勝負するということは、勝負し続ければ続けるほど負けてしまう勝負に挑んでいることになります。

これはカジノが大数の法則を味方につけているためです。


●大数の法則を味方につけた者が必ず勝つ
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大数の法則とは、試行回数を無限回繰り返せば、最終的に数学的に計算される確率に落ち着く、というものです。

コイントスをすると、表と裏が出る確率は数学上では50%ずつとなります。
サイコロを振ると1~6の目が出る確率はそれぞれ6分の1となります。

ただし、大数の法則は試行回数が少ないと成立しません。6個のサイコロを振って全て異なる目を出す確率は約1.5%に過ぎません。試行回数が少ないうちは数学上の確率とはかけ離れた結果が出るものです。

しかし、数限りなく試行回数を重ねると、最終的には数学的な確立に落ち着きます。これを覆すことはサイコロに何かを埋め込むなどのイカサマや小細工をしない限り不可能です。

このことはカジノでも当てはまります。カジノでブラックジャックを楽しむことができるのは、ディーラーが最善を尽くすことで確率的にカジノ側が儲かるような仕組みになっているからに他なりません。

カジノで勝負する一般人とは異なり、カジノ側は圧倒的にたくさんの人たちと勝負しているので普通の参加者より圧倒的に早く大数の法則が働きます。この法則がカジノ側に不利となっているならば、カジノはいずれ経営できなくなります。

カジノが存続し、ディーラーや従業員に給料を払えるほどの稼ぎを手にしていることを考えれば、ブラックジャックに限らず全てのゲームがほんの少しだけ(例えばカジノ側の勝率が50.1%のように)カジノ側に有利にできているのです。

カジノ側は自身にほんの少しだけ有利な勝率に設定することで、客に夢を持たせ、実際にカジノで大金を手にするプレイヤーを生み出し、総合で見ればカジノ側は莫大な利益を安定して出すことができるのです。


カジノで勝つならカジノ側に賭ければいい
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結局、カジノでお金を賭ける側で参加する場合、あなたが取りうる最善の行動は黙ってその場を立ち去ることです。

ならばカジノで勝つにはその反対側、つまりカジノの運営側に就けばいいのです。運営になるためにはあなた自信がカジノを経営するか、カジノ側に出資してその対価を受け取り続けるのが一番合理的です。

カジノで客としてお金を賭けて勝負するのは他の誰かに任せればいいのです。

運営さえしっかりしているならば、この方法では非常に高い確率で利益を上げ続けることができます。大数の法則を味方につけているほうに賭けるのですから、勝って当たり前の勝負です。

いや、勝負にすらならないでしょう。カジノ側に賭けるのは、落ちているお金を拾うようなものです。大数の法則を味方につければ、それほどまでに安定して利益を手にし続けることができるのです。

その代償として、ドキドキ感を手にすることはできなくなります。勝つ可能性がほとんどない勝負で逆転した時に得られる快感、勝負に勝って大金を手にした時に得られる高揚感を手にすることはありません。

しかし、資産運用にそんなものは必要ありません。資産運用は少しずつ、しかし確実に勝つほうに賭けることです。勝つ仕組みを持つものに賭けることです。そこに感情の高ぶりや興奮は必要ないのです。

どうしてもギャンブルで勝った時の感情の高ぶりを手にしたいなら、カジノでお金を賭ける側で参加することになり、あなたはお金を失い続けることになります。

それはあなたの自由ですが、分の悪い勝負であることは頭に入れておきましょう。経営や資産運用は理論で行うものが最終的により沢山のお金を手にすることができます。決して一時的な感情の高ぶりを手にするために行うものではないのです。

前回のブログでは見た目と内面の判断基準について書きました。
最終的には内面で判断されるが、その入り口は見た目になるので、どっちにしても手を抜いてはいけないのです。

しかし、相手の内面がわかっていない時に、見た目で判断するのはなぜでしょうか。この判断基準は触れてはいけない事実の1つですが、これを意識しておくことで、あなたの人生はより有利になるでしょう。



●見た目の価値はその地域の文化によって決まる
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そもそも見た目の評価は、その地域の文化に依存しています。例えば魅力ある女性像について考える場合、地域差が大きく出てきます。

日本であれば童顔な女性が、欧米では大人な女性が好まれる傾向にあります。別の地域に目を向けると、南米ではマッチョ文化を背景としているのでマッチョな女性が好まれます。また、別の地域に行くと、太っている女性ほど好まれる地域もあります。

そのため、日本では全く見向きもされなかったとしても、別の文化圏に行くと非常にモテることは珍しくありません。そしてその逆、日本ではモテモテな人が別の地域では見向きもされないこともよく起こります。評価基準が違うのですから、それは当然ことです。

同じ地域でも、評価基準は時代によって変わります。日本では平安時代に美しいとされた女性と2019年において美しいとされる女性は全く違います。歴史の授業で平安時代に描かれた女性が教科書に載っていたと思います。その女性は当時では絶世の美女であったと考えられますが、現代の基準で見た時にはまた別の評価がされるでしょう。

これは何が良い悪いではなく、ただ単に違う、という話です。

このように、見た目に対する評価基準は絶対的な評価や時代に関係なく共通なものではなく、むしろその地域や風土、文化、社会によって美の基準は大きく変化するものなのです。


●見た目がいい人は既に1物を持っている
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見た目への評価が社会や時代によって変わるということは、見た目の良し悪しと内面の良し悪しは互いに無関係であることになります。

「天は二物を与えず」という諺は嘘です。人によっては2物も3物も持つ人がいる一方で、1物も持っていない人たちもいるのが現実です。世界で通用するスポーツ選手や大金持ちがみんなブサイクということはありません。

 

残念ながらこの諺は、何も持たない人に対する慰めの言葉に過ぎません。この事実には多くの人が何となく気づいていますが、これは非常に重要です。このことを突き詰めて考えていくと非常に厳しい現実に直面することになります。

見た目と内面に関係性がないのならば、以下の1)2)と3)4)の組み合わせの人たちは、それぞれ同じくらいの人数が存在することになります。

1)見た目良し、内面良し
2)見た目良し、内面悪い
3)見た目悪い、内面良し
4)見た目悪い、内面悪い

そして、どの属性の人たちと仲良くなりたいか、人間関係を持ちたいかと考えれば、ほとんどの人は1)を選択するはずです。

なぜなら、見た目が良い人は既に1物持っているからです。これで内面も良ければ2物であり、非常に素晴らしい人となります。仮に内面が悪かったとしても1物は持っているのです。

その反対に、見た目が悪い人を選べば、内面が良くてようやく1物です。内面まで悪ければ0物ですから、わざわざ選ぶ必要がなくなってしまうのです。

1)見た目良し、内面良し → 2物
2)見た目良し、内面悪い → 1物
3)見た目悪い、内面良し → 1物
4)見た目悪い、内面悪い → 0物

結果として、相手の内面がわからなければ、見た目の良い相手を選ぶというのは極めて合理的な選択となります。これは教育されてそうしているのではありません。ほとんどの人が持っている、ごく普通の価値観なのです。


●自分にこだわりがある価値観より人生が有利に価値観を持つべき
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今回は非常に厳しい現実について書きました。この話は極めて多くの反感を呼ぶことになるでしょう。

見た目で判断する人は心が冷たいと評価されるのが現実です。私たちはそのような批判にさらされたくはありませんが、実際の行動では見た目が良い人を選択することが非常に多いのです。

例外的に、既に内面がわかっている状況においてはが見た目の力が弱まるので別の力が働きますが、その条件がない場合は見た目が持つ力が最大限に発揮されることとなります。

実は、昔の私は見た目で判断するという価値観が大嫌いでした。その間は女性にモテることはありませんでした。しかし、意識して見た目を変えることで結果として大きな利益を手にすることができました。

これは当然の結果、起こるべくして起こった結果です。間違った価値観を信じている限り、良い成果を手にすることはできません。

自分が持つ価値観とどんなに合わない、相反するものであったとしても、それが真実ならば粛々と従うほうが良いです。

私はこの現実に気づいたときに強く反発しました。そんなことあってはいけない、と考えたのです。しかし、恋愛活動をするうちに、どうやら人は見た目で判断する生き物だと納得し、それに反発するよりは逆に利用するほうがいいのではないだろうかと考え、長い時間をかけて少しずつ価値観を変えていったのです。

自分が長年信じてきた価値観を完全に否定し、それとは真逆の価値観を持つことは大きな苦痛を伴うものですが、長い目で見た時には、事実に従うほうが大きな成果を手にすることができるのです。

そして、見た目が良くなれば、恋愛のみならず、仕事、友達関係、何らかのコミュニティ内でも周りより高い評価を手にすることができるので、人間関係が楽になるのです。

あなたの人生がより有利になる価値観を持つことをあなたの助けになります。そのことは意識していただきたいと思います。

人の見た目や内面を指す言葉は沢山あります。人は見た目が9割という本、人を見た目で判断してはいけないなど、見た目や内面に関する様々な話はありますが、現実にははどうなっているのでしょう。

結論から言うと、見た目も内面は甲乙つけられないほどに大事です。どちらが大事なのかという考え方自体が間違えていると断言できます。


その理由がわかると、人間関係の様々な面で大きく役に立つことでしょう。


●人は他人を見た目で判断せざるを得ない
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過去に何度か書いているように、私は一時的に恋愛活動をしていました。恋愛活動をする上で極めて重要度が高かったのが外見でした。

ここで言う見た目とは身なりや髪型などを指します。そして見た目が良くないと第一印象で却下、つまりコミュニケーションを取る価値がないと判断されてしまうことが非常に多かったのです。

今から振り返ると、これは仕方がありません。私たちは見た目からその人の内面を判断する術を持っていません。そして、私たちは、全ての人たちとコミュニケーションを取るだけの時間もありませんし、労力を割くこともできません。


コミュニケーションを取る相手は何らかの方法を使ってふるいにかける必要があります。その時の道具に使われるのが外見です。

 

ほぼすべての人が無意識に、見た目に気を使える人だから内面もしっかりしているのだろうと仮定して、コミュニケーションを取る相手を決めるのです。

この構造を理解して、身なりをきちんと整えるようになってからは、その判断基準はメリットになります。第一印象が良いというだけで、女性も「とりあえずこの人の話を聞こう」という姿勢になってくれるのです。会話をして自分を伝える段階に進みやすくなることは、恋愛活動のみならず人間関係でも非常に重宝します。

もちろん女性が求める見た目レベルには程度の差があります。顔の作りの良さまで求める女性にはNG判断されることも多く、これは「その女性」固有の価値観として割り切るしかありませんが、多くの女性は身だしなみをきちんとしていればOKするのが実体です。女性と出会う数が増えれば増えるほど、見た目が持つ力を改めて痛感したものです。

しかし、皆さんに誤解していただきたくないのは、見た目だけ良ければいいという話ではないことです。就職活動で例えるならば、見た目は試験を受けるための資格の有無を判断するもので、実際の試験では内面でされるということです。

内面を見てもらうための道具が見た目、と考えるとわかりやすいかもしれません。
このことを非常に感じたのがカナダのホワイトホースでの旅行です。


●内面で強く評価される社会の背景
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カナダのホワイトホースは自然豊かなド田舎で、田舎暮らしやアクティビティが大好きな人なら移住を検討しても良いレベルの大自然が残っています。

ホワイトホースの人たちの多くは、人を外見で判断することがあまりありません。現地のガイドさんは人差し指が楽に通るほど大きな穴が開いているシャツを着ていましたし、車のナンバープレートはドロドロに汚れて書かれている文字が見えない車が大部分でした。

私が恋愛活動していた時は見た目重視があまりにも強かったので、見た目を気にし過ぎない社会が非常に疑問でした。ガイドさん含めて現地の人たちにいろいろ話を聞いたところ、謎が解けました。

ホワイトホースに住む人たちは、その環境を好んで移住してくる人が多く、そのため自然やアクティビティが好きという共通の価値観を持っている人が多いのです。共通の価値観があると簡単に仲間になることができます。

それに加えて、お互いがお互いのことをよく知っている社会になっていることも大きな理由の一つです。


街で10人とすれ違うと3~4人の知り合いと出会うような社会がホワイトホースです。その背景には、共通の価値観を持つ人が多い事、そして様々な機会を通して少人数のパーティーが開催されており、それが地域内で濃密な人間関係の形成に一役買っています。

その結果、お互いがどういう生活をしている、どういう性格をしている、どういう価値観を持っているのかを知っている社会が形成されているのです。

これは昔ながらの日本の田舎に似ています。●●さんの長男は●●大学に進学した、▲▼さんの娘さんは×●さんと結婚したなどという情報が瞬時に伝わる、田舎社会と似たような社会が形成されているのです。

だから互いが互いの情報を知っている、ほとんど交流がなかったとしても、間接的に相手のことを知っている状態なので、何かのきっかけで初めて会うことになっても「ああ、●●さんですね、良く存じ上げております」となります。

このような状態においては、見た目が持つ影響力はかなり小さくなります(がゼロにはなりません)。相手の内面を知っているので、わざわざ見た目で評価する必要はないからです。皆さんそうだと思いますが、その人のことをある程度知っていれば、見た目を気にすることはほとんどないでしょう。内面を知れば知るほど見た目に対する評価は薄くなり、価値を失っていくのです。

内面で評価が成立するためには、相手を十分に入っているという前提条件が必要です。この前提条件は十分に理解することが必要です

日本で開催される不特定多数が集まるパーティーや合コンなど、相手の情報がほとんど分からない状態で会うときは相手の内面が分かりません。その状態で「その人とコミュニケーションを取るか否か」の判断材料は見た目にならざるを得ないのです。

これは少し考えればわかると思います。あなたも汚い食器よりはきれいな食器に目が行くはずです。これは知らない人間を目の当たりにした時も同じで、内面が全く分からないなら見た目で判断することはごく自然の流れです。



●見た目も内面も、どちらも大事
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見た目と内面の関係性をまとめることこのようになります。

あなたの内面を全く知らない状態・・・あなたの見た目が全ての判断基準
あなたの内面を良く知っている状態・・・あなたの内面が最重視される

あなたの内面が相手に伝わっていない状態であればあるほど、見た目が持つ価値は非常に高くなります。そして、相手があなたのことを知れば知るほど、あなたの内面に対する評価値が高くなっていきます。

 

大都会のように、あなたの隣に住んでいる人がどんな人なのかわからないような人間関係が希薄な社会になればなるほど外見が持つ力は強くなります。外見だけで判断される社会となるのです。

 

その反対に、社会が濃密につながっていて、誰が何をしたのかがすぐに情報伝達されるような社会ならば、あなたがどんな人なのかが知られています。どんな人なのか知られているということはあなたの内面に関する情報がある程度共有されている状態ですから、外見が持つ影響力はかなり小さくなります。

あなたが内面だけで評価されるためには社会的な繋がりがとても重要となります。あなたが地域のつながりが希薄な地域に住んでいるのに、内面で評価されようとするのはワガママで、自己中心的で、身勝手な考え方です。あなた自身の内面を見せるだけの必要な努力をしていないとも言えます。

あなたの素晴らしい内面を知ってもらうために、見た目への配慮も心掛ける行動を取る事が、あなたの人間関係をより円滑に、より深く、より豊かなものに変えていくことになるでしょう。

しばらく前、仕事中に偉い人がボソッと喋った言葉が印象に残りました。「何かを新しい仕事を始めるのであれば、今はやっている仕事の何かを止めなければいけないよね?」

これは当たり前の話であり正論なのですが、現実問題として今ある仕事を辞めることなどできないことをわかっているので参加者一同苦笑いしていました。

この言葉は意識していないとそのまま笑い話として、すぐに忘れ去ってしまう言葉かもしれません。しかし、あなたの人生を豊かに実りあるものにするための貴重なヒントが含まれているのです。


●全ての人間には等しく1日24時間しか与えられていない
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私たちが生きている時間は限られています。当たり前のことですが、1日は24時間であり、どんな人間でもそれ以上の時間を手にすることはできません。

だからこそ、自分がやりたいこと、成し遂げたいこと、手にしたいものを手にするためには積極的に取り組み、実現していくことが大切です。

その反対に、やりたくないこと、やらなくてもいいこと、やることで自分の人生の足枷になるかもしれないことに対してあなたの時間を使うことは非常に大きなマイナスですからできるだけ少なくしなければいけません。

例えば、あなたが今やってる仕事の中には「本当に必要な仕事」というものから「別にやらなくても良いんじゃない」と感じるものまでさまざまあると思います。

仕事の効率を上げることも時間の有効活用になるため重要なことですが、真の意味で最も効率が良い方法は、不要な仕事辞めてしまうということです。

100の時間がかかっていた仕事を50にすることも素晴らしい成果ですが、それ以上に100の時間をかけていた仕事を0にしてしまえば、究極の仕事効率が実現します。

これはあなたの日常生活、プライベートの時間、あるいは家族の時間でも同じことが言えます。特に仕事以外の時間は、あなたの人生を作り上げていくための貴重な時間です。その時間をどのように過ごすのかがあなたの未来を大きく変えることになります。


●あなたは何を手にしたい?
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私たちの身の回りにはあなたの時間を無駄にしてしまうものが非常にたくさんあります。例えばテレビや動画サイト視聴はその典型でしょう。

何となく見ているだけで気がつけば夜中になっている、明け方近くになっていている経験は皆さん何度もされていると思います。そしてそのたびに自己嫌悪に陥り、時間を無駄にしてしまった、悔しい!と思ったものです。

あるいはゲームも時間泥棒の代表格です。電車に乗っているときに周りを見渡してみると、少なくない人たちがゲームしながら乗っていることに気が付くでしょう。ゲームをしているとあっという間に時間が過ぎ去ってしまいます。その時間を取り戻すことは決してできません。

あるいは仕事の終わりに会社の同僚と飲みに行くことも、これ自体は悪いことではないのですが、度が過ぎてしまうとあなたの時間を無駄に使ってしまっていうことになりかねません。

私たちの身の回りには何となく時間を使ってしまうものが非常にたくさんあります。そのように過ごしてきた時間が多い人は、人生でやりたいことを十分にやり切るだけの時間を確保できなくなるかもしれません。

その反対に、やりたいことをしっかりと考えて、実現のために行動していると、圧倒的に時間が足りないと感じます。感じるだけではなく、実際にどれだけ時間があっても足りなくなるのです。

私は素晴らしい女性と出会い、お付き合いし、結婚するのだと奮起して活動していた時期がありました。

その頃は圧倒的に時間が足りないと感じていました。素晴らしい女性と出会うためには、圧倒的にたくさんの女性と出会う必要があることは少し行動すればわかりました。だから非常に多くの活動量が必要となったのです。

そしてファーストコンタクトで失敗する、次に出会うことができない、何度か食事をしたが結局付き合うことができないなど、悔しい思いは数えきれないほどしてきました。

最終的に素晴らしい成果を手にすることができたのですが、何かを成し遂げたいのであればそれに対して相当の努力を積み重ね、悔しい思い、悲しい思いをし、それでも何度でも立ち上がり続けなければいけません。そんな状況の中で、無駄にしてもいいと思える時間はありませんでした。

何も考えないでいて望むものが手に入ることはありません。そして、何かを手にするためにはそれなりの時間が必要です。できることは沢山あるのです。

しかし、大半の人はそのような生き方をしていないように感じます。どうしてでしょうか。


●私たちは自ら問題設定して解決する訓練を受けていない
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自分の時間を有意義に使うことは、非常に大切なことであるにもかかわらず、とても難しいと考える人は非常に多いです。

それは、日本で受ける学校教育が、目の前に起きた問題、誰かから与えられた問題を解決することに特化した教育となっているからです。

逆に言えば、目先の問題解決能力以外は何も開発されていません。その結果、自分の人生で何を成し遂げたいのかを考える力を教育として与えられてこなかったのです。

その結果、自分の将来を考えることは難しい、面倒くさいからと先延ばしにして、いつの間にか老人となっているケースが非常に多いのです。

それがわわる話として、人生における後悔の中で「挑戦しなかったこと」が最も挙げられていることは覚えておいて損はありません。

人生において挑戦しなかったことが最も後悔することである。これは先人たちの貴重な教えでもあります。彼らの二の舞にならないための第一歩として、あなたが使える時間は有限であることを知ることです。

私たちはいずれ年を取り、体の自由が利かなくなり、いずれ何もできなくなります。そうなる前にあなたが成し遂げたいことを真剣に考えるべきです。

あなたが何を大切に考えて時間を使うのか、答えはあなたが決めなければいけません。あなたのやりたいことはあなたの心の中にあります。他人の意見を参考にすることはとても良いことですが、最終的な決断はあなたが下さなければいけません。

あなたの人生はあなたが主役です。あなた自身の人生において解決すべき問題、解決しなくても良い問題、逃げ出してもいい問題などを決めて、時間を有効活用しなければいけません。

あなたの年齢が何歳であったとしても、あなたに残された時間は決して多くはありません。「光陰矢の如し」という諺は真実です。人生は非常に限られた時間しか与えられていません。気がつけばあっという間に時間は失われます。

だからこそ、私たちはやるべきことをやり、やらないことをやらないようにして、1日1日を大切1日1日を積み上げていくことを決して忘れてはいけないのです。

今回は住宅ローンと家賃の単純な比較は危険という話です。

よく雑誌やテレビなど各種メディアで家賃と住宅ローンの違いというのが比較されます。ある時には賃貸の方が優れ、ある時には住宅ローンを組んで家を買うほうが優れていると様々な判断がされています。

この判断自体には大して意味はありません。このような番組を依頼している人が賃貸業を営んでいるなら賃貸が、住宅販売をしている人なら住宅ローンを組むことが有利と判断されるように結論を導くだけの話です。

それはさておき、今回は賃貸と住宅ローンを比較すること自体がそもそも間違ってるというお話をしたいと思います。


●家賃と住宅ローンの比較をするならば
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賃貸は家を借りている状態なのでそれを自分の資産と呼ぶことはできません。それに対して住宅ローンは家を購入して資産を所有している状態です。(この記事で言う資産とは、売れば金になるものを指しています。以下同様。)

資産と資産ではないものを比較しているのですから、そもそも比較できると考えるほうが間違えているのです。この点はきちんと押さえてほしいと思います。

そのうえで、単に住宅に数という観点で毎月の支出を比較することは、やや強引ながらできるでしょう。

そこでよく引き合いに出される口説き文句が「賃貸ならばどれだけ家賃を払ってもあなたの所有物にはなりませんが、住宅ローンを組んで支払いといずれその住宅はあなたの持ち物になる」という話です。

これ自体は間違いではありません。しかし、賃貸に住んでいて毎月払っているお金をそっくりそのまま住宅ローンの支払いに充てることは間違っています。

仮にAさんが賃貸物件を契約していて、毎月12万円を払っているとしましょう。このAさんが毎月12万円の支払いをする住宅ローンを組むと、多くの場合で経済的に苦しい状態になります。


●賃貸物件に含まれる管理費・共益費を見落とすな
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先ほど例を挙げた12万円の内訳は家賃、管理費・共益費となっています。管理費・共益費には明確な違はありませんが、これらは賃貸物件の共有部分を維持・管理する費用のことです。

管理費・共益費は共有部分(そのマンションの入り口から玄関までの通路やエントランス、階段・エレベータ、廊下、ごみ置き場など)を管理して居住者が快適に生活するために必要なお金となります。

物件によっては管理費・共益費が設定されていないこともありますが、その場合は特に管理されない(例えば共有部分は誰も掃除しない、など)から安くなっているのです。

さて、住宅ローンの支払いは、あくまで家を購入するときの費用にすぎません。管理費・共益費に相当する部分は別途自分で用意しなければならないのです。ここを見落としてしまうとあなたの家計が大きく狂ってしまうことになります。

これが良くわかるのがマンションを購入する時です。マンションを購入する場合、物件購入費(代替は住宅ローンで購入する)以外に、「管理費」と「修繕積立金」があり、その金額が明示されています。

マンションの「管理費」とは、管理会社への管理委託費、管理組合の運営費、共用部分の水道光熱費、火災保険や損害保険など各種保険、軽微な損傷の補修費などに充てられるお金です。

「修繕積立金」とは共用部分の修繕費用で、一定の年数毎に計画的に行う修繕、不測の事故や特別の事情により必要となる修繕、敷地や共用部分の変更、建物の建て替えや敷地の売却にあたって必要な調査などが該当します。

これらの費用はマンションによって異なりますが、平均すると管理費が月額15,000円、修繕積立金が月額6,500円程度となるため、大体22,000円ほど見積もっておく必要があります。

他にも専有面積に対する修繕費は各自が積み立てる必要があり、仮に月額5,000円積み立てるならば、住宅ローンの支払いとは別途、27,000円ほどを用意する必要があります。

先ほどの賃貸に毎月12万円出しているAさんが、マンションを購入しても住宅にかける費用を変えたくないならば、月額の住宅ローン支払い額は93,000円以下に抑える必要があるのです。

これは一戸建てを購入する場合でも同じです。しかし、マンションとは異なり管理費は必要ないでしょうが、修繕積立金はしっかり積み立てておく必要があります。これらは銀行や不動産業者が必ずしも教えてくれるわけではありません。

もしもこのことに気づかずに契約してしまうとどうなってしまうのでしょうか。


●些細な知識の差が致命的な違いとなる
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先ほどのAさんが、賃貸に払っているお金をそっくりそのまま住宅ローンに振り替えたとしましょう。最初の例は修繕積立金などを考慮した場合です。

返済額:毎月9.3万円
(修繕積立金など 2.7万円)
金利:年利1%
返済期間:35年
→借入額は約3,300万円となります。

続いて、修繕積立金などを考慮しないで考えた場合です。

返済額:毎月12万円
(修繕積立金など 0.0万円)
金利:年利1%
返済期間:35年
→借入額は約4,250万円となります。

上記条件の場合、毎月の返済額が9.3万円と12万円では、総返済額にして約1,000万円の違いが発生します。

修繕積立金を考慮しなければ借入額は多くなるので、よりグレードの高い一戸建てを購入することができます。しかし、修繕積立金などがなくなるわけではありません。その費用はどこから用意してくるのでしょうか。

このことに事前に気づいて必要な対策を取らないと、「なぜだか分からないけど家計が苦しい状態」が続くことになってしまいます。

この例では1千万円ほどの誤差となりましたが、このミスをしてしまうと安くても数百万円単位で、多ければ数千万円単位での違いを生んでしまいます。これは生活設計や人生設計を根本から見直さなければいけないほどの違いです。

この現実は正面からきちんと見ることが必要です。一生に一度の買い物だからといって大盤振る舞いをするのは格好いいかもしれませんが、その後は数十年間にかけて渡ってその時の判断ミスのつけを未来の自分が支払うことになります。

苦しむのは未来のあなたであり未来の家族なのです。それは他の誰も面倒を見てくれません。たった一度の選択ミスで大きな損失を出す、自分たちの家計が苦しくなることがないようにしましょう。

住宅を購入する場合、ほとんどの場合で住宅ローンを組むことになります。

一例をあげると「毎月10万円を35年間払い続ける」という契約となります。

 

このような契約を結んで大丈夫でしょうか?

 

結論から書くと、今のご時世で住宅ローンを契約することは非常に危険と言わざるを得ないでしょう。

 

住宅ローンは高度経済成長時代だからこそ有効に機能した、いわば昔のシステムに過ぎず、今は機能不全で危険なシステムと考えるほうがいいのです。

 

 

●35年ローンという長期の約束を果たせるのか?

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私たちの現在の経済環境はそんなに長期間の未来を予測できるものではありません。時代の移り変わりが非常に早く、例えば10年経つと世界をリードする企業が変わります。

 

私たちが現役で働ける期間を40年や50年と考えても、とんでもないほど早い変化のスピードであることがわかります。

 

日本の企業は比較的従業員にやさしいと言われていますが、それでも競争に勝つために最大の支出である人件費を削減するためにあらゆる手段を使っています。

 

日本においても、終身雇用制度の廃止、定年再雇用時の給与削減、非正規雇用を増加させることで必要な時に人数の調整弁としているのはどこの企業でも同じです。あるいは実力主義という名目で給与上昇を調整する制度も取り入れられています。

 

社会が変化する速度はどんどん早く、ついていけない人も出てくるほどの変化を遂げています。私たちが子供のころ、一人一台携帯電話を持ち、インターネットという文明が社会生活と切り離せなくなることを誰が想像したでしょうか。

 

このことを考えると、35年後にどのような社会になっているのかをある程度正しく想像することすら難しいのです。

 

それは、あなたの35年後もまた想像することもできない世界であることを意味します。あなたが今勤めている企業が、35年後も存続し、あなたがそこで働き続けていると自信を持って言える人ほとんどいないでしょう。

 

 

●あなたの未来はどうなるかわからない

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35年後の将来が想像できないのに、住宅ローンを組んで、それを払い終わるのが35年後と考えると、非常に危険な契約だと感じるのではないでしょうか

 

明日、一週間後のように近い未来ならば、今日の延長線上で続く未来とほとんど変わりません。来週の仕事の計画や週末の予定を立てるなどは、よほど大きな事態が起こらない限り変更する必要はありません。未来を想定して、その範囲内で進むことが非常に多いからです。

 

しかし1年後、10年後、30年後の未来は今日の延長線上で想定したり計算することができないほど大きな変化をします。それはよくある出来事です。

 

私たちは子供のころに考えていた未来と現在は似たようなものになっているでしょうか。多くの人にとって違うものとなっているはずです。

 

普通の人の想像を絶すると努力と幸運に恵まれた人は子供のころに想像した未来を実現します。イチロー選手はその典型でしょう。

 

しかし、それがあなたにも当てはまる保証はありません。あなたが求める、想像する、こうあってほしいと願う未来は、多くの場合で実際の現実とは異なります。

 

たゆまぬ努力することはできても、運までは操作することができない以上、私たちの未来は遠い未来になればなるほど、どうなるかわからないのです。

 

私たちが35年後に同じ仕事をしているとは限りません。あなたの勤め先が廃業しているかもしれません。

 

存続していたとして、もあなたがその会社で働き続けるという選択をするとは限りません。あなたは病気や怪我になるなどアクシデントで失業する、何かの事情により転職する、夢のために仕事を辞める、会社を首になるなど、様々なストーリーが想定されます。

 

仮に同じ会社で30年間勤めあげたとしても、給与体系は今と大きく変わっているでしょう。そして給与体系は従業員に不利になっている可能性が極めて高いのです。

 

 

●住宅ローンは危険な契約と認識すべきだ

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未来がわからないという事実は怖いだけではなく、楽しいとも解釈することができます。私も未来がどのようになっていくのを楽しみに今を生きています。

 

しかし、住宅ローンのような契約となれば話は別です。30年や35年の長期での返済契約を結んでしまうと、人生の融通が利かなくなる危険性が十分にあるのです。

 

今から35年経つと、その間には想像もできないような出来事が沢山起こります。それはあなたにとって幸運なことも不幸なことも含みます。

 

私たちは生きていく間に幸運な出来事も不幸な出来事も受け取らなければいけません。何かのきっかけで収入が途絶える、あるいは大きく少なくなった時、住宅ローンがあなたの人生のとって大きな足かせとなるかもしれません。場合によっては住宅ローン返済ができずに家を失い借金だけ残るということも特殊な話ではないのです。

 

高度経済成長期の日本では、住宅ローンを組むことは家を手にする手段として非常に有効でした。毎年給料が10%ずつ上昇するような時代ですから、お金に困ることも返済に困ることもほとんど考える必要がありませんでした。

 

2019年は高度経済成長期とは時代背景も実態も大きく異なります。昔の常識を使おうとしても、それが時代遅れになって使えない、使うことで危機を招くことは良くあります。

 

飲酒運転の罰則が「(人身事故の場合)7年以下の懲役または禁錮/100万円以下の罰金」(これとは別に、勤め先から解雇処分されるだろう)と厳しくなったのはごく最近の現実です。

 

住宅ローンも昔とは異なる解釈をするべきでしょう。安易な長期返済ローン契約は破産の危険性を高めます。

 

そして、住宅ローンを一度契約したならば、あなたが責任をもって計画して実行しなければいけません。契約が守れなかったら家は没収され、場合によっては借金が残ります。

 

銀行や不動産業者が協力的なのはあなたがお金を出すまで、すなわち契約が完了するまでです。契約が完了したら、後は何の面倒も見てくれません。彼らにはそんな義務も責任もありません。

 

「どうしても家が欲しい理由を説明できて、その返済計画は想定より相当悪化した場合でも返済できるよう十分な余裕を持たせる」ようにする必要があります。

 

「親や友達、同僚が家を買ったから」などという安易な理由で契約すること、取り返しのつかないことになりかねません。「契約」は重いのです。

プレジデントオンラインに興味深い話が掲載されていました。
非常に考えさせられる話だと感じたので紹介します。


●MBA留学で2000万を浪費した女性の後悔
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メガバンクに勤務していた35歳の女性は「もう35歳だからここで人生をリセットしたい」と宣言。退職して、MBA留学に旅立ちました。費用は約2000万円。1000万円は貯金ですが、残りは借金です。帰国後、思うような仕事には就けず、年収は700万円から500万円にダウン。いまや後悔の日々です。ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんは「彼女の行動を笑ってはいけない」と語ります――。

20代のときは貯金が1000万円あった
ブランドものに興味がなく、駅ナカのショップで事足りる庶民派――メガバンクに勤務していた田所桃子さん(仮名)はそんな女性で、貯金もしっかりしている堅実で真面目な方。しかし彼女は35歳という年齢をきっかけに突如会社を辞めたうえ、1000万円もの借金を背負い込むことになってしまいました。真面目で有能なキャリアウーマンがハマった細道ならぬ迷い道。その道行きをお伝えしたいと思います。

小学校から大学までエスカレーターで進学した田所さんは、お父さんも銀行員だったことから自然と行員になることを目指して就活。見事第一希望だったメガバンクに就職します。入行後は大手銀行ならではの手厚い支援制度をフル活用し、FP技能検定や日商簿記など、さまざまな資格を取得していきました。

学生時代から優秀だったようで、勉強することは苦でもなく、「止めるのももったいなくて」と英語の勉強を続けた結果、TOEICでほぼ満点をたたき出すほどの語学力も身につけていました。そして30歳の時には「もっとスキルを磨きたい」と、職場で話せる人が少なかったフランス語を猛勉強。晴れてパリ支店に1年間赴任する大役をこなしたそうです。

未来を見据えて着実にキャリアを構築していった田所さんは、金銭面でも抜群の安定感を持っていました。財形貯蓄を使ってコツコツ貯める一方、投資信託でお金を育てるという理想的な両輪体制により、20代のうちから1000万円の貯金に成功。お金の賢者といえる財テクができていたのです。

そんな公私にわたってまったく問題なさそうな彼女が、なぜ私のもとにやって来たのか。彼女の言葉を借りれば、「35歳になってしまったから」でした。

「もう35歳だからここで人生をリセットしたい」
オフィスにやって来た時の彼女は熱病にでもうなされたかのように、「アメリカに行ってMBAを取らなきゃいけないんです」と繰り返していました。さらなるキャリアアップにもなるし、会社の公募制度で留学できるといいねと返したところ、なぜか「会社は辞めます」の一点張り。希望して入った一流銀行で活躍をし、その時の年収は700万円。しかも社内に留学制度もあったので、今すぐ退職する理由がまったくないのに、です。

ではなにかMBA取得後にやりたいことがあるのかと聞けば、「一生独身かもしれないから、とにかく手に職をつけたい。もう35歳だからここで人生をリセットしたい」と、鬼気迫る表情で語るのです。

結局、田所さんは2000万円近い留学資金を捻出するため、貯金にプラスして親から1000万円の借金をし、銀行も辞めてカリフォルニアへと旅立ってしまいました。FPとしては、貯金のほぼ全額をつぎ込んだ挙げ句、巨額の借金を作ってライフプランもないまま退職した彼女の選択を到底、後押しはできませんでしたが……。

本当にしたいのは「結婚」だった
普段は冷静沈着な行員の田所さんを不安に駆り立てもの、それは「35歳」という年齢でした。結婚していく同僚や産休・育休を取る後輩を尻目に、「キャリアばかりを積み重ね、35歳になっても未婚の自分」は職場で一体どう見えるのか――。そう思いつめた結果、「人生リセット留学」という結論になったようでした。

さらに話を聞けば、田所さんは35年間、一度も男性とお付き合いしたことがないということでした。かわいらしいお嬢さんだったので意外でしたが、さらにびっくりしたのが、実はキャリアを積みたいわけではなく、本当に一番したいのは結婚だった、ということです。

驚いた反面、こういった華々しい経歴のキャリア女性が、「実は専業主婦になりたかった」ということは少なくありません。本当は結婚したいだけだったのに、ひとりで生きていくことも考慮して身を守るためにスキルを磨いた結果、おのずとキャリアウーマンになってしまったというわけです。多彩なスキルや華々しいキャリア、高収入という生きるための防衛策が、婚活においては男性をビビらせる足かせとなることも多く、悪循環に陥りがちということでした。

(以下略)

引用:MBA留学で2000万を浪費した女性の後悔
https://president.jp/articles/-/27291?display=b
https://president.jp/articles/-/27291?page=2


●自分の望みを後回しにすることは良い選択ではない
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この記事の著者はお金との付き合い方をレクチャーするために書いていますが、その本質はお金との付き合い方ではありません。

この話の本質は「自分の望み・価値観に素直に従わなかった人間」が歩んだ生き方の一例にあります。

彼女は周りから見れば非常に恵まれていました。一流企業に勤め、平均給与を遥かに上回る給料を受け取り、責任ある立場の仕事に携わり、貯金もあり、資産運用もしている。多くの人が順風満帆な人生を歩んでいるように見えるでしょう。

しかし、彼女が望んだ生き方は専業主婦だったのです。

専業主婦になることへの評価は個人の価値観になりますので、あなたの価値観に従って判断することになります。しかし、この女性がはっきり「悪い」と言えるのは、「専業主婦になるという望みを叶えるための行動を最優先しなかった」ことにあります。

財形貯蓄をしつつ投資信託も行い、TOEICでほぼ満点を叩き出し、30歳でフランス語を猛勉強して、パリ支店に1年間赴任することになったのです。彼女がとった行動から専業主婦に繋がる要素を見つけることは難しいでしょう。

資産運用、英語、仕事と多くのことに情熱と時間を注いだのに、本来の望み(この場合は専業主婦になるため)に時間と努力を惜しまなかったことが「悪い」のです。

自分の望みを手にすることは人生における醍醐味の一つでもあります。それを手にするために十分な努力を払わなかった彼女は笑い話になるかもしれませんが、実はあなたも同じ立場かも知れません。


●あなたは自分の人生と向き合っているか
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あなたは本当に自らが手にしたいものを手にするために行動していますか。

まだ若いから、仕事が忙しいから、家族や子供などを守るものがあるからと言って、自分自身の心を欺いていませんか。今見ているテレビが面白いから、動画が面白いからと時間を無駄にしていませんか。

本当に手にしたいものを手にするためには、相当の努力を要する場合が非常に多いのです。目先の物事だけを片付けて生きてしまっては、あなたの人生で手にしたい「何か」を手にすることは難しいでしょう。

一時的に嫌なもの、価値観と合わないこと、辛いことをしなければいけない場面が多いのです。あるいは時間や体力、精神面で相当に苦しい時期を過ごさなければいけないこともあります。

そんなとき、私たちは周りや自分に簡単な言い訳を積み重ねて時間を浪費し続け、あるいは周りの評価を気にして大してやりたくもないことに時間を捧げ続け、ついには自分が本当に手にしたいものを手にすることなく人生の終末を迎える可能性が高いのです。

人は言い訳の達人です。あなたが考える、あるいは発するささいな言い訳は、あなたの人生を満ち足りていないもの、不完全なものにしてしまう力があるのです。そして、先ほど紹介した女性は、言い訳を重ねた人の人生の一場面なのかもしれません。

全ての人間は、油断するとすぐに怠けます。
あなたが例外になる可能性は非常に低いでしょう。

だからこそ、あなたが望む人生はあなたが自らの努力で手にしなければいけません。
言い訳する自分をねじ伏せて、同でもいいことに情熱と時間を注がず、手にしたものを手にするために行動し続ける。その心構えは常に意識する必要があるのです。

今回はFXが資産運用には向いていない理由をお話ししたいと思います。FXの正式名称は外国為替証拠金取引といいますが、日本語では何のことかよくわかりませんね。まずはFXの仕組みをざっくりと説明したいと思います。

 

FXは疑似的に通貨の売買をすること利益を得ることが可能です。通貨の売買で利益を出すためには安く買って高く売る、あるいは高く売って安く買い戻すことが必要です。

 

単純化して説明します。あなたは最初に100円を持っていて、これを増やすためにはどうすればよいでしょうか。

 

FXでは、日本円を外国の通貨にして、それを再び日本円に戻すことで利益を出そうとします。

 

仮に日本円を米ドルに交換する時、1ドル=100円だったとしましょう。

この時、あなたの100円を1ドルと交換することができます。

 

この1ドルを円に戻すとき、為替レートが1ドル=101円になっていたら、あなたは通貨の売買を2回行うことにより、お金を1円増やすことができます。逆に1ドル=99円の時に交換したら、あなたは1円損することになります。

 

この例で出した1円の利益あるいは損失と聞くと大したことなさそうに感じますが、割合で考えると1%の利益あるいは損失であり、その影響はかなり大きなものです。取引額が1000万円と考えるならその大きさもわかるでしょう。

 

このように、通貨を交換するときの為替レートの違いを利用して利益を得ようとするのがFXの基本的な戦略です。単純がゆえに利益を上げることは簡単にできそうに思えますが、現実には相当難しいです。一般的な人がFXをやったとしても、非常に高い確率で損を出したまま退場することになると考えてよいです。

 

では、どうして利益を出すために売買をしなければいけないのでしょうか。

 

 

●通貨自体が価値を生まないという基本を押さえる

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ほとんどの人は意識していませんが、お金を持っていても、それ自体が利益を生むことはありません。あなたの財布に入っているお金が1年後に数パーセントでも増殖しているでしょうか。あるいはお金を持っていることに対して誰かがご褒美としてお金を与えてくれるでしょうか。

 

そんなことはありませんね。お金を持っていても、お金自身が価値を高めることはありません。

 

FXでも同じことが言えます。FXは価値を生む出すものを扱っているわけではないのです。持っていたとしてもそれ自体が価値を生むわけではないのなら、通貨の売買で利益を出すしかないのです。

 

 

●FXで利益を出すとは、より愚かな人間から金を奪い取ることと同じ

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FXで利益を出すためには安く買って高く売る、あるいは高く売って安く買い戻すことです。基本的にはこの方法しかありません。

 

これを実現するためには、あなたより馬鹿な人間に高く売りつけ、あなたより間抜けな人間から安く買うことを意味します。つまり、あなたの利益は誰かの損失となるのです。

 

このような構造上、FXに参加している人たちは通貨の売買を通して個人レベルでは利益あるいは損失を出していますが、全体で見るとお金の合計値は変わりません。

 

例えるなら、参加者100人でじゃんけんして勝者は敗者から1万円を受け取るゲームを延々と繰り返していることと同じです。お金は右へ左へと動き、個人レベルで見ると利益を上げた人、損失を抱えた人がいますが、参加者全員が持っているお金の総額は変わりません。

 

これはFXで取り扱っているモノが価値を生みだすことができないからです。持っていても価値を生まない以上、利益を出すには自分より馬鹿な人間との売買を通して売買差益を手にするしかありません。より愚かな人間からお金を奪い取るゲーム、それがFXの基本的な利益の出し方になるのです。

 

あなたはこの勝負に勝つことができるでしょうか。一度や二度勝つことはできるかもしれませんが、少し考えると総合で勝つことはかなり難しいことがわかるでしょう。

 

参加者の全てが自分にとって有利な取引をしたいと考えています。専業として、プロとして、機関投資家という仕事として参加している人たちも少なくありません。そのような場慣れした強敵を相手に、あなたは利益を手にすることができるでしょうか。

 

サラリーマンが夜の数時間に片手間でやる程度で、総合で利益を上げられる世界ではないことは簡単に想像できると思います。

 

 

●通貨の売買には手数料がかかる

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さらに、通貨の売買には手数料が必要です。参加者同士での金の奪い合い、つまり通貨の売買をするためには、FX業者に対して所定の手数料を払わなければいけません。

 

この手数料は決して高額ではありませんが、利益を出すためには売買をしなければいけない以上、少しずつ、しかし確実に、参加者全体のお金がFX業者に流れていきます。

 

通貨の売買を繰り返せば繰り返すほどFX業者は利益を増やし続けることができ、反対に参加者全体のお金は少しずつ減ってしまいます。

 

売買手数料がある以上、参加者全員が勝者あるいは損失なしに終わる事は不可能となります。売買が繰り広げられるほど、FX業者はより沢山の儲けを手にすることができます。

 

反対に、参加者全体のお金が少しずつ確実に減っていくので、参加者は利益を出すどころか、最初に投入した資金を守る事すら難しくなっていきます。

 

このようなFXという商品の特性上、最終的に利益を得ることができるのは参加者全体の1%程度に過ぎません。限られた少数の幸運な人間、あるいは天性の才能を兼ね備えた人間だけが莫大なお金を手にすることができ、大半の人間はお金を失う、最悪は借金を抱えてしまう状態になるのです。

 

 

●今回の勝者が次も勝者になれるとは限らない

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幸運にも勝者となり莫大なお金を手にした人は幸せになるかと言われれば、そんなことはありません。このような厳しい世界で勝者になった人はこう思うのです。「次も勝てる」と。

 

FXは未来の動きを予測します。

しかし、私たちは5分先の未来すら正確に予想することができません。

だからこそ、今回の勝者が次の勝者になれるとは限らないのです。

 

しかし、一度勝者の味を知ってしまった人間が、その欲望をコントロールすることは難しいのです。

 

100万円を1000万円にした人間は、次は1億円にしようとしてしまうのです。そして1000万円どころか100万円すら残らないということがごく当たり前のように起こります。

 

勝ったり負けたりを繰り返す中で、いつの間にか総合で負けてしまうのがFXなのです。

 

もちろん、中には勝ち続ける人もいます。彼らはFXでひと財産を築き上げることができた人間です。しかし、このような人が現れることもまた当たり前のことです。

 

コイントスをして、一番最初に20回続けて表を出し続けた人が勝者となり、他の参加者の参加費を全額受け取れるゲームがあるとします。非常に低い確率ですが、そのうち必ず、誰かは20回連続で表を出し続けることに成功します。

 

表を20回連続で出し続ける確率は100万分の1という非常に低い確率ですが、たくさんの人が数限りなく試行し続ければ、絶対に誰かは成功してしまうのです。

 

FXで大金を稼ぐことができた人の話はちらほら耳にすることがあると思いますが、FXでも先ほどのコイントスのような話があちこちで起こっているに過ぎません。確率的に考えれば、大儲けできる人出てくることは当たり前の話であり、当然の結果に過ぎません。

 

問題は、20回連続で表を出す幸運な人があなたなのか?という話です。

 

あなたは、ごく一部の大金を手にするグループになれるのか、それともお金を減らして対照するグループになるのか。それは試さなければわかりませんが、非常に高い確率でお金を減らすグループに所属することになるでしょう。

 

 

●FXに手を出すべきではない

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ということで、今回はFXが資産運用に向かないという話をしました。

 

よほどの幸運もしくは恵まれた才能を発揮しない限り、FXで利益を出して勝ち逃げすることができません。

 

莫大な利益、あるいは十分な利益を出すことができる人が、参加者全体の数パーセントしか生まれない手法は、資産運用と呼ぶに値しません。

 

資産運用とは一発逆転、勝つか負けるかの勝負をするものではありません。

資産とは持っているだけであなたに利益をもたらしてくれるものです。

 

FXにはそのような要素はありません。ただ参加者同士での血みどろのカネの奪い合いの世界が広がっているだけです。

 

スワップポイントがそれに該当するのでは?と考える人は、外貨預金について書いた記事をご一読ください。

 

どんな手法を取るにしても、FXで資産運用をすることはかなりの悪手であり、あなたの資産形成にはマイナスの影響を与える可能性が高いことはご記憶ください。

お金の問題は、私たちが生きていくうえで必ず直面する問題となります。だからこそ、きちんと正面から向き合って解決することが非常に重要な問題となります。

 

例えば、私はマラソンが趣味で、週末ランナーとして街中や公園などで10km、20 kmと走ります。

 

しかし、マラソンが好きでない人、やりたくない人もいます。そういう人はやらなければいいのです。走りたくない、汗をかきたくない、何の魅力も感じないなど、マラソンをやる理由がなければやらなくていいという選択肢があり、その選択をしても特段のデメリットはありません。

 

一方で、お金はあなたの好みや関心に関係なく付き合わなければいけません。お金に対する価値観は人それぞれであり、それは尊重されるべきものですが、各自の価値観とは無関係に「お金を使って生きていく」ことが求められるのが今の社会です。

 

どのみちお金とかかわらなければいけないのであれば、あなたから意識してお金の問題と正面から向き合って、少しずつ確実に問題を解決していく生き方を取るほうが、長い目で見た時に有利となります。

 

今回はお金の問題を解決する入り口として、3つの大きな項目にお金の問題を分解しました。整理して考えると比較的単純です。

 

 

●稼ぐ力

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最初は稼ぐ力です。働いてその対価としてお金を得ることです。

この方法には2つの方向性があります。

 

1つめは誰かに雇われて働いて給料を得る形、つまりサラリーマンです。

 

サラリーマンは時間を切り売りして収入を得ています。そのため時給=●●●●円という形で収入を得ることになります。これは毎月ある程度安定した収入を得られるとうプラス面と、1日に使える時間が最大24時間であるために収入にはおのずと上限が発生する面があります。

 

また、あなたが就いた職業によって時間単位での収入は大きく異なります。職業に貴賤があるのかどうかはわかりませんが、職業によって稼ぎに違いがあることは歴然とした事実です。あなたが稼ぐ力高めることを真剣に考えるのであれば、この点はぜひ注意して覚えていただきたいです。

 

もう一つが自分で仕事を作る形、いわゆる自営業や会社経営によって収入を得る方法です。サラリーマンと違って安定した収入を得ることはできず、失敗した場合でも(サラリーマンで言うところの失業保険など)特段の保証はありませんが、成功した場合には大きな収入を得ることができます。

 

サラリーマンより高い収入を得る可能性があるのは、他人を雇うことで他人の時間を使うことができるからです。稼ぐ力をできるだけ高めたいと考えるのならば、起業という選択肢を意識して損はないでしょう。

 

 

●貯める力

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貯める力とは、サラリーマンや自営業や会社経営などで働いて手にしたお金を、あなたの手元に残しておく力のことです。

 

仮に稼ぐ力がどれだけ高かったとしても、貯める力が全くなければここで大きな問題が起きてしまいます。

 

例えば毎月100万円稼げる人がいたとします。一般的に考えると稼ぐ力は相当高いと言えますが、毎月100万円使ってしまうと貯める力はゼロです。逆に、収入が月20万円だったとしても毎月2万円貯めることができれば、貯める力があると言えます。

 

もちろん、稼ぐ力が大きければ貯める力も大きくすることができるので、稼ぐ力を高めつつ、貯める力も高める必要があります。

 

さて、貯める力を高めるためには大きく分けて2つの方向性があります。

 

1つ目は固定費です。住宅ローンや家賃、公共料金、NHK、新聞代、インターネット利用料、携帯使用料などが当てはまります。

 

これらは一度契約すると基本的に金額が変わりません。金額を変えるには解約するか、契約内容を見直すことになります。その点では、一度設定してしまうと意識しない限りは変わることがない費用となります。

 

逆に言えば、意識して固定費のコストを下げてしまえば、その後長い間に渡って恩恵を受ける、つまり貯める力を高めることができます。

 

家賃が月8万円かかっていたものを7万円に減らすことができれば、差額の1万円は毎月自動で貯めることができます。1年間で12万円貯めることができれば、貯める力が大きく上昇したと言えるでしょう。

 

もう一つは変動費です。しかし、変動費はできるだけ触らない方が良いです。変動費を減らすことは、ストレスが多い割に見返りが少ないからです。

 

サラリーマンの方が昼食を食べるとしましょう。今までランチは600円以内までOKとしていたものを、500円以内に下げると毎月2千円と少しのお金を貯めることができるでしょう。

 

その代償として、昼食のたびに毎日毎日継続して我慢することを強いられます。好きなランチを食べることができないのは1日当たりのストレスでは些細なものですが、年間で200日以上、それが何年、何十年と続くことは耐え難いストレスと考えるべきです。

 

あるいは、より安いものを買うためにスーパー巡りをすることもお勧めしません。ランチと同様にストレスが大きく、さらに時間ロスがかなり大きくなるので、これを含めて考えると総合では大きく損をする可能性が高いからです。

 

基本的に、変動費は1年以上継続して節約するには向いていません。

 

どうしても変動費を節約する場合は、短期間にお金を貯めなければいけないという限定条件のみとするほうが賢明です。留学したいが半年以内にお金を貯めなければいけない時になどは、非常手段として変動費を節約する選択肢は有効となるでしょう。

 

 

●殖やす力

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最後に殖やす力です。平たく言うと資産運用となります。

稼ぐ力、貯める力の後に来る考え方ですが、これもまた重要です。

 

先ほどの貯める力を十分に発揮してお金を貯めたとしても、お金を貯めるだけでは大きな意味はありません。特に意識していない場合は貯めたお金は銀行に預けることが一般的ですが、銀行の利率は0.01%や0.001%と非常に低いので、銀行にお金を置いても安全なだけで、お金が増えることはほぼありません。

 

あなたは頑張って貯めたお金に働き口を見つけてあげて、お金にも働いてもらい、お金がお金を呼んでくる仕組みを作るか、誰かの仕組みに参加させる必要があります。これを一般的には資産運用と言います。

 

資産運用をする場合に挙げられる例として以下のものがあります。

 

株式投資

不動産経営

FX

商品先物取引

債券(国債・社債など)

仮想通貨

外貨預金

NISA・積立NISA

Ideco(イデコ)

ゴールド

 

上記に記載したもの以外にも、資産運用には様々な方法があります。そして、上記で挙げた例の中には非常に有効な方法もあれば、やればやるほどマイナスになる可能性が高い方法も含まれています。

 

今のあなたが資産運用の方法として有効なもの、あるいは危険なものを見分けられないのであれば、殖やす力を実践するには時期が早いと考えてよいです。まずは勉強して必要な知識をつけましょう。

 

 

●働くことが全ての始まりとなる

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このように、お金の問題とは単純に考えると比較的わかりやすいと思います。

 

そして、稼ぐ力、貯める力、殖やす力は独立していると同時に、互いに有機的につながっています。川で例えると上流、中流、下流とつながっているのと同じです。

 

したがって、上流部分にあたる「稼ぐ力」は最も大事です。「働いたら負け」ではなく「働くことがお金の問題を解決する、すなわち勝利への第一歩」なのです。

 

お金の問題で躓いてしまうと人生を楽しむことは難しくなってしまいます。逃げるのではなく立ち向かい、あなたが抱えるお金の問題を解決して、あなたの人生をもっと楽しく有意義なものにしていただけると幸いです。