「赤か、緑か・・・」
俺は買ってきた電池式のサイリウムをチカチカさせていた。先日の高松の2期イベ以来、めいめいのことが気になって仕方がない。めいめいの事を考えると胸が締め付けられる思いになる。十数年来そんな気持ちになったことはなかったが、所謂”恋をしている”感覚である。「まさか・・・な」相手は15歳のアイドルだぞ。何回りも年下だ。イベントで見た憂いを含む美しさに当てられて、一時的に高熱になっているだけだ。俺はタケちゃんが一番好きだ。ならば赤でいいじゃないか。今は熱が引くのを待とう。
かななんと握手した時、つい「武道館に行きます」と言ってしまった。何故だろう?その場の雰囲気がそう言わせたのか。平日だし、一泊しないと帰ってこれないのだから2日休みを取らなければならない。なかなか実現しそうにない。とはいえ言ってしまった手前、チケットだけは一応買っとくか、と予約を入れた。
別に買わなくても、かななんが自分のことを覚えているわけでもないし、いいじゃないかとも思ったが、行くと言った後の「ホンマですか!」という笑顔を思い出すと罪悪感を感じていたのだ。だがまあ、これでチャラだ。
ここんとこ財布の紐がゆるみっぱなしだ。明日ライブに着て行こうと注文したツアーTシャツがどうやら間に合いそうにない。もったいないが、まあいいかなどと考えている。行くかどうかわからないチケットを買い、着ないTシャツを注文する。何かがおかしい。冷静になればそう思えるのだが、そういう発想にならないのが現状だ。それよりも・・・
「赤か、緑か・・・」
決戦を明日に控え、まだ悩んでいる自分がいた。ふと、高松のイベント後の2期メンバーのブログを思い出す。他のメンバーが口々に「楽しかった」と書いている中、めいめいだけは「それなりに」と書いてあった。公式のブログである。イマイチでも「よかった」と4,5割盛って書くのが常であろう。その中で「それなり」というのは何を表しているのか。
「それなり・・・それなり・・・」
俺は呪文のように何度も繰り返した。痛むハートがより厳しさを増した。