危機管理は、ふつうに想定出来ない事を予測して、おこりうる災難に備えておくのが仕事だ、想定できる災難に備えるだけならただの管理だ、だからじじばば共和国の危機管理をする人はプライドを持ってるので絶対に「想定外」と言う言葉は使わない。なぜかと言うと「想定外」と言う言葉を知らないからだ。

危機管理を担当している空想じじいは特別室に住んでいる、とは言っても大して広くない、台所からリビングに行くのに信号は2つしかない、押入れは1個しかないのにいくら探しても夏の布団が見つからない、信じられない、でも「想定外」と言う言葉は使わない、そして毎日探し続けて、やっと夏の布団を見つけたら冬になっていた。
 
危機管理はあらゆる事を想定して対処する、たとえば突然隕石が落ちてきて人の頭にあたった時にはどうするか?。その時は、しょうがないと言う。突然ミサイルが飛んできて係長の頭に刺さったらどうするか?。その時も、しょうがないと言う。宇宙人が地球を征服しに来て戦いの踊りを踊り出したらどうするか?。やっぱり、しょうがないと言う。このようにじじばば共和国では災難に完璧に対処できるマニュアルが出来ている。

その時だった突然カメムシの香りが辺りに漂ったかと思ったら目まいがして風景が一変した、どうやらタイムスリップしたらしい、こんな事はとっくに想定してある、すると遠くからゴーと言う飛行機らしい音がしてB29が飛んできた、たぶん第二次大戦の末期だろう、想定内だ。

B29は低空で飛んできて大量の画びょうを撒き散らした、ここの入所者はほとんどがハゲ頭だ、もし頭に刺さったら大変な事になる、これも想定内だ、ただちに全員ヘルメットを被って難を逃れた。 
 
とっさに係長が倉庫から竹やりを持ってやってきた、さあ皆でB29を突き落とすんだ!!!。でも相手は空を飛んでる飛行機だよそんな短い竹じゃ届くはずがないだろう、危機管理のスペシャリストの係長ともあろう人がミスをしましたね。えっ!そうでやんすか?。当たり前だろ、もう30センチ程長い竹じゃないとB29まで届かないよ。

その時、次のB29が飛んできた、係長が竹やりをB29に投げつけた、ド~~~ンと言う音とともにB29は大破した、係長は大喜びをしたが、係長の投げた竹やりは5メートル前に落ちていた。B29は偶然にも隕石の直撃を受けたんだ、ただちに隕石回収専用車が出動した、高価な隕石だったら大儲けだからだ。

すぐに次のB29が飛んできた、今度はバナナの皮を撒き散らした、すべって転んで頭を打ったらあの世行きだ、非常に危険極まりない攻撃だ、すぐに全員スパイクを履いて難を逃れた。

しつこく次のB29が飛んできた、今度は袋を何個も投下してきた、地面に着くと破裂して大量の蚊が出てきた、袋にはそれぞれ、デング熱、マラリア、西ナイル熱、と書かれている。みんな蚊に刺されて体中を掻きむしった、ついにやられた、大変な事になってしまった、共和国内はパニックに陥った、危機管理は何をやってるんだ!!!。

チン~ド~ンジャ~ン共和国内放送だ。皆さん蚊に刺されて発病しても大丈夫です安心してください想定内です。危機管理省はすでに全員分の棺おけも用意してあります。