2002年10月13日、鈴鹿サーキットで行われたF1日本グランプリ、前座レースでの大クラッシュの時に頭を打ち、事故してすぐは脳内出血をおこしていました。


その影響なのか、事故当日、前日、事故後2週間の記憶がありません。
電話帳の名前も思い出せませんでした。
レース関係者の名前も思い出せない方がたくさん居ました。

過去を振り返ろうとすると、頭がグルグル回りました。

ひらがな、引き算、足し算、絵を組み合わせることなど、考えることが出来ませんでした。


幻覚もよく見ました。

精神科の先生には、「僕は前からバカだから、事故前から出来ない」と嘘を言っていましたが、本当は出来なくなってしまっていたのを分かっていました。


それ以降、自分なりに治したいと努力してきました。

本を読むこと、英語です。

英語も忘れた一つで、ゼロから勉強する気持ちで3年前、始めました。

「昔は出来ていたのに」と考えると落ち込むので、「これから覚えよう」と前向きに考えるようにしています。

回数を重ね、自分がどのような勉強法をすると、効率良く記憶しやすいのかに気付くようになりました。


今回の人間力大賞最終選考会プレゼン内容暗記も、最初は無理だと思いましたが、「日本語だから出来る」と思い込み、いつもの勉強法で暗記しました。


プレゼンでは暗記に頼るとミスしたときにペースを崩すのと、ボイトレで学んだ伝えかたが疎かになる可能性があったので、カンペを置き、要所要所で見て、心の余裕を作ることにしました。


頭が真っ白になり、危なく一文を飛ばしかけましたが、自然に言葉を発していました。

今回のプレゼンは、僕にとって大きな前進です。


事故して10年。10歳です。

多くの経験を積むことが出来ています。
これからも地道に成長していきたいと思っています。