2009年春、日本のモータースポーツで最大の知名度である鈴鹿サーキットが

1962年9月のオープン以来初めて改修され、

この改修を切掛けにバリアフリーの部分を取り入れて頂きたいと思い、

レースしていた頃からいつもお世話になっている鈴鹿サーキット様に

僕が感じるチェアウォーカーの目線から本当のバリアフリーを伝えさせて頂きました。



昨年5月、鈴鹿サーキットが改修するという記事を拝見させて頂いたとき、

設計段階で意見を伝えることで何か変われる切掛けになるかもと思い、

駄目もとで僕が存じ上げている鈴鹿サーキットの皆さんに僕の気持ちをメールでお伝えし、

お会いし現場で重要になるポイントを告げさせて頂きました。


まずは僕がチェアウォーカーの目線で感じる100%のことをお伝えし、

経費や配置で出来ること出来ないことは鈴鹿サーキット様にご判断して頂くというスタンスでした。


そしてついに2009年春に改修が完成し、

どこまで現実に形になっているか楽しみな部分と全て伝えきれたかと不安な部分がありました。


僕が国内の主要サーキット全てに行った経験から、

チェアウォーカーがサーキットで一番動きが困難になっているのは

観戦するグランドスタンドとマシンのメンテナンスをしているピットの行き来の方法

が車椅子だと出来ないことでした。



富士スピードウェイやツインリンクもてぎの場合、

健常者はエスカレーターを利用し、ホームストレートの下にある地下道で行き来出来ていましたが、


チェアウォーカーは送迎用の車椅子対応リスト付きの車が用意してあり、

利用すれば行き来は出来ますが、そのこと自体が苦に感じていました。



今回の鈴鹿サーキット改修でこの部分は絶対に改善させたい思いがありました。



改善することでチェアウォーカーだけでなく、

ベビーカーを使用されている方や、高齢者など多くの方にとって便利になる確信がありました。


単純にエレベーターをつけるといえば終わりですが、

その為にはエレベーターの位置、穴をほれるか、経費など様々な問題があり、

その部分を僕が突き通すことで


鈴鹿サーキット様の負担にならなければ・・・


ということもありましたが伝えることが必要だと思っていました。


何よりも気付いて頂きたかったからです!


気付いて頂き工事をすすめることと、

そうではなく、分からないまま形にすることでは

本当に些細な部分で実際にユーザーが使いにくい使えないバリアフリーになってしまうと感じたからです。



その他、障害者トイレや車椅子観戦席のことも伝えさせて頂きました。


車椅子観戦席は観戦して車椅子の目線で見やすい場所は当然ですが、

僕の中では一緒に行った健常者とレースを楽しんで頂きたいということを重視しました。


今までの車椅子席と言うと広い場所に健常者はパイプ椅子・・・

このことは違うと思うのです。普通の席に健常者が座り、その横にチェアウォーカーが居る。


同じ目線、同じレースを一緒に楽しみ、応援している観戦者全員が一体となることを望んでいました。

このこと以外にも様々なことを図面を見ながらお伝えし、

それまでの鈴鹿サーキットと見比べ意見を伝え、首を長くして完成を待ちました。





そして2009年春、新生鈴鹿サーキットがリニューアルオープンし、5月17日お伺いして来ました!

まず、ピットや歩道にある雨水の用水路は車椅子のフロントタイヤがはまらない太さになり、

路面もタイヤの摩擦抵抗の少ない路面となりこぎ味が軽くなっています。


段差もなく、快適に動き回れるようになりました。

長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

ピットの並びと食堂の脇にピット上と地下通路へつながるエレベーターがあり、

観戦の為に楽な通路が確保されていました!


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

2箇所にエレベーターがあることで使い分けることが出来ます。

長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

東京タワーの高さ333メートルを横に倒した長さのピットエリアの上の2階にはVIPルーム、

3階には観戦エリアがあります。


鈴鹿サーキットのストレートはゆるい下り坂の為、どうしても傾斜がついてしまいます。

改修前は石畳形式で、平ら部分と急な坂の組み合わせでしたが、

坂の部分が急の為、1コーナー寄りのピットから最終コーナーへ上ることは困難でしたが、

平らな部分を無くし、上り坂をゆるくしたおかげで困難なく、上ることを実現させました。


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

VIPルームへの入り口も段差ゼロになっています。

VIPルームからストレート側に出た場所にも車椅子スペースを設けて頂きました。


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

この席は付き添いの健常者とチェアウォーカーが横並びで観戦出来るようになっており、

僕の望みを解決出来ていて本当に嬉しかったです。


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

コントロールタワー、メディカルセンター全てがエレベーターの設備、段差もなく、

車椅子でも行けるようになっています!


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

そして今回の新生鈴鹿サーキットで一番の注目点は


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

やはりグランドスタンドからピットエリアまで地下道を通じて移動可能になったことですね!


日本初です!


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

グランドスタンド裏からはエレベーター2回乗り継いで地下道へ出て移動し、

ピットエリア、もしくは食堂横のエレベーターで地上に上がれるようになりました。


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

当然段差ゼロです!


正直、自分が望んでいた以上の完成に僕が驚いているくらいです!


凄い。凄すぎて感動です!

こんなに素晴しくなるなんて、本当に夢に描いていたことです。

願い続け、改修というベストタイミングでお話が出来たことがこの素晴しい

新生鈴鹿サーキットになれたのだと思います!


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

そして鈴鹿サーキットのチェアウォーカーが一番見やすい観戦ポイントである

グランドスタンド3階最上階最終コーナー側に設けて頂いた車椅子スペース。


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

席から後ろの通路までを広くとられているスペースに数十台の車椅子スペースが設けられています。


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

僕の希望としてはこの場所も付き添い者とチェアウォーカーが横並びで観戦出来るようにしたいということを

鈴鹿サーキット様に伝えさせて頂きました。


良し悪しではありますが、レースを一緒に楽しんで頂きたいので、僕は横並びを希望します。



長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

障害者トイレはただあれば良いのではなく、

実際にチェアウォーカーが使いやすい場所、手に届く場所などを追求しました。


障害者トイレには標準タイプがありますが、入り口の場所や広さの違いが当然あり、

100%同じにすることは凄く難しく、位置の変更が必要になります。


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ


何故ここにこのボタンがあり、チェアウォーカーが使用しやすいのかという意味を伝えさせて頂き、

実際、障害者トイレでもボタンが届かなかったり、

ゴミ箱が開けられなかったりすることは良くあることなので、


何故ここにあるか?


ということを理解して頂く事が良い障害者トイレになる秘訣だと感じていたのでお伝えさせて頂きました。





僕の中では第一印象大満足です!


素晴しい!


の一言でした。


拝見させて頂き、こうであれば更に喜んで頂ける方が増えるポイントが何箇所かあり、

今後どのようになっていくかが凄く楽しみです。




今年10月4日日曜日には鈴鹿サーキットでF1日本グランプリが開催されます。


この日には多くのチェアウォーカーが観戦に訪れます。


その時に喜んで頂けるかの答えが出ると思います。

僕は皆さんが喜んで頂けることが何よりも望んでいることで、

その日のためにも今後も頑張っていきます。


長屋宏和 オフィシャルブログ 『それでも僕はあきらめない』 Powered by アメブロ

鈴鹿サーキット土屋様ありがとうございました。

新生鈴鹿サーキットを宜しくお願い致します。