朝起きると、
福井の街並みから山を臨めた。
山の麓らへんは雲で霞んでいて、
秋の気配を感じた。
朝食付のビジネスホテルではなかったので、
福井市街を散歩しがてらコンビニに向かうことにした。
ホテル前には中央公園があり散歩にはもってこいだった。
通学途中の学生服を着た恋人同士が、
寒いにもかかわらず自転車を止めて立ち話をしている姿が初々しかった。
高校は電車通学だった僕には経験のないこと。
もっとも高校生のころに患った僕にとってみれば、
満員電車に乗って都心に向かうのは地獄のようなもので、
学校に通うことがままらず一人公園で身を震わせていたっけな。
公園の一画に岡倉天心の像があった。
今年の初春に茨城に行った際に寄った五浦六角堂 。
その設計者。
福井県の出身ということだ。
また、
坂本竜馬と縁のあった由利公正の像もある。
明治政府の基本方針であった五箇条の御誓文の起草に携わっている。
中央公園の横には福井神社があり、
そこには松平春嶽の像がある。
松平春嶽は上記の由利公正に補佐され、
福井藩主として藩政改革を行った。
時間が経つにつれ、
学生たちが徐々に減っていった。
あの頃の僕ももう居ない。
病気だけが残った。





