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「前編・事件」編

もう、20年以上も経つ1990年12月25日のクリスマスの朝。

雪に覆われたとある中学校の校庭で柏木卓也という14歳の生徒が転落死していたのが発見される。

警察は自殺と断定するが、転落死の現場を目にしたという生徒から、いじめによる殺人だとの告発状がマスコミに届く・・・

これにより各マスコミの報道もヒートアップし、さらには第二の犠牲者が出てしまう。。。

事件を食い止めることもできず、生徒たちを守ろうともしない教師たち。。。

そんな状況に耐えられず、ついに一人の女子生徒が立ち上がる。

彼女は遺体の第一発見者であり、同じクラスのクラス委員長を務めていた女子生徒、藤野涼子だった。

警察もマスコミも真実を追求できないなら、彼女は自分たちで「学校内裁判」を開廷し、真実を暴き出そうと思い。

さまざまな疑惑や推測が飛び交う中、やがてある不良生徒が犯人だと名指しする告発状が届き、事態は混沌としていく。

涼子は、卓也の小学校時代の友人という他校生・神原和彦らの協力を得て、ついに自分たちの手で学校内裁判を開廷をさせる。。。


「後篇・裁判」編

こうして、前代未聞となる生徒による生徒だけの「学校内裁判」が行われることになった。

告発状によって卓也殺害の嫌疑をかけられた問題児の大出俊次を被告に、校内裁判の提案者である涼子は、検事として大出の有罪を立証しようとする。

対して、他校生でありながら、亡くなった卓也の裁判に参加する和彦は大出の弁護人となり、涼子と対峙する。

さまざまな思惑が絡まり合う中、涼子らは必死で真相を究明しようとするが・・・

真実は意外な方向に向かってしまう・・・

果たして、涼子たちは真実にたどり着けるのか・・・



原作は、直木賞ほか多数の文学賞を受賞するベストセラー作家の宮部みゆきさん。

その彼女が、なんと9年間にわたって連載した、ミステリー小説の巨編であり、映画化されても、前後編に分かれた大作となりました。

こういった「裁判モノ」は多くの映画の題材として取り扱いされてますよね。

特にアメリカなんかは、陪審制があり、訴訟大国なんて言われてますから、多くの「裁判モノ」の作品があります。


この作品も、最初は単なる「犯人探し」から始まりますが・・・、誰が嘘をついて、誰が真実を語っているのか・・・

何が正しく、何が間違っているのか・・・非常に怪しくなってきます。


タイトルの「ソロモン」は、神から唯一、人を裁くことを許された者だったとのこと。

そんな「ソロモン」でさえも、時には「偽証」する=「嘘をつく」といった意味合いがあるようですね。

正しいことをしようとしている者が、嘘をついていることもある、なんとも皮肉な結果ですね。。。


それにしてもこの作品は、大部分がまだ無名の中学生くらいの子が出演しています。

彼らの自然で、初々しい演技も見ものです。 ★★★