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大学1年生のワタナベ(松山ケンイチ)。
 
彼は唯一の親友であるキズキ(高良健吾)を自殺で失い、知り合いの誰もいない東京で大学生活を始めていた。
 
そんなある日、キズキの恋人直子(菊地凛子)と偶然にも再会。
 
かつて高校生の頃は、キズキと直子と3人で仲良く過ごしていたのだった。
 
しかし、キズキの自殺が原因で精神不安定になっていた直子。。。
 
その後、頻繁に会うようになった2人は直子を癒すようにか、あちこちを只々一日歩き回るという日々を過ごした。
 
 
そんな2人の関係に、ある日大きな変化が起こる。
 
直子の20歳の誕生日、初めてワタナベと直子が結ばれた翌日、直子はワタナベに何も告げずアパートを引き払ってしまった。。。
 
大学も休学し実家に帰っていた直子は、その後京都にある精神疾患者が集まる、ある施設にいたのだった。
 
 
一方、ワタナベは大学で同じクラスの緑という変わった女子学生や、外務官僚志望のエリート学生永沢、その恋人のハツミたちと出会う。。。
 
そして、直子の居場所が分かったワタナベは、直子に会うべく京都へ向かうが。。。
 
 
果たして、直子とワタナベに待ち受ける運命は・・・
 
そして、ワタナベが選んだ道は・・・
 
 
 
原作はいわずと知れた、あの村上春樹さんの大ベストセラー。
 
1987年に刊行されたというから、時代はバブルの頂点へ向かってる頃ですよね。
 
恥ずかしながら、この原作は去年になって初めて読みました。
 
 
あの上下巻の原作を2時間ちょいでまとめ、原作の世界観はほぼ描いてたかと思います。
 
監督はあの「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」のトラン・アン・ユンだというので、またあの難解でもったいぶったような作品かなと思いましたが。
 
今回はシンプルで分かりやすい作品になったと思います。
 
 
出演者については、まぁヒロイン役の直子には「大物」の菊地凛子さんを持って来たかったんでしょうが。
 
ちょっと年齢的に合わなかったかな。
 
私の中では直子はもっと脆く、ガラスのように透明な少女~女性だったんですよね。
 
 
また、この作品も原作同様、「究極の愛」と「大切なモノを失った喪失感」をテーマに描いています。
 
愛する直子への思い、そして愛する人をなくした深い喪失感。
 
直子にとってのキズキ、ワタナベにとっての直子・・・
 
しかし、それでもこの作品が重く、哀しいものだけと感じなかったのは、ワタナベの新たな希望でもある、緑の存在によるものなんでしょうね。 ★★★