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莫大な遺産を相続し、その上、美貌と聡明さを兼ねそなえた若きアメリカ人女性リネット(ロイス・チャイルズ)。

彼女は親友のジャクリーン(ミア・ファロー)から失業中の婚約者サイモン(サイモン・マッコーキンデール)の職のあっせんの相談を受け、自分の屋敷で雇うこととなった。

しかし、リネットはいつのまにかサイモンと付き合い始め、あろうことか突然彼と婚約を決めてしまった。。。

人目を避けて豪華客船カルナーク号でエジプトヘハネムーンに旅立った二人。

しかし、密かにリネットに婚約者のサイモンを取られたジャクリーンも乗っていたのだった。

ジャクリーンは、二人のハネムーン先のエジプトに現われて執拗に嫌がらせをする。。。

また、偶然か、この船の中には彼女に何らかの利害関係や遺恨・敵意を抱いている者たちが勢揃いしていた。。。

彼女の叔父で財産管理を委ねていた男。

彼女を自作の小説のモデルにして名誉棄損で訴えられそうな女流作家と、その娘でリネットに劣等感をもつ女。

また彼女の真珠のネックレスに目をつけている中年女性、彼女にやぶ医者呼ばわりされた医師。

その他、リネットに結婚を破談されたと思い込んでいるメイド、父親がリネットの祖父に破産させられた過去を持つ看護婦、裕福な資産家たちを軽蔑している学生等々、それぞれの思惑を秘めて乗っていた。

そして偶然、この船に乗り合わせていた私立探偵ポワロ(ピーター・ユスチノフ)。

しかし、旅中のある朝、リネットが死体となって発見された。。。



「オリエント急行殺人事件」に続くアガサ・クリスティ原作のオールスターキャストによる映画化作品。

エジプトを舞台に、古代遺跡に見守られたナイル河を下る豪華客船の中で次々と起こる連続殺人事件。

その謎解きに乗り出すのが、偶然この船に乗り合わせた名探偵ポワロ。


前半はピラミッドを始めとするエジプトの古代遺跡の名所や雄大なナイル川を巡る観光映画のよう。

出演者たちが、貴重な世界遺産であるピラミッドに登ったり、有名な神殿の上に登ったりと、この作品の撮影当時はなんでもアリだったのかな(笑)と思いました。

しかし後半は、次々と起こる連続殺人事件と、それを解決するポワロの推理が見ものです。 ★★★


「オリエント殺人」に続く、もはや「ミステリーの古典」とも言われる作品。

重厚感がありました。