2004年、イラクのバグダッド郊外。
アメリカ軍のブラボー中隊、爆発物処理班は、仕掛けられた爆弾の処理をする専門集団。
いつものように爆弾の処理・爆破の作業を進めていた。。。
しかし、準備が完了し全員が退避しようとしたそのとき、突如爆弾が爆発。
罠だったのか、班長のトンプソン軍曹が爆死してしまう。。。
トンプソンに代わって新たに派遣されてきたのがウィリアム・ジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)
彼はこれまでに873個もの爆弾を処理してきたエキスパートだったが、その自信ゆえか型破りで無謀な行動が多かった。。。
あと39日で任務から外れることができる部下のサンボーン軍曹(アンソニー・マッキー)とエルドリッジ技術兵(ブライアン・ジェラティ)は、彼に対して不安感を抱き、また反発するようになっていく・・・
そんなある日、爆弾を積んだクルマが発見される・・・
「hurt locker」はアメリカ軍の隠語で「棺桶」を意味するらしい。
イラクのバクダッドを舞台としたアメリカ軍爆弾処理班を描いた戦争映画であり、社会派ドラマ。
作中に何度もジェームズが爆弾を処理するシーンが出てきますが、いずれもその緊張感・緊迫感は凄まじいものがありました。
不安定に動き回る手持ちカメラの映像が、バグダッドの夏の暑さと相まってリアル感を引き立たせています。
冒頭、「戦争は強力で致命的な中毒だ。なぜなら麻薬だからだ」とのテロップ。
ラスト、任務を終えたジェームズはアメリカの我が家に帰ります。
そこでは、なんの気無しにスーパーで買い物し、幼い我が子を可愛がる姿が。
戦場に赴いた隊員は、トラウマでその後戦争後遺症になったりし、それが映画やドラマ・本にもテーマとして取扱われますが。
ジェームズは一見、静かに・穏やかに過ごしていますが、それがかえって不気味であり、内に秘めた闇の部分を想像させます。
戦場=日常
本来なら相反する二つの世界が、彼にとっては陸続きになってるかのように思えます。
ジェームズは「戦争中毒者」になってしまったのか・・・ 再び戦場へ赴くジェームズ。
戦争の悲劇を、また新しい側面から切り口とした作品でした。★★★★
この作品、元夫の「アバター」との賞レース争いは話題になりましたよね。
結局、アカデミーは本作のキャスリン・ビグロー、逆にゴールデン・グローブは「アバター」だったんですよね。
この作品の持つ緊張感はさすがでした。
しかし、アカデミーらしさというなら「アバター」の方だったように思いますが。