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妻に先立たれ、息子たちとも疎遠な元軍人のウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド)。

彼はフォードの自動車工を50年間勤め上げ、今は年金を頼りに単調な生活を送っていた。

頑固ゆえに息子たちにも嫌われ、亡妻が頼った神父さえも「余計なお世話」だと近づけようとしない。。。

コワルスキーを意固地にしたのは、朝鮮戦争での戦争行為による罪の意識からだった。。。

そんな彼は、愛車「グラン・トリノ」を磨き上げ、ビール片手にそのボディを眺めるというのがささやかな楽しみだった。

そんなある日、愛車のグラン・トリノが盗まれそうになる。

犯人はギャングにそそのかされた隣家のアジア系移民のモン族の少年タオ(ビー・ヴァン)だった。

しかしそれをきっかけに、少年タオと知り合い、やがて二人の間に小さな友情が芽生えていく。。。

だが、それを面白く思わなかったモン族のギャングたちは、タオに嫌がらせをエスカレートするだけでなく、なんと姉のスーを強姦してしまう。。。

怒りの思いで復讐に走ろうとするタオ、それに対して諌めるコワルスキー。。。


果たして、コワルスキーの取った行動は・・・

そして、物語の結末は・・・



頑固じいさんのお話で、C・イーストウッドらしい作品です。

しかし、観終わったあと、なにか「違和感」みたいなものが残りました。


できれば、「悪い奴らを叩き潰し、正義は勝つ」でいて欲しかった。

演じてるのはC・イーストウッド、やはり強いヒーローでいて欲しかった。。。


タオを守るべく、また復讐の連鎖に終止符を打つべく、コワルスキーは一人死ぬ。

銃ではなく取り出そうとしていたのはライターだった。

観終わったあとは「違和感」を感じたのですが、朝鮮戦争でのつらい体験を胸に抱き続けてきた彼にとっては、あれが最良の行動だったのでしょうか。

しかし、タオにプレゼントを残して死んだ彼の姿に、やはり寂しさ、やり切れなさは残りました。★★★


「許されざる者」から「ミスティック・リバー」そして、「ミリオンダラー・ベイビー」と素晴らしい作品を提供し続けているイーストウッド。

そんな彼だが、この作品を最後に「もう積極的に役は探さない。今後は監督業に専念する」と俳優を引退する発言を行ったらしい。。

演技ももちろん、監督としても素晴らしい彼。

もう少し続けて欲しいと思うのは、私だけではないでしょうね。