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2002年、パキスタンのカラチ。

その日、ウォールストリート・ジャーナル紙の記者ダニエル(ダン・ファターマン)は、妻マリアンヌ(アンジェリーナ・ジョリー)とディナーの約束をしていた。

マリアンヌはフランスのラジオ局の記者を務め、夫婦としても、ジャーナリストとしても深い絆で結ばれていた二人。

あの「9.11」の事件後、二人はアジアの各地をまわり、パキスタンのカラチにたどりつく。

そして、マリアンヌは妊娠5カ月でお腹に子供を身ごもっていた。

ダニエルはそんな妻とディナーの約束をした後、ある男に会いに出かけた。
それは帰国前の最後の取材。

そして、その夜は友人たちも集まり、楽しいディナーになるはずだったが・・・。

ディナーの前に、ある取材に出かけることになったことを伝えるダニエル。

しかし、それを最後に彼との連絡は途絶えてしまう・・・。

約束の時間をすぎても戻ってこないダニエル。
動揺するマリアンヌを見て、同じ女性記者のアスラ(アーチー・パンジャビ)が励ます。

嫌な予感がしたのか、異変を感じたマリアンヌは、ダニエルのパソコンを調べ始める。

彼はジラニ師という男に会うため、レストランに出かけたことを知る。
ダニエルは師を通じて、アルカイダと関わりある「靴爆弾男」リチャード・リードのことを調査していたのだった。

行方不明となったダニエルの行方を探るため、マリアンヌのもとに次々に捜査関係者がやってくる。

アメリカ領事館の外交保安問題を担当するランダル(ウィル・パットン)。
キャプテンと呼ばれるパキスタンのCID(テロ対策組織)のリーダー、ハビブ(イルファン・カーン)。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙のスティーヴ(ゲイリー・ウィルメス)とジョン・バッシー(デニス・オハラ)。

さらにFBIの捜査員もその調査の輪に加わり、二人の自宅が捜査本部となる。
妊娠中のマリアンヌと友人たち、地元警察などによる懸命の捜索が開始されるが・・・。


果たして、ダニエルの行方は・・・

そして彼は無事に戻ってこられるのか・・・



2002年にパキスタンで取材中にテロリストに誘拐、殺害された実在のジャーナリスト、ダニエル・パール氏の妻が著した手記を映画化。

事件の真相と夫への愛をつづった原作に感銘を受けたブラッド・ピットが製作を務め、妊娠しながらも懸命に夫の身を案じる妻をアンジェリーナ・ジョリーが演じてます。

今も、世界各地では誘拐・テロが毎日のように起こっています。

ダニエルも何者かに誘拐されたのでした。

やがて、マリアンヌたちのもとにダニエルの写真がメールで送られてくる。

犯人側はダニエルのことを「記者を装うCIAのスパイ」と呼び、その身柄の引き渡しと交換にジェット機を要求。

こういう世相を反映して、テロによる誘拐事件を扱った作品もありますね。

ラッセル・クロウとメグ・ライアンが共演した「プルーフ・オブ・ライフ」を思い出しましたが、この作品の結末はまったく逆でした。

製作がB・ピット、主演はA・ジョリーとなると、派手な作品を想像しましたが。


映し出されるパキスタンのカラチの街並み。

延々続く渋滞、そこを無理に横断する人々。

汚れた建物、街に溢れかえる人々。


非常にリアルな、ドキュメンタリーを観てるようでした。

そして、結末は、突然やってきます。

現実の前には、奇跡もサプライズも起こりませんでした。

ハッピーエンドではなく哀しい結末。


そして、今も世界各地で続く、紛争・テロ・誘拐・事件・・・何もない普通の暮らしこそが何よりの幸せということを考えさせられた作品でした。★★★


余談ですが、マリアンヌの友人を演じた女性記者アスラを演じた、アーチー・パンジャビ。
エキゾチックな顔立ちでキレイでしたね。。。