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ソフィア・コッポラ監督が、キルスティン・ダンストを主人公マリー・アントワネットに、一人の少女~女性として描いた、異色の作品。

1769年オーストリアの皇女アントワーヌ(K・ダンスト)は、オーストリアとフランスの同盟関係強化の一策として、母マリア・テレジアの命によってフランス王室に嫁ぐこととなった。

フランス領土に入り、フランスの服に着替え、言葉・習わしもフランス風に合わせる彼女は、翌年、ルイ16世と挙式を挙げる。

しかし、当初の数年間は性的交渉能力に不全のあった夫との夫婦生活はなかった。

それも手伝い、彼女は「オーストリア女」と余所者扱いされ、挙句の果てには、「不妊症」やら「不感症」だと陰口を叩かれる。

結婚生活にストレスを抱えた彼女は次第にベルサイユ宮殿内でのパーティーやギャンブル、ドレスや靴・宝飾品などの浪費に楽しみを見出し、それにのめり込んでいくのだった。

しかし、治療の甲斐あってか、夫ルイとの間に第一子の娘をもうけることができた。

可愛い長女を得た彼女は、宮殿内の敷地に家屋や庭を作り、娘や親しい友人たちとガーデニングを楽しみ、精神的にも落ち着きを取り戻すのだった。

そんな時、フランスではイギリスに対抗するため、アメリカ独立戦争への資金援助を増やしていく。
これをきっかけに国の財政は窮乏し始める。

国民の不満の矛先は、そんな政治事情ではなく、豪奢な生活を送ってると思われたマリー・アントワネットに向けられる。

そして飢餓に苦しむ民衆はフランス革命を起こすべく蜂起する。
ベルサイユ宮殿を取り囲むように集まった民衆。

側近たちは、夫である国王ルイ16世とマリーに逃亡することを進言する。

しかしルイは「私はここに残る」と毅然と言い、王妃マリーも「私の居場所は王の側です」ときっぱりと告げる。

その後、ベルサイユ宮殿は襲撃され、王と王妃は革命軍によって監禁される・・・



ご存知、故郷オーストリアからルイ16世との政略結婚によりフランスに移り、その後のフランス革命で、ギロチンによる斬首刑に処せられた悲劇の王妃の物語。

しかし、この作品では、とかく浪費家で悪者のイメージのあった彼女を、一人の若い女性として描いており、新鮮でしたね。


豪華絢爛で綺麗なドレスや靴。
色とりどりのケーキやデザート。

一緒に観ていたうちの彼女は

「キレイ~!」 だの、

「カワイイ~!」 だの、

連発してましたね(笑)


綺麗なドレスや靴、美味しそうなケーキやデザート。

そして、可愛い長女との暖かい陽射しの下での自然の中でのふれあい。

私もそうですが、悪いイメージのあったマリー・アントワネットを、一人の女性として瑞々しく描いてました。

撮影当時はまだ34・5歳という若さだった監督のソフィア・コッポラ。
彼女の新鮮な感性による、女性による、女性目線の「マリー・アントワネット」やったと思います。

「ロスト・イン・トランスレーション」は途中、眠くてなり寝てしまいましたが・・・


この作品は、マリーの別の一面を観せてくれました。

祖国と家族を守るために、14歳の若さで異国へ嫁ぐこととなった彼女。

異国での辛い時期と、それを発散させるため朝まで遊んだ青春時代。

長女が生まれてから、初めて味わう幸福な時間。

そして、夫ともに過ごした最後の時間。。。

面白い作品やったと思います。★★★★