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1991年から2000年、アフリカのシエラレオネ共和国では内戦が続く。
反政府勢力のRUF(革命統一戦線)と名乗る武装集団は各地の村を襲い略奪・殺人・拉致を繰り返していた。
襲われた漁師のソロモン・バンディー(ジャイモン・フンスー)は、必死の思いで家族を逃がすことができたものの、自身はRUFに捕まってしまう。
そして息子のディアは少年兵にすべく連れ去られてしまった。

家族と離れ離れとなり、RUFの武器調達の資金源となるダイヤモンド採掘場で強制労働を強いられるソロモン。
そんなある日、彼は大粒のピンクダイヤモンドを発見。
用を足しに行く振りをして森の中に隠そうとするが、RUFのポイゾン大尉(デヴィッド・ヘアウッド)に見つかってしまう。
ちょうどその時、政府軍による攻撃が始まり、負傷したポイゾン大尉とともにソロモンは留置所へと連行される。

一方、ローデシア(ジンバブエ)出身の元傭兵でダイヤ密売人ダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)はRUFに武器を調達し、代わりに受け取ったダイヤモンドを隣国リベリアへ横流ししていたことで逮捕される。
留置所でソロモンとポイゾン大尉の巨大なピンクダイヤのやり取りを偶然耳にした彼は、そのダイヤの在り処を聞き出すために、同じ留置所に収監されていたソロモンと脱出。

そして女性ジャーナリストのマディー・ボウエン(ジェニファー・コネリ)は、RUFの資金源となっている「ブラッド・ダイヤモンド」の真相を追っていた途中、アーチャーとソロモンと出会う。

最愛の家族との再会を果たすために、危険を冒してダイヤを隠したソロモン。
紛争の絶えないアフリカから、また今の生活から抜け出すためにダイヤを求めるアーチャー。
紛争ダイヤの密輸の実態を追うジャーナリストのボウエン。

RUFによる首都制圧でソロモンやアーチャーと同じく、自由の身となったポイゾン大尉。
彼はソロモンの息子を少年兵とするべく麻薬漬けにし、ソロモンからダイヤの在り処を聞き出そうとする。

またアーチャーの上官であった軍大佐も、彼からダイヤの話を聞いた途端、横取りしようと画策を始める・・・

ダイヤで結びついた3人、ソロモン・アーチャー・ボウエンの運命は・・・
そして、「ブラッドダイヤモンド」の行方は・・・



「ブラッド・ダイヤモンド」、直訳すると「血塗られたダイヤ」。
いわゆる、アフリカの紛争地域の資金調達のため不法に取引されるダイヤモンドである「紛争ダイヤ」に焦点をあて、それにまつわる3人を中心に、アフリカ紛争地域の問題を提起した社会派サスペンス。

父親として、家族との再会、残酷にも無理やり少年兵とさせられた息子を救うべく、隠したダイヤの在り処をたった一つの武器に闘うソロモン。

ラスト、少年兵として残酷な殺人兵士となってた息子ディアとソロモンが対面するシーン。
銃を向ける息子に、必死の説得をするソロモン・・・

また、ダイヤを横取りしようとする大佐から、ソロモンを助けるべく傷を負ったアーチャー。
大事なダイヤを彼に託し、彼を逃がせるため自ら盾となる・・・

幼少からの悲惨な人生を送ったアフリカから、また今の生活から抜け出すための資金としてダイヤを求めていたアーチャーだったが、ソロモンの悲しみと家族の再会を強く願う意志の強さに、次第に心が揺さぶられていったのでしょうね。

紛争ダイヤと悲惨なアフリカ紛争地域の実態を描き、衝撃的なシーンも多い。
悲惨な現実を正面から捉えながらも、アクション大作、またヒューマンドラマとして描き切った作品でした。★★★


キャッチコピーは「ダイヤの価値を決める“4つのC”── color(色)cut(カット)clarity(透明度)carat(カラット)
しかし、5つめのC<conflict(紛争)>が存在することを、あなたは知る──

私事ですが、昨年婚約指輪というものを買いました。
その時に「紛争ダイヤ」のことを知り、お店から「紛争ダイヤではない」、「紛争に関わるダイヤではない」といった旨の説明を受け、そういう証明書を頂いたと思います。

その時は、「そうですか」という程度に聞いたのですが。

ダイヤと聞いてイメージすることは・・・

愛する人に贈るという 「愛」
宝石のなかでも輝きの美しい 「美」
高価なものである 「富」
天然鉱物の中でもっとも硬い 「硬」

しかし、そこに「憎」というネガティブなイメージが加わりました。
いや、イメージだけでなく現実に存在する大きな問題として捉えなければなりませんね。