「ディパーテッド」

マーティン・スコセッシ監督が、あの香港映画の名作「インファナル・アフェア」をリメイクした作品。

貧困と犯罪が渦巻く、マサチューセッツ州ボストンの南部。

同じ警察学校に学んだ２人が、共に優秀な成績で卒業する。
しかし、その後、全く正反対の人生を歩む二人の男の物語。

犯罪者の一族に生まれたビリー（レオナルド・ディカプリオ）は、自らの生い立ちと決別するため警察官を志し、優秀な成績で警察学校を卒業。
しかし、警察に入るなり彼はマフィアへの潜入捜査を命じられる。

一方、マフィアのボス、コステロ（ジャック・ニコルソン）にかわいがられて育ったコリン（マット・デイモン）は、マフィアの内通者となるためコステロの指示で警察官になる。
やがて、コリンはマフィア撲滅の最前線に立つ特別捜査班に抜擢され、コステロを標的とした捜査活動に加わる。

それぞれに緊張の二重生活を送るビリーとコリンだったが、ついに警察、マフィア双方ともに内通者（ネズミ）の存在に気づき、窮地に追い込まれる二人。

警察組織から孤立した、潜入捜査官ビリーの行方は・・・
そして、ボスから「ネズミ」退治の指令を受けたコリンは・・・

オリジナルはご存知、マフィアに潜入した警察官と、警察に潜入したマフィアの死闘・駆け引きを描いた傑作「インファナル・アフェア」。

監督スコセッシは本作で初めて、念願のアカデミー賞作品賞を始め、監督賞を受賞。２００６年の最多の４部門受賞に輝いた。

もちろん私はオリジナル３部作とも観たのですが、やっぱオリジナルと比べてしまうんですね。

どっちが良かったかって言ったら、やっぱ断然オリジナルなんですよね。

潜入捜査官役のトニー・レオンのくたびれ具合もよかったし、マフィア役のアンディ・ラウのエリート然とした演技も良かった。

くたびれた感じの「苦悩」という演技では、残念ながらディカプリオはまだ若かったように思います。
Ｍ・ディモンも、「ボーン」シリーズの影響か、マッスルになり過ぎてエリート然とした冷酷・冷静な警察官役には少し違和感がありました。

出演者の台詞も下品な下ネタが多く、本来の作品のテーマである二人の男の「運命」や「苦悩」が安っぽくなった感じが残念です。

それでも、もちろん面白いアクション・マフィア映画でしたけどね。★★★