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先週の日曜日、彼女と近くのシネコンで観てきました。

2001年9月11日、夜明け前の3時29分。
愛する妻を起こさないよう、そっとベッドから起き出すジョン・マクローリン(ニコラス・ケイジ)。
いつものように家を出て署へと向かう、ニューヨーク港湾警察署の巡査部長である彼。

署に着くと部下たちを集め「今日もお互いを守り合い、事故のないようにしよう」
と言葉をかけ、それぞれの持ち場へと送り出す。

部下の一人、若いウィル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)はバスターミナルの担当として、早速巡回を行う。

8時46分、上空を大きな影が横切る。
気が付いたら、爆音とともに巨大な地響きに包まれる。
一瞬にして不穏な空気に包まれるニューヨーク。

なんと、あの世界貿易センタービルに旅客機が激突したのだった。


非常事態が発生、港湾警察官たちは全員、緊急招集がかけられる。
すぐさまマクローリンを班長とした救助チームが結成され、現場へと急行する。

あまりの惨状に言葉を失う彼ら。ヒメノを含む4人の警官が、マクローリンと共にビル内に入る。

しかし、彼らがビルに潜入した直後、大音響と共にビル全体が崩れ始めるのだった・・・。



話は9月11日、アメリカで起こった同時多発テロ。
いつもと同じ朝を迎えたニューヨーク。
しかし、あの大惨事は上演開始後、あっけないほどすぐに訪れます。
その後は、もうずっと作品に釘付けでした。

警察官という使命感からか、人命救助という正義感からか、世界貿易センター内に入ることを志願した港湾局の5人の警官たち。

崩壊した世界貿易センタービル。
その瓦礫の下敷きになり、大怪我を負いながら奇跡的に一命を取り留めた2人、マクローリンとヒメノ。

映画はこの後、暗闇の中で必死で励まし合い、生き延びようとする二人と、外界で夫の、父親の無事を祈る妻、家族たちの姿を描いてます。

真っ暗闇の中、浮かび上がった目とセリフだけの演技が続く二人。
作品の大半が、この暗闇で、身動きできないシーンが続くんやけど、全く長く感じませんでした。

で、後半、すっかり日が落ち、二次災害の危険を避けるため救助活動は休止となるが、
「じっとしてられない」と進んで集まってきた海兵隊員・消防士・看護士たち。

やがて、生き埋めとなってる二人を発見し、自分の身の危険も覚悟して救出に向かう彼ら。

助け出された二人、喜び合う大勢の緊急隊員たち。

そして、搬送された緊急病院で、涙で出迎える家族たち。


この作品を観て、JRの脱線事故を思い出しました。
また、阪神大震災も思い出しました。

私も家族も直接、被害には遭っていません。
ただ、身近に起こった惨事ということで思い出したと思います。

テロで亡くなった方、JR事故で亡くなった方、阪神大震災で亡くなった方々には心よりご冥福をお祈りします。

こういう惨事が発生すると、ともすれば、その悲しい面に目が向けられます。
また、惨事発生の原因・責任追及にも目が向けられます。

もちろん、それは大切なことです。

ただ、この作品のように、大きな犠牲に比べたら、例え小さな命でも助けられた事に光が向けられたことに、私は心が動かされ、熱いものを感じました。

小さな命を救うために、危険を顧みず集まった緊急隊員。
ひたすら無事を祈る家族たち。
そして、最愛の家族のもとに帰るべく、生き延びた二人。


監督はあのオリバー・ストーン。
設定は同時爆破テロの被害を受けたニューヨークが舞台だが、二人の救出劇、二人を待つ家族の姿に焦点を絞り、政治的・思想的メッセージやその他一切の贅肉を削ぎ落としたストーリー。
2時間10分という作品ですが、私はよかったと思います。★★★★