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「モーターサイクル・ダイアリーズ」    昨晩観ました。

後に革命家としてその名を世界に轟かせるチェ・ゲバラ(エルネスト)が学生時代の南米大陸縦断の旅を、彼が残した日記を基に映画化したロード・ムービー。

1952年、アルゼンチンのブエノスアイレス。
持病の喘息がありながら、理想に燃え好奇心溢れる23歳の医学生エルネスト。
7歳年上の陽気な友人アルベルトと南米大陸探検の旅に出る。
アルゼンチンからパタゴニア、そしてアンデス山脈を越えてチリへ。
海岸線に沿って進みながら、目的地のベネズエラのカラカスを目指す。
アルベルト所有のオンボロバイク“ポデローサ号”に二人乗りし、わずかな所持金と荷物だけの無鉄砲で、ドタバタ続きの旅がはじまった・・・。


南米の大自然を疾走し、様々な人々との出会いを通して人間的な成長を遂げる姿が活き活きと描かれてる。
そこには美しい南米の景色や歴史的な古代遺産、美しい女性も出てくる。
しかし一方、厳しい自然環境や、搾取された貧しい先住民、治療の行き届かない貧しい村という現実。

この突き付けられた厳しい現実を直視し、彼に少しずつ変化が生じ、後に政治に目覚めていったんやろな。彼の政治思想・行動の是非はともかく。

まじめで堅物やけど、ラテン特有の情熱的なところもある、正義心に溢れた心優しい青年エルネストを舌噛みそうな名前のガエル・ガルシア・ベルナルが演じてる。
観てて、直ぐに「アイルトン・セナに似てんなぁ」と思った。
少し哀愁のある顔、遠くを見つめるまなざし、持ってる雰囲気。
ナイーブで心優しい青年役が似合ってましたね。

相棒のアルベルト役のロドリゴ・デ・ラ・セルナもよかったですね。
まぁ男二人旅やから、シモの話題もちょくちょく出てきて笑えるとこもある。
政治的・歴史的な背景は私もようしらんけど、いい青春ロード・ムービーでしたね。★★★★


ちなみに、チェ・ゲバラのその後は、
大学卒業後、マルクス主義革命を志しアルゼンチンを離れ社会主義政権下のグアテマラに旅立つ。
その後メキシコに移り、亡命中のあのカストロと出会う。
キューバの独裁政権打倒を目指す彼に共感し武装ゲリラ闘争に参加。
独裁政府からの攻撃を受けながらも、ついに彼と共に革命に成功し政権を敷く。
カストロのもとキューバ国立銀行総裁などの要職に就くが、彼との確執が生じキューバを離れる。
アフリカのコンゴで革命を指導後、南米のボリビアに渡るが、1967年10月8日アメリカの後押しを受けた政府軍により捕えられ、その翌日に殺害される。

彼の最期の言葉は射殺を躊躇する兵士に向かって、
「ここにいるのは英雄ではない。ただの一人の男だ。撃て!」だったらしい。