「アメブロやってます!」
と書かれた貼り紙を、行きつけのバーで見てからもうすぐ10年が経とうとしている。
そして、さらに遡ること10年以上前の2001年9月、僕はホームページを開設し、ネット界へデビューを果たした。そこから数えると、丸20年が経ってしまった。
…………
これをいいタイミングとして、このコラムブログ『miracle apple laboratory #2(奇跡のリンゴ試験場)』を正式に終了といたします。
もともとは2020年3月に終了する予定で考えておりました。
自分自身に課したノルマとして、月末締切の月1連載コラムを持つという設定で更新作業を行い、大幅に執筆が遅れたりもしながら、曲がりなりに100個目の記事公開となるのがそのときでした。
そんな矢先に新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が発令されました。
ここで、いろいろとてんやわんやになる中、不謹慎ながらも内心「ブログを終えるいい理由ができた……」なーんて思ってしまう自分がいたのでした。
…………
そもそも僕は何故ネット界へ足を踏み入れたのだろうか?
9月15日のホームページ開設記念日になるたび、その頃の心境に立ち返る。
それまで勤めていた臨時職の仕事が無くなり、何度目かの就職試験へ背水の陣で臨んだにも関わらず、見事不合格通知が届いた20代半ばの初秋。
残っているのは、かつての職場で必要に迫られ購入したノートパソコンと、大量の雑誌、CD類のみ。
そんな救いようのない自分自身を、どうにか救ってもらおうという承認欲求で、雑誌や音楽情報から得たウンチクを垂れ流すことにしたのだった。
そこから10年、20年が経ち、自分にはそこまでの承認欲求はもはや無い。
(いや、それはちょっとニヒルを気取ってみただけで)正確に言うと、そんな承認欲求をアピールして許される立場に無いことを知っている、ということだ。
一応は仕事に就いているし、働いていれば様々な雑学的な知識がクソの役にも立たず、プライドを満たす術にはならないことを日々痛感する。
このコラムブログには、僕のウンチクがたくさん詰まっている。
一部の記事には愛着もあるけれど、記事の中には承認欲求が枯れ始めている中、自分の記憶を探る形でノルマを果たそうとしただけのものもあったりする。
それもこれも含めて、若気の至り(とその成れの果て)だったといえる。
よく、後から見返して恥ずかしくなった投稿を削除したり、ブログそのものを閉鎖したりしたくなるものだが、それはあえてしないでおく。
まず第一に、そんなのメンヘラか訳アリの面倒臭い子がするようなことだし、第二に、若気が至るのは誰もが同じだ。若気を笑うようになったら老害になるだけだし、20代・30代だったかつての自分を認められなければ、どうして今の20代・30代を認められるだろうか?
ただ、せめてもの抵抗として「アメンバー限定公開」とさせてください(笑)。
広く一般に公開するのは止める。ぐらいのことは、この危なっかしいネット界を渡り歩く術として許されるのではないでしょうか? なんつって。それに「一般公開停止」という響きがなかなかコロナ対策っぽくて、タイムリーでもある。
ということで、最後の最後にアメブロらしい機能を使ってみることにします。アメブロやってました!