凱旋門賞回顧。その向こう側。 | PIROちゃんの酔いどれ競馬

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ぬるま湯で搔きまわすような、泡のような日々の中で何ができるだろう…
当たるも八卦当たらぬも発見。
馬券だけじゃないものを探しにいかないか?

よく悪友が言うけど、10回やったら8回でなことを言えば、ほとんどenableが勝ったと思う。
どんなペースかはわからん。
馬場状態にしては速かったのかもしれない。
でも、enableは前で受けた。
デットーリはenableの三連覇がかかった、ラストレースで、ストロングスタイルできた。
マジカルもジャパンもソットサスも、その土俵で勝負した。
ただ、勝ったヴァルトガイストだけは、別の競馬をしたのかもしれない。
もちろん、それは彼が成し遂げたことを、貶める意図はない。
ひょっとしたら、enableは生涯で1番強いレースをしたのかもしれない。
なぜ負けたか?
競馬というものが持つ、歴史と文化の重みかもな。

ただの博打ではない。

日本馬のということであれば、ディープインパクトの時が一番ショックだった。
無敗の三冠馬、春天の世界レコード。
風邪をひいてたのかもしれない、けれど超えられない壁があった。
どんなに惜しい2着より、ディープインパクトでもダメなんだということが、すごいショックだった。

enableほどの馬でも、三連覇はならない。
そんな、歴史と格を持つレースが凱旋門賞だということだ。

もし、成っていたなら、リボーを超えた馬。
それは、オアシスが、ビートルズの売り上げを超えた瞬間と、似たようなものだったかも。

負けて強し。とは言えない。
負けたのだ。負けたのだけれど…
勝ちに等しいとは言えない。
負けたのだから。
それでも、素晴らしい走りを彼女がしたことは間違いない。
馬体を併せてたら…とか色んなことはあるだろうけど。

ただ、見えない壁。
そんなものに、彼女とデットーリは阻まれたのではないかと思う。
持てるパフォーマンスはすべて出し切ったんじゃないかと。
そこに、見えない壁があった。

人より短いライフサイクルで生きる馬。
自然交配がそれを裏打ちする。
競馬とは、なんと非情でロマンティックなんだろう。

彼女だけが見た壁。
それは、日本競馬が見せつけられる、壁なのかもしれない。
その向こう側に辿り着くには…

今年の凱旋門賞を見た感想は、もし日本馬が勝つなら、日本最強馬で、誰からも文句の出ない馬であるのだろう。
νガンダムは伊達じゃないし、凱旋門賞は伊達じゃない。
その壁を押し返すには、すごい力が必要なのだ。

これがレースだ。
そうとしか言いようがないけれど…
これがレースなんだな。

馬券は、頭はソットサスしかなかった。
もちろん、二頭軸マルチで手広くいけば当たっただろう。
だけど、ヴァルトガイストを頭で買う競馬観は俺にはない。

今まで負かしてきた馬の、色んなものを背負ったレースだったと思う。
それに恥じぬ、すごい競馬を見せてもらったと思う。
ただ、そこに超えられぬ壁があった。

すごいものを見た。
これだから競馬は…

んぢゃまた素股。