音を想像するって難しい

大好きな人の声やお気に入りの音楽は

いつでも頭の中から引っ張り出せるのに

ふとした時に耳にする音って

記憶に留めておきにくい

そんな音を文章に変換するなんて尚更難しい

あんなに綺麗な音ならずっとずっと

何処かに残しておきたかった






俺の親はとても教育熱心な人だった

そして、立派に子育てという役目を

果たしてくれたと思う

ただし、半分の意味で




俺に1等賞を取る喜びを教えてくれたし、

そのために努力することの方が

もっと大事なんだと教えてくれた

だから色々なレールを与えられる度に

俺は安心して全力で走ることができたし 

たまには前にいる彼らを

追い抜くことができた




そうだね 良い親だった








この「努力と少々の喜び」の日々は

社会人になっても続いた

1等賞を取れることはもう無くなったけれど、

レールの上で努力することに意味があると

信じて最近まで生きてきた

でもこの価値観を信じてもがいている時

いつも自分の中に嫌な音がしてたんだ

グリグリというかゴリゴリというか 

なんか石臼を挽くような音

どうにも思い出せないけど重く辛い音

どっから鳴っているかと思ったら

自分の中からだった




あと、びっくりしたことがもう一つ

周りを見渡したら見たこともないレールが

たくさん




どのレールでも良いってことだったのか

だったらグリグリゴリゴリなんて

鳴らないレールで走りたい

俺は自分にしかできない宿命というものを

見つけ、その中で全力で役目をまっとうしたい

そんなレールが欲しかった






俺にレールを走る方法と意味を教えてくれた

父さん母さん、心からありがとう

ずっと走ってきて今ようやく

一番大事なことを知れた

自分だけしか走ることができない

レールを見つける方法

それがやっと見つけられた








見つけられたとき胸の中から綺麗な音がした

文章ではとても表現できない

覚悟を決めて走るのを止め自分専用の

レールに乗り移った

今度はめっちゃカッコ良い音がした








同じ経験をした誰か教えてほしい




これってどんな音?