■2021年1月に観た映画
36本 (劇場、配信、レンタル、見直した作品を含む)
・ホステル (原題:Hostel) - 3.8/5.0 (Blu-ray/2021.1.31)
監督 脚本:イーライ・ロス。監督総指揮:クエンティン・タランティーノ。2005年。日本公開2006年。タランティーノがどこまで関わっているのかはわかりませんが、少なくとも前半のおっぱい盛りだくさんシーンや、意味のない会話シーンなどは明らかでしょう。お話的にも単純明快で、"異国の国に行ったらヤバイ事態に巻き込まれてしまう"ジャンル映画プラス、スプラッター映画といった趣。ゴア描写もしっかりと演出されており、怖くない、きちんとカラっとゴアゴアしていく感じは良かった。主人公?の男がきちんと謎を解明するために戦ったり、脱出したり、ラストは復讐を果たして、起承転結しっかりとある非常に敷居の低い良く出来たスプラッタースリラーでした。最高!
・性の劇薬 - 2.6/5.0 (DVD/2021.1.31)
監督 脚本:城定秀夫。2020年。BLの人気作品の映画化?らしい。BLという時点でかなりハードルが上がってますが、とりあえず感想だけで言うと、"お、おん。。。"という感じ。でもこれってただただゲイの変態医師が拉致監禁して強姦してるだけの内容だし、終盤のなぜか恋仲(ノンケが掘られたらその人もホモになってしまう説はやはりその通りなのかという解釈)になる展開もはっきり言って意味不明だし、かなりクソな代物を少なくとも90分間何とか見続ける事が出来るものにしているのは城定監督の手腕と言えるのでないでしょうか。まあめちゃくちゃギリギリだけど。伏線たりえるショットや、元恋人が死んでいて花びらの舞うショット、終盤海での一件など気の利いたシーンが散見された。ピンク映画もまだ慣れないのにBLは、キツい。65分にして欲しい。
・クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード - 2.5/5.0 (DVD/2021.1.29)
監督:水島努。脚本:水島努/原恵一。2003年。「オトナ帝国~」「戦国大合戦~」「ロボとーちゃん」など、所謂"名作"と言われるクレヨンしんちゃん劇場版は見てしまったので他に評判が多少なりとも良さそうなものも見てみたいなと思い、こちらを。一言で言えば、何故か追われている野原一家が何故か90分間逃げているだけでストーリーも何もあったもんじゃないという。時系列で言うと「オトナ~」「戦国~」の次の作品にあたり、スラップスティック路線にグイっと進路を戻した形に。ですが、小出しに繰り返されるギャグがひたすら面白くない&何が面白いと思ってるのか画が突然劇画タッチになったりと、とにかくつまらない(劇画調の所は、シロで終わっとけばすごく面白かったのに)。話もない、盛り上がりもない、ギャグが詰まらない、ふざけてんのか?と率直になってしまい、マジでいい所が見つけられなかった。非常に駄作。
・続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画 (原題:Borat Subsequent Moviefilm: Delivery of Prodigious Bribe to American Regime for Make Benefit Once Glorious Nation of Kazakhstan) - 3.8/5.0 (Amazon Prime Video/2021.1.29)
監督:ジェイソン・ウリナー。2020年。コロナウイルス蔓延以降の映画作品としては結構スピード感ありつつ、アメリカ大統領選挙にもタイミング合いつつ、かなり風刺の効いたソリッドな作品でした。もっとハチャメチャに下品なのかなと思ってましたが意外と控えめで安心感もあり(?)、良く言えばフェリーニの「道」の様な味わいのロードムービーでもあった(ない)。中盤までは"くだらね~"くらいで見ていましたが、ラストの"コロナは実は自分が騙されてバラまいていた"という何ともショッキングな展開が非常に面白かった。娘と父親のバディもの、そしてジェンダーを乗り越えていく作品としてドライブしていくのも頼もしくて良かった。前作が観てみたくなった。
・ミセス ノイズィ - 3.5/5.0 (伏見ミリオン座/2021.1.29)
監督 脚本:天野千尋。2020年。昔なつかしい"騒音おばさん"(2005)を元にしたフィクションドラマ作品。評判が良かったので期待していたのですが...イマイチ。極序盤こそ楽しく見ていたのですが早い段階から色んな部分が気になって来て割とげんなりしてしまった。画の質感がまず苦手。各役者の演技が苦手。自主映画なので仕方ないとも思いますが。。そして各キャラクターがクズ過ぎて観れば見るほど残念になっていく。展開も脚本もご都合主義的で"ふ~ん"としか思わないし、終盤のなぜかいい話気になるのも腑に落ちないし、ツッコミどころ多すぎるし、でなんだこれ状態。別に見なくてもいいし、暇なら見てもいいしという感じ。騒音おばさん役の人の声がぼる塾の田辺さんだった。アフレコしてんのか。
・犬猿 - 3.8/5.0 (U-NEXT/2021.1.28)
監督 脚本:吉田恵輔。2018年。直近で「愛しのアイリーン」が非常に良かったので勢いで他作品も鑑賞。前半笑いつつも後半段々と笑えなくなってくる展開は吉田監督十八番か。ニッチェってどうなんだろと思ったがこれまた絶妙なバランスの好演。クライマックスに向けて二つの"キョウダイ"の物語が交錯して盛り上がっていく、のですが、そこの魅せ方がどうしても安易に感じてしまって興ざめ、且つ登場人物たちの幼少期の微妙過ぎる振り返り演出、まさかのリストカットで致命傷()!、何よりも陳腐なエンディング(まあ重苦しすぎないと言えば良いのかな)、と、終盤に行けば行くほどにテンションが下がってしまってこの点数。途中まではほんと面白かったんだけどなあ。新井浩文演じる兄ちゃんが一番実はいい奴なんじゃないかなと思えた。
・コリアタウン殺人事件 (原題:Murder Death Koreatown) - 3.1/5.0 (Amazon Prime Video/2021.1.28)
監督脚本:不明(という設定?)。2020年。近隣で起きた殺人事件を追う無職の男のモキュメンタリーフィルム。"本物では?"と評判らしいですが、そういう風に思えるのは幸せ者だな~と思った(日記)。調査()と共に徐々に自分勝手に変貌していく主人公、辛抱強く付き合っていた恋人もいなくなり、何かに取り憑かれた様な男の行動は怖いと言えば怖い、か。実際の映像も挟み込んでいるそうです。
・SKIN/スキン - 3.6/5.0 (U-NEXT/2021.1.27)
監督 脚本:ガイ・ナティブ。2020年。短編を先に観たためかイマイチ響き切らなかった。基本的に主人公に都合の良い脚本すぎて何だかなという感じですし、レイシスト男が何故突然改心したのかもあまりよく描かれないまま話がコロコロと転がっていき、思い入れる隙も無く勝手に着地して勝手に終わってたという印象。"実話を元にしたフィクションです"と断りがあってからの本編開始だったので映画的なドライブ感が希薄になっても仕方ないかなとは思う。"こういう事実があるし、今も起こっている話なんだよ"という部分では勉強になった。映画的な盛り上がり、面白さ、ドライブ感は無かった。
・愛しのアイリーン - 4.0/5.0 (U-NEXT/2021.1.27)
監督 脚本:吉田恵輔。2018年。「ザワールドイズマイン」の新井英樹原作漫画の実写化。新井作品での映画化は今作が初。「ヒメアノール」でジャニーズ・森田剛をぶっちぎりのイカれ俳優に仕立てあげた吉田恵輔作品。田舎に渦巻く時代から取り残されたしきたりや、毒親、子供部屋おじさん、国際結婚という名の外国人の人身売買等、人間の暗部を露悪に見せ続けた。前半は少しヌルっとしたテンポや演技、表現に感じたが後半にかけて一気にドライブしていく画面にくぎ付けになった。冷静に観れば醜悪な犯罪者である主人公への感情移入が後半突き放された様に感じるのは原作への深い理解の様な気がする。アイリーンとババア(は息子のみに向けられた視線だが)のラストシーン、二人の交わらない視点の絡まり合いに、荘厳な自然描写に、落涙。最初は137分が長尺に感じられたが、これだけじっくりと展開させていく演出が物語の重厚さを生んでいるのでこの尺でも納得の出来。もちろんもう少し短く出来た箇所もあるとは思うが、これはこれで良いのではないかと感じる。原作製作時に作者が""フェリーニの「道」を参考にした"という発言がある様でそれを知り非常に腑に落ちた。
・ディパーテッド (原題:The Departed) - 4.0/5.0 (Blu-ray/2021.1.24)
監督:マーティン・スコセッシ。脚本:ウィリアム・モナハン。2007年。スコセッシ作品、こちらも結構好きでした。緊張感あるんだか無いんだか、めちゃくちゃ見やすくて面白かった。演者の演技もさることながら、パンパンとテンポと歯切れの良い編集でスピード感が良かった。ヒッチコック風な音楽や影を使ったサスペンス演出などもベタで思わずクスっと笑ってしまう感じ。ラスト5分でのバタバタとみんな死んでいく感じも全部台無しにする感じで最高。交換探り合いクライムサスペンス。ヴェラ・ファーミガが非常に美しかった。
・悪人伝 (原題:악인전/The Gangster, The Cop, The Devil) - 4.1/5.0 (DVD/2021.1.23)
監督:イ・ウォンテ。2018年。日本公開2020年。みんな大好きマ・ドンソク主演作品、何よりもマブリーの画力。まずは登場するや否やサンドバックパンパン、実はこの中身は...という最高な登場シーン。まあまあDQNな暴力刑事とのバディムービー。アクションだけでなくカーチェイスも満載で盛り盛り仕様には笑ってしまったが相当無邪気に楽しめました。ラストバトルはまさかの法廷でシュールに締まった。ラストシーンの獄中での再会シーンからのマドンソクの激ヤバ笑顔が最高で5億点。中盤、激しくやられて思わず"まけぼの"スタイルになるのが面白過ぎた。
・SKIN 短編 - 4.0/5.0 (DVD/2021.1.23)
監督:ガイ・ナティブ。2018年。「SKIN」本編の前にこちらを。20分の超短編ですが、非常にタイトにきちんと構成されており体感としては12.3分?に思えるくらいに鋭くQ&Aしてズバッと終わる作品。一番最悪な"スカッとアメリカ"。まだ「SKIN」本編の方を見ていないので何とも言えませんが、より楽しみになる内容だった。DQN家族過ぎるだろ。
・エクストリーム ジョブ (原題:극한직업) - 3.9/5.0 (DVD/2021.1.22)
監督:イ・ビョンホン。2018年。日本公開2020年。自分が観ている韓国映画では珍しくコメディアクション的な一作。基本的に韓国の映画ってどのジャンルでもコメディみたいなタッチになる瞬間って多いなといつも思っているのですが、こういう"ジャンルもの"としては初でした。普通に面白いし笑えるしってのがまずは凄いなと。飽きさせない展開も含めサービス精神旺盛な韓国映画ならではだなと感心しっ放し。ラストの各キャラクターたちの正体披露からのスラップスティックなアクションシークエンスが最高(ラリったあいつとかね)!欲を言えば95分とかそれくらいにまとめてくれた方が個人的にはより好みでした。でもめっちゃ面白かった。
・ルクス エテルナ 永遠の光 (原題:Lux Æterna) - 3.9/5.0 (センチュリーシネマ/2021.1.22)
監督 脚本:ギャスパー・ノエ。2019年。日本公開2020年。ギャスパーノエ新作は限界映画地獄撮影現場メタフィクション物語。限りなくワンシチュエーション作品に近い構造で50分尺の中編?作品。ですが...そう簡単に言葉で表せる映画になるハズがもちろん無く、画面は常に2分割、セリフも被りまくり、特につながりもなく同時刻別場所で起こっている様子を並べているのでかなり見づらさもあり(それでも何となくセリフのタイミングはずれてたり見やすい様にはしてくれています優しいギャスパー)。様々な事情でカオス化した映画撮影現場はカオスのまま撮影に突入。機材トラブルが更なるカオスを引き起こし、神になるシャルロット・ゲンズブール。中盤までは結構面白く見ていたのですが、ラストの混沌へと向かっていくさまが何だか何となくグチャグチャして来ていつの間にかラストという程度だったので、もっと地獄を見たかったなという感じでした。ラストのシャルロット・ゲンズブールも劇中では相当キマって神々しい姿になっている感じのていでしたが割と普通に見えてしまい、何だか。もうちょっと尺とってもいいからラストに向けての盛り上がりを激しくして欲しかったかなという感じ。過激なチカチカ演出はかなり面白かった。こんな映画見たことない!その時点で勝ちですが。
・セルフィッシュ サマー ホントの自分に向き合う旅 (原題:Prince Avalanche) - 3.7/5.0 (U-NEXT/2021.1.20)
監督 脚本:デヴィッド・ゴードン・グリーン。2013年。何かの雑誌で推されていたがずっと何んとなーく食指が伸びずにいた一作(ジャケットが悪いですよね)。基本的には男2人が道路に線を引くだけのロードムービー。他の登場人物はほぼ無し。週末に街に行ったエピソードや主人公の姉のエピソード、すれ違うトラック運転手などで人は出て来るがごくわずかな非常にミニマルな世界観が、内相的な本作の本質とマッチしており心地よかった。「スイスアーミーマン」的な野外男旅もの(全く違うけどな!!)。所々で、台詞無く音楽とスローな映像だけで繋いでいくブリッジの様なセクションがあるのですがそこも地味に構図なども練られており、良かった。90分台と短い作品なのですが、もう少しこの2人の旅を見ていたいなと思わせるような味わいだった。
・アメリカン サイコ (原題:American Psycho) - 3.6/5.0 (U-NEXT/2021.1.19)
監督 脚本:メアリー・ハロン。2000年。クリスチャン・ペイル演じる主人公のサイコパスシリアルキラー話。印象的だったのは、全編にわたり登場人物たちの"名前"が不明確な所。間違えたり、間違えられたり、そしてそれを誰も気にしてなかったり。いろいろな掛け違い、勘違い、思い過ごし、無駄な自尊心などが重なって主人公がシリアルキラーになってしまうわけですが、なってからは殺人シーンの連続と名サスペンス、スリラー映画のオマージュなどで進んでいき結構楽しく見る事が出来た。ラスト付近、自分の行いを全て弁護士に打ち明けるがそれすらも取り合ってもらえずにラストシーンの独白部へと向かっていく。監督曰く、オープンエンドで観るものに委ねたそうですが、もう少し分かり易くしても良かったのでは。と。オープンエンドオチは個人的にはあまり好きではなく、表現から逃げるのは良くないとも思う。
・ファイト クラブ (原題:Fight Club) - 3.7/5.0 (Amazon PrimeVideo/2021.1.18)
監督:デヴィッド・フィンチャー。1999年。超有名作を今更ながら。フィンチャー作品は「ゴーンガール」「ソーシャルネットワーク(寝落ち、ちゃんと見たい)」「セブン」と観てきましたが相性が微妙かもと思っていましたが今作も同じく。微妙でした。勿論、つまらなくないし、2時間20分長いなと思いながらもちゃんと見れましたけども、まあ。1999年という時代や背景を想えばそれなりの衝撃があったのかも知れませんんが2021年に観てもあまり響かないかもなあと言うのも正直な所で。サブリミナル演出も仰々しくて何だかしっくり来ないし、所々メタギャグというかそういう脚本の部分で笑える所はありましたが最後まで観てもあまり感動は得られなかったかなという印象でした。以上。
・リトル ミス サンシャイン (原題:Little Miss Sunshine) - 3.7/5.0 (Blu-ray/2021.1.17)
監督:ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス(夫婦)。2006年。評判高いファミリーコメディロードムービーを。第79回アカデミー賞にて作品賞を含む4部門でノミネート。トニ・コレットが出てきただけでもう不穏な事が起こってしまうんじゃないかと不安になるのですが今回はもちろんそんな事は無く安心してドラマが進んでいく。キッズ・ミスコンを受けに1200kmの珍道中。スっと見られて良かったのですが、107分と短めな尺で登場人物6人全てのエピソードを含みつつ壮大なロードムービーにしているので正直、各個人のキャラクターの掘り下げ不足を感じて感情移入しきらなかった。スティーヴ・カレルの様な俳優がコミカルに活躍したり同性愛者として描かれたり、爺さんがドラッグをキメて翌日死んじゃってる感じ(しかも旅先で!)とか、ウェスアンダーソン作品の様な味わいを感じた。長い尺の映画はあまり好きではないですがこれに関しては150分くらいにしてもっとみっちりとキャラクターの歴史を掘り下げてからラストへ向かって着地するともっと感動的だったのになあと思った。また、Blu-rayの特典映像にある4バージョンのエンディングが良かった。オリーヴ役のアビゲイル・ブレスリン考案のミスコンのトロフィーを盗んで帰るラストが可愛かった。
・クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん - 3.8/5.0 (DVD/2021.1.16)
監督:高橋渉。脚本:中島かずき。2014年。YouTubeでアトロク過去音源聴いていたら辿り着いた一作。もちろんそれらの影響で「~オトナ帝国」「~戦国大合戦」は鑑賞していましたがそれ以来のクレヨンしんちゃん作品。挙げた2作は共に原恵一監督作なのですが今回は高橋渉氏。アニメ版、映画版ともにずっとしんちゃん作品と関わってきた人物であるだけに、原作譲りのナンセンスギャグの連打でキマりまくる。アトロク情報ですが、湯浅政明が絵コンテまで担当をし、終盤のスペクタクルドラッグ描写などを作り上げた。と、スタッフ陣もこれまでのしんちゃん作品とゆかりの深い人間でこれまでをブチ壊そうと試行錯誤が伺えつつもしっかりと結果を出し切った作品の様に思う。ちゃんとギャグも面白いし、お涙頂戴になってないし、でもガッツある物語に仕上がっているのは結構すごいのではないでしょうか。トトロからトイストーリー、ドラゴンボールとBTTF、かぐや姫の物語を通過してラストの超絶ドラッギー描写でキマって大ラス、転校生譲りの"頑張れ俺!!!"で大号泣。良かった。
・A GHOST STORY ア ゴースト ストーリー ‐4.0/5.0 (Amazon PrimeVideo/2021.1.15)
監督 脚本:デヴィッド・ロウリー。2018年。A24製作なんとも独特な作品。セリフはほぼ無いのにも関わらずしっかりと登場人物の気持ちや物語の進行が観てとれる秀逸な画面(まあそんなにお話自体は無いのかも知れませんが)。"死者がその場から離れられずにいる"のは正に地縛霊そのもので、プラスアルファ、過去の自分や恋人への念が籠りより一層その場から動けなくなってしまう。今作が面白いのは、そこに居続けた結果、未来都市(?)のシーンになった時に主人公が投身自殺を図ると、はるか昔へとタイムリープをしてまたその土地に返り、再びやってくる自分と更にそれを観ている幽霊の自分と遭遇するという何とも壮絶なラストプロット。そして主人公の恋人が壁の中に残したメッセージを読んだ瞬間に実態が無くなってしまう主人公。これがまさに成仏なのでしょうか。一体彼が最後に何のメッセージを読んだのかはわかりませんが、より解釈の幅が深まるラストカット。非常にA24らしい攻めた面白い作品だった。死者が繰り返しその場に居続けてしまう、死者を想う残された人たちの気持ちに触れる、みたいなプロットは、大林宣彦作品をも連想させた。嫌いなはずがないじゃない。
・弁護人 (原題:변호인) - 3.9/5.0 (U-NEXT/2021.1.15)
監督 脚本:ヤン・ウソク。2013年。日本公開2016年。ソン・ガンホ演じる高卒弁護士が淀んだ国家権力と弁護士生命(または自分自身)を掛けて戦う。やはり何と言ってもソン・ガンホの演技。素晴らしかった。終盤の裁判シーンでの迫力なんかは、誰もが緊張感と共に切迫した想いに頑張れと思わず応援したくなるのではないでしょうか。お話は実話テイストというか、モデルが居るようですがあくまで寓話テイストでわりと都合よく進んでいくのですがそこは映画的嘘という事で許せる感じかなと。
・CURE キュア - 3.8/5.0 (U-NEXT/2021.1.14)
監督 脚本:黒沢清。1997年。先日「スパイの妻」を劇場鑑賞し、アトロクのインタビューや秘宝での記事を読み聴きし俄然興味が沸いていたのでここらで代表作をと思い鑑賞。うーん何からどうしてコメントしていいのか分からないw。もちろん面白かったし「スパイの妻」とかより好きだったんですがどうやってこの"お話"部分を言葉で感想にしたらいいかが分からない。映像的には、緊張感のある長回しのシーンや謎のカットバックが入ったり、暗闇からボワァッと浮き上がる恐怖感だったり、かなり独特で鋭さのあるもので刺激的だった。調べてみると「リング」が登場するのが翌98年なので所謂「Jホラー」的な表現がこの辺りから一気に噴出したという感じなのでしょうか。「cure」以前のOV作品などでもその片鱗を見せていたとの事なのでそちらも見ていきたいなと思う。最近発売された4Kリマスター版Blu-rayにはエンディングの更に続きがあるらしく、購入を迷うところ。
・スポットライト 世紀のスクープ (原題:Spotlight) - 3.7/5.0(U-NEXT/2021.1.13)
監督 脚本:トーマス・マッカーシー。2015年。日本公開2016年。アカデミー作品賞。ボストングローブ紙の取材チーム"スポットライト"が暴く神父による児童虐待の実話ニュースを元に作品化。すごく丁寧に作られており、説明少な目でもしっかりと内容の把握ができ、事件を理解し物語を追っていく事が出来る脚本がまずは見事。実話が元なので当然なのですが、9.11の影響で取材が後回しにされたあたりなど観ている側が"頑張れ!"とつい思ってしまう仕組みもニクい。実際にあのタイミングでそうなったのかはわかりませんが、映画的には非常に良いタイミングで置かれており良かった。地味な作品なので点数は伸び切らなかったけれど、満足度は高い。マイケル・キートンがかっこよかった。
・狩人の夜 (原題:THE NIGHT OF THE HUNTER) - 3.8/5.0 (DVD/2021.1.13)
監督:チャールズ・ロートン。脚本:ジェームズ・アギー。1955年。チャールズ・ロートン作品初鑑賞。右手に"LOVE"左手に"HATE"のタトゥー男のサイコキラーサスペンス。ヒッチコックが「裏窓」と同時期くらいの作品で同時代性ももちろんあり、似ている部分もあるがこちらはもう少し信仰の匂いがしたりと当時のアメリカの様子を想像する様な隙間がある(今観ると)。有名な(らしい)川での馬に乗った犯人のシークエンスを挟み、前半、後半と違った作品かと感じる程ぱっきりと描き方が変わっており、面白かった。ラストの展開があまりだったけれど。
・悦楽交差点 - (TSUTAYA TV/2021.1.12)
監督 脚本:城定秀夫。2016年。「アルプススタンドのはしの方」の城定作品、ピンク映画初鑑賞。アトロクの過去放送を聴いていたら高橋洋二氏の16年年間ベスト4位として紹介しており("そろそろピンク映画以外も撮って欲しい才能"的な)、気になっていた作品。監督の名前だけを先行して知った所で昨年夏の「アルプススタンドの~」が公開、鑑賞し一気にファンに。監督の本領域であるピンク映画の代表作でもある今作をセレクトしてみました。途中までは"へ~きっとこのストーカーの子供を妊娠して~バッドエンドかなあ"とか思って観てましたが、あれよあれよという間に違う方向へ物語が進んでいき、後半からまた違ったドライブ感を見せて普通に楽しめた。特にラストシーンの読唇できてしまうストーカー男への無常さが何とも言えない悲劇なオチで感心した。性愛描写の尺だったり、画の感じなど勿論慣れない部分はありますが、結構楽しめた。来月からスコーレにてピンク映画フェス2020で上映もあるとの事ですがスケジュールの都合で全部は見られないと思うのでこうして見られる分は観ておく作戦。次は「舐める女」、イキます。
・夏の遊び (原題:SOMMARLEK) - 3.7/5.0 (DVD/2021.1.12)
監督 脚本:イングマール・ベルイマン。1951年。ベルイマン監督作極初期の一作。将来に悩むバレリーナのひと夏の回想物語。と、自己解放。モノクロが正に物語とシンクロしている様で非常に美しい。51年の作品(70年前!の技術など)と思うと、約96分間キリっとした画面が続く事がまずすごいなと。話自体はまあそこまでなのですが、白い画面の希望や楽しさみたいなものと対で黒い画面の不安や悲しみみたいな二面性を描いていく表現が見事。点数に関しては、基本的にお話の面白さを基準に点数の占める割合が高いのでこの点数にしましたけど、描写やセリフ、表現の鋭さは素晴らしかった。
・新感染半島 ファイナル ステージ (原題:반도/Peninsula) - 3.8/5.0 (ミッドランドスクエアシネマ/2021.1.10)
監督:ヨン・サンホ。2021年。コロナ一色だった2020年が明け21年元旦公開の大エンタメ映画。前作「新感染」の4年後の世界という事で続き物っぽくもあるが実際観てみると全然続き物じゃないという感じで。まあそんな事は割とどうでもよくて、前作よりも大幅に路線変更して超エンタメ作品に。今作はゾンビは出て来るがあくまで物語上の"装置"としてとしか存在しておらず、メインは超絶CGによるカーチェイスポストアポカリプス作。最終的にはマッドマックスになり、パニック脱出ものになり、大団円という感じでもう山盛り過ぎて元の味が分かんないくらいですがお正月に気軽に観る作品としては満点じゃないでしょうか。中盤なんだか邦画だったらEXILEとかが出てきそうなよく分かんない「サンダードーム」オマージュ(これじゃない感も含め)あたりで眠気が襲いましたが後半にかけて一気にドライブしていったので何だかんだ面白かった。感動シーン()でスローモーションからのジャーン!と大音量でそれっぽい劇伴が流れてくるのには相変わらずウンザリでしたが、まあ、ね。ラストも過剰な"泣かせ演出"がありましたが、まあ良しとしましょう。劇場は200人近いキャパがほぼ埋まっていて、左右を高校生のグループに挟まれながら観たのも年始のエンタメ大作を見に来た感があり良かった。
・アメリカン グラフィティ (原題:American Graffiti) - 3.8/5.0 (U-NEXT/2021.1.9)
監督 脚本:ジョージ・ルーカス。1974年。いろんな評や普通に映画トークの中で出てくるクラシック・タイトルですので見ておかない訳にはいかないので鑑賞。60年代のアメリカを描いた作品。結論から言えばかなり楽しめた。話自体は何てことないとある一晩の話を群像劇的に見せていっているだけなのですが、その群像っぷりが個人的には割と響いて良かったなあと感じている。流れもラストに登場人物たちの物語が集約していく作劇もうまいし。それぞれの青春の一夜がそれぞれの仲間たちとの一夜に自然になっていく様が良かった。キュンとしたり、胸を打つとか、そんな部分はなかったけれども青春時代に起こるうる話を疑似体験的に回顧させてくれる力がある作品(それってすごくない!?)に感じる。ラストのカーアクションもサービスたっぷりでこの時代ならではの画面になっていて非常に安心があり良かった。ハイティーン版「スタンドバイミー」。個人的にはこっちのが好き。
・岬の兄妹 - 3.1/5.0 (U-NEXT/2021.1.7)
監督 脚本:片山慎三。2019年。ようやく旧作になったので鑑賞。自閉症の妹と脚に障碍を持つ兄の売春映画。片山監督(山下敦弘やポンジュノの元で助監督をしていた)初監督作。脚本や撮り方を含め全体的にかなり丁寧に作られた作品だった。良い所もたくさんあった。が、話に全く乗ることが出来ずにこの点数に。ちょっとしたセリフやショットの伏線などもきちんと作り込まれて、低予算ならではのアイデアや工夫がたくさん凝らされておりお話の起承転結的にも非常に良かった。が、色んな事情があるにしてもダメなものはダメだよな、と思う。兄の妹を想う気持ちを家族への愛、人間への愛と書かれても何とも思わないし、とにかく兄の頭の悪さが最後まで気になってしまった。そして、どうしても気になる社会福祉への無頓着さ。友人キャラクターである警察官の人の存在意義は?(そしてその人の演技は?)と気になる点もチラホラと。ラストの解釈を完全にこちらに委ねた形にはなりますが、また同じ日々の繰り返しになりかけたその瞬間兄がきちんと正しい道へと導いてくれるような、その後の話になってくれると良いなと思いながら見た。
・パターソン (原題:Paterson) - 3.8/5.0 (U-NEXT/2021.1.6)
監督 脚本:ジム・ジャームッシュ。2016年。意外とジャンル映画を多く撮っているジャームッシュの初期作よりのナチュラルな1作かつ代表作。とあるカップルの1週間をひたすらに映し出していくだけなのに毎日微妙に違って同じ日は二度と来ないし毎日が新しい日なんだよというメッセージが非常に巧妙に練られた構成と脚本で構築されていく。この映画を観るという行為は、まさに自己投影でもあるし、暗闇で画面を1人で見つめる映画を鑑賞するという行為そのものに寄り添い"これはあなたの作品だよ"と言ってくれる様な優しさ溢れるそんな作品だった。ここまで丁寧に丁寧に作り上げてもらって(敷居を下げて)じゃないとジャームッシュ作品の薄味が理解できないあたり、自分はまだまだ濃い味が好きなんだなと思った。
・トマホーク ガンマンvs食人族 (原題:Bone Tomahawk) - 3.7/5.0 (AmazonPrimeVideo/2021.1.5)
監督 脚本:S・クレイグ・ザラー。2015年。「ブルータルジャスティス」に続きザラー作品の初作を鑑賞。最新作と比べるのもどうかなと思いますがやはり完成度というかリズムやテンポ、構成の深みなどは「ブルータル~」の方が好みではありました。ですがこちらも約140分飽きる事なく画面を引っ張っていく画や脚本、独特の緊張感の先にある超バイオレンス民族。プロットの面白さも"穴居人"のルックの不気味さも最高。捕まってからラストの救出劇までをもっとぐちゃぐちゃに盛り上げてくれるのかなと思いましたがそこはザラー作品の"品"か、無駄なゴア描写を描く事はせず、必要最低限でドカンといき、あとはきちんと冷静に物語を収束させてました。飛ぶ鳥跡を濁さずと言わんばかりの綺麗な着地で終わる所もかっこいいなあと。ある意味エンタメ作品としてもわかりやすく締めるスタイルが良かった。
・Swallow - 3.4/5.0 (ミッドランドスクエアシネマ2/2021.1.5)
監督 脚本:カーロ・ミラベラ=デイビス。2019年。日本公開2021年。新年2本目の劇場鑑賞。平日昼間にも関わらず約50人ほどは入っていた様に思う。率直な感想で言うと、段々と尻すぼみ的につまらなくなってしまったという感じか。異食症をモチーフに家庭や自分自身に対するストレスや不安を解消していくプロット自体はかなり面白かったと思うがそれを映画的な起承転結に乗せて、もっとも"スリラー"ならスリラーらしい物語のドライブ感が欲しかった。異物を飲み込んでいく様やそれだけに留まらず、不安解消のために夫以外の男性へ安らぎを求めてしまうのかと一瞬思わせるシーンなど、かなり観ている側に不安や不快感や緊張感を抱かせるシーンが連続するので画面にくぎ付けになっている事に変わりはないのだが、終盤の展開が凡庸というか薄味過ぎて、"お、おん。。。"としかならなかったのでかなり残念だった。そもそも登場人物全員が頭が悪すぎて(これが一番萎えた)それに段々とノレなくなったといった方が正解かも知れない。お話として壮大につまらなかった。脚本が稚拙。
・シャッター アイランド (原題:Shutter Island) - 3.7/5.0 (Blu-ray/2021.1.4)
監督:マーティン・スコセッシ。脚本:レータ・カログリディス。2010年。徐々に味が分かってきたスコセッシ作品。ディカプリオとのコンビ作。最後まで観て最後の一言で"えええ何それどっちなの"となりかなりモヤっとした気持ちにさせられた。139分と長尺ではありますが相変わらずキレキレな画面で全く飽きる事なく完走。ファンタジー・ミステリー的な感じで個人的には若干苦手なライン入っているので満足度で言うともう少しクールでニヒルなスコセッシ作品を見たかった様な気も。次いってみよう。
・恋するけだもの - 3.8/5.0 (シネマスコーレ/2021.1.4)
監督 脚本:白石晃士。2020年。去年の11月からスコーレにて上映(&配給)されている今作。「ある優しき殺人者の記録」の白石晃士最新作かつ「恋のクレイジーロード」(未観)の続編。元ボイメン田中俊介主演。予告編を見る限り宇野祥平の女装からして"うわ~微妙そう..."と思って優先順位が下がっていましたが長くやっていた為タイミング的に鑑賞出来た。結果、観て良かった。最初あまりノレなかった女装ルックも、関西弁で捲し立てる江野祥平のキャラクターが段々と面白くなってきて最終的に"頑張れ!"的な気持ちで観てしまった。結果的にはかなり満足度高く、面白かった。何も考えずにヘラヘラ見られたのも非常に良かった。ラストもっと派手にやってもらって爆笑したかった感はありますが全然十分納得の出来だったのではないでしょうか。白石監督さすがでした。
・天気の子 - 2.9/5.0 (TV地上波/2021.1.3)
監督 脚本 原作:新海誠。2019年。当時劇場で見ようかなと思いつつもスルーしましたが今回地上波初放送という事で鑑賞。好みじゃなかった。CGと絵が融合する画面自体には抵抗が無いし、背景は美しいしその辺りは凄く良かったのですが基本的に人間の絵が好きじゃない。デザインの話。そして、話がつまらない。それに尽きる。全てがご都合主義的に当たり前に進んでいくし"それで?"と言いたくなるようなお話しか描けておらずかなり微妙だった。小学校低学年向けの"おはなし"の様な感じ。見ながら、ああでもないこうでもないと感想はありましたが年末年始に他の作品もたくさん見ているしどう思ったかはもう忘れてしまった感じなのでここに書ききれないのがアレですが。あ、新海誠作品の画とRADWIMPSの音楽との食い合わせはめちゃくちゃ良いなと思う。中身の程度の問題かも知れないけれど。ラスト、逆さまになりながら主人公の2人が思いを伝え合うシーンは非常に印象的で良かった。あとコロナ禍かつ地上波での放送という事に今回は特に意味があったかなと思う。そういう意味で"映画はやっている時に意味があるのだからやっている時に観に行く事に意味がある"という事を改めて思い知らされたのは良かった。テレ朝ありがとう。
・西瓜 (原題:天邊一朵雲/The Wayward Cloud) - 3.8/5.0 (DVD/2021.1.3)
監督:ツァイ・ミンリャン。2005年。アトロクか何か(確か)でお勧めされていたツァイ・ミンリャン監督作品を初鑑賞。AV男優と一人の女の純愛もの(らしい)。本編は約2時間弱。基本的にセリフも音楽も無く、二人の日常生活のシークエンスが並んでいく。都度、本編のそれまでとは割と違う角度から描かれているミュージカル風?シーンが謎に挟まれ、各章を繋いでいく様な構成。セリフが極端に無いし動きもあまり無いので、観たのが夜中だった事もあり"こりゃ寝るかもな"と思ったがしっかりと最後まで観る事が出来た。動きや音の無い画面にあるのは、計算された構図でどのシーンも練られた画面が綺麗。整頓されていて意味もしっかりと分かるというか画だけで魅せていく力強さみたいなものを非常に強く感じた。結構好きだった。
・シェフ 三ツ星フードトラック始めました (原題:Chef) - 3.5/5.0 (DVD/2021.1.2)
監督 脚本:ジョン・ファブロー。2019年。評判が高くあらすじを見ても楽しめそうだなと思って鑑賞を始めたが個人的はあまり来るものが無くそのまま終わってしまった。全てが上手くいきすぎているし(そういうものかも知れないけど)別にそこが嫌な感じは全くしなかったけれど、毒にも薬にもならないとはまさにこのことか、非常にあま~いゆる~い子供向けの様な話を観ているようだった。"うん、良い話だね(チャンチャン)"で終わってしまった。
・ミッドサマー ディレクターズカット版 (原題:Midsommar: The Director's Cut) - 4.0/5.0 (U-NEXT/2021.1.2)
監督 脚本:アリ・アスター。2019年。全年鑑賞「ミッドサマー」のディレクターズカット版。観るつもりはあったのですが、セル用のBlu-rayに収録されており買うタイミングが来るまではお預けかと思っていたら年末のU-NEXTの課金新作にラインナップされていて即鑑賞。改めて観るとカットされても問題ない様なシーンが多く、ただでさえ長い今作の緊張感を保つためには公開版に入らなかったのは仕方ないよなと感じた。川辺で主人公カップルが口論を始めるシーン(本編カット)の嫌さはアリアスター印ではあったのですが、「ヘレディタリー」の地獄家族団らんシーンの洗礼を浴びている僕らには正直物足りなかった。(だからカットになったのかな)。それでも約3時間があっという間に感じるのはさすがとしか言いようがない。名作。