稼ぐ女性ほど未婚,という記事を目にした.
稼ぐ女性,言い換えれば,
夢や仕事を追いかける女性,ということだろうか.
私は27歳で大学の博士課程を修了し,博士号を取得し,
つい最近まで,男女の区別なく生きて来た.
研究者という職業は安定しておらず,
就職先に少し困ることもあったが,
やっとのことで,
私を使ってくれる研究室を見つけたところだった.
あるとき,何かの行事が終わり,打ち上げの席で.
他大学の教授が私に,
「将来の夢はお嫁さん?」
と私に冗談のように話して来たことがあった.
その時の私は,あまりにもショックを受けた.
正直にいうと,
お嫁さんになるためだけだったら,
ここまで努力してないよ,
と思った.
今となっては,
お嫁さんになることと,
研究者になることは,
いずれも両立できると思うけれど.
その時の私は,研究者としてやっと始まったばかりで,
業績も少なく,将来に対する不安な気持ちを持っていて,
業界で有名な教授に言われたことだったので,
辛かったのを覚えている.
さらに追い討ちをかけるように,
その席で,その教授の教え子の同期の研究者との,
お見合いをセッティングするとまで,
言われたのだった.
それはつい4-5年前のことだが,
まだ戦国時代のようだった.
あの教授は,
私のことを,研究者としてではなく,
ただの駒として,道具として,見ている.
私の心を,傷つけて,潰して,
言うことを聞かせるために,
そのような嫌がらせをしたのだと思った.
私に就職をチラつかせて,
政略結婚させようとしているのか?
とまで考えた.
しかし,信頼できる別の男性にこのことを話しても,
それほど私が怒る理由が,すぐにはわからなかったそうだ.
女性は数パーセントの業界で,私は目立つ存在らしい.
研究者としてではなく,
女性として目立つのは,
仕方がない部分もあるだろうと.
今となっては,
性差によって目立つことで,
有利だと考えることにしている.
本来は,女性として見られることで,
喜んでもいいくらいなのに,
その当時は,「お嫁さん」を,
卑下していた自分がいたのだった.