大腸の主な役割は、食べ物のカスから水分を再吸収し、腸内細菌を使って便を作らせる事です。
でも、それだけではありません。
腸は、異物から体を守るための免疫機能に重要な働きを担っています。また、ビタミンや脂肪酸など腸内細菌が作り出した物質を吸収して、飢餓時の栄養としてたりもします。
腸は、私たちの健康を維持する上で非常に大きな役割を果たしているのです。
実は「腸は第二の脳」と呼ばれていることをご存知でしょうか?
脳に中枢神経系があるのと同じ様に、腸には「腸神経系」という独自のシステムが備わっているのです。
脳の中枢神経系と腸神経系は、お互いに影響を与え合いながら働いています。
しかし、腸神経系が単独で働くこともあり、それは腸が独自の自律神経を持っていることを意味します。
これが「腸は第二の脳」といわれるがゆえんです。
腸内環境が悪化すると、当然、腸神経系も上手く働くことが出来ません。
そしてそれは、脳の働きにも影響を与えてしまいます。
腸の状態は、腸だけの問題に留まらず、全身に作用してしまうのです。
それでは健康な腸とは、一体どんな腸なのでしょうか?
腸内環境そのものを目で見ることは出来ませんが、腸の状態は排便をチェックすれば簡単に分かります。
理想は、下痢でも便秘でもなく、1日1回、適度に水分を含んだバナナ状の黄褐色の便が出ることだと言われています。
何日も便が出なかったり、反対に水っぽくて慌ててトイレに駆け込まなければならない時は、腸内環境が悪化している証拠です。
また、色が黒っぽい場合や、水気があまりなくてコロコロしている場合も、腸内環境があまりよくありません。
腸内環境が悪いと、腸の中には便として出せなかった老廃物が溜まり、次第に腐敗していきます。
これがいわゆる「宿便」です。
こうして腸が汚れると、血液にもその汚れが吸収され、全身へ運ばれていきます。
代謝が悪くなったり、肌荒れや肥満を引き起こしたり、体調を悪くしたりするのは、腸内環境の悪化が大きく影響している可能性があります。
現在でも「腸内美人」という言葉が人気なように、美容や健康のためにも、まず腸内環境を整える事が大切です。