「僕はじいじの理想の孫になれなかったね。」
と、ほんの2年前に息子が言っていたのを思い出した。
今でこそ、
野良猫息子という地位を築き上げた高1息子だが、中学受験を経て、私立中学で不登校になるまでは、じいじの自慢の孫だった。
じいじは、父親の居ない貧しい家庭の中で、努力をして学歴を手に入れた人。
「勉強する事は大事、努力する事も大事」的なカンジの人。
なので、勉強の出来た息子は、じいじにとって自慢の孫だった。
町会でもいつも自分の孫自慢をしていた。
模試で1位だった、塾は特待生で入れた、地元で人気の私立中は一発で特進クラスに合格した、、、、などなど、我が事の様に喜んでいた。
ところが、私立中学入学後、2週間で不登校。
母親である私はパニック状態でいつも泣き、
明るく自信に満ち溢れていた息子の目は死んだ。
周りからも、やいのやいの色々言われる中、
じいじは一人沈黙を貫き、
いつもと同じように、私と息子に接した。
私のパニック状態も、不登校から1年目くらいで落ち着き、周りからもやいのやいの言われるコトもなくなった、とある夏の日、
「僕はじいじの理想の孫になれなかったね」と、息子が私に言った。
ハハハ、と私は笑った。
あれから2年経って、息子の目は生き返り、
私も自由気ままなライフスタイルを貫いている。
不登校以来、勉強は全くしないが、友達が多く、人当たりが良い息子。
そんな孫をみて、
「あの子の良い所は、小さい頃から人の悪口を絶対に言わないところだ。穏やかだからいつも周りに人が集まってくる。生きていく上で、一番大事な事だ。」と、じいじが私に言った。
ハハハ、と私は笑った。
なんか歯車が嚙み合っているような、噛み合っていないようなカンジだが、今の息子も、じいじにとっては自慢の孫らしい。
なんてコトを、
遊び疲れて眠っている息子の顔を見ながら、
ふと思い出した私であった。
では皆様、本日も良い1日をお過ごし下さいませ
またね


