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2006年 東大数学 文系第3問
昨日も書いたのですが、
「戦意喪失した人には、勝利はつかめない」
「自分の運命を他人に預けようとする人には、勝利はつかめない」
勝利は強気とイケる気からやってきます。そして、それは根拠のあるものでなければなりません。
そこで、根拠ある自信をつけてもらうため、今日から東大の整数問題の解説を連続アップします。
今日は初回ということで、基本的な問題のこちらをどうぞ。
よくあるタイプの整数問題。まずはこれを解けるようにするところからスタートしましょう。
整数問題には2つの方針しかない。
では、(1)から見ていきますが、非常に典型的な問題。
x+y+zやxyzを見たら、大小比較から不等式を作り、このように候補を絞り込みます。
x+y+zに関して、小さい方と大きい方、
xyzに関して、小さい方と大きい方
というように、4つの不等式を作って、使えるものだけ使えばよいです。
問題集の解答には1つしか載ってないかもしれませんが、自分で解く際には4つ全て試してよいでしょう。
不等号を作ったら場合分け
さて、不等号ができたら、候補が絞り込めます。
今回は、xy≦3となりますから、(x、y)=(1,1)、(1,2)、(1,3)の3通りしか解がありません。
このように、解を有限個の候補に絞り込むことを、日本語で「整数問題を解く」と言います。
あとは場合分けして、一つずつ調べていけばOK。
教科書や問題集の例題のような問題でした。
3文字の3乗の和
さて、(2)に行きましょう。
次数が3に上がり、解が存在しないことの証明をします。
ここで注目したいのは、3文字の3乗の和です。
大学受験において、3文字の3乗の和が登場したら、いつもこれ!という式変形があります。
これです。
数学では頻出ですから、この式に関連した知識を必ず頭に入れましょう。
3文字の3乗の和を利用した解法
では、この式を利用した解法をご覧ください。
この解法のポイントは、何度も書きますが、知識があるかどうかでしょう。
しかも、赤枠の中の変形は、閃きでは絶対に思いつけない変形でしょうから、やはり覚えておかなければなりません。
では、他の解法に行きましょう。
別解:相加相乗平均の利用(3文字)
ほとんど同じですが、別解として相加相乗平均の利用をする解法があります。
これも、知識を覚えていれば使いこなせる解法です。
「数学は暗記だ」
「いや、数学は暗記ではない」
という論争がありますが、暗記って大事ですねぇ。
文系受験者でも、暗記で点数が取れるという、好例です。
別解:(1)と同様の変形
では、おまけの別解を載せましょう。
(1)と同様に変形すると解けます。
(1)と違って、x≦y≦zの不等号がありませんが、
画像のように「一般性を失わない」と但し書きを描けば、大小を決めてOK。
これでも解けますね。
では、全体の手書きの画像をどうぞ
まとめ
(1)は基本に忠実に式変形するだけ。
(2)は「これを見たらいつもこれ」という知識を使うだけ。
どちらも簡単に思えるようにしましょう。
整数問題の初日としては、良いですね。では、また明日。
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