医療従事者の方なら誰もしもが、キューブラ・ロスの死への受容過程を知っていると思います。
精神科医であった彼女が提唱した、死にゆく人の心理的変化を5段階に区別したものです。
否認
悲しみと怒り
取り引き
抑うつ
受容
私はこれを知った時、「ああ、そうだったんだ」と腑に落ちたというか、ほっとしたような不思議な気持ちになったのを覚えています。
看護師になってからは、治療の術なく死へ向かう患者さんとお話することが日常となり、この受容過程を常に念頭に置いています。
癌の全身転移の痛みのある患者さんにイライラされても、全然気にならないです。
むしろ、つらいんですね、苦しいですね、と本当なら一緒に泣きたい。
仕事中は絶対泣きませんけどね。
この仕事をしていると、つくづく死とは1人で立ち向かわなければならないものだということを実感します。
裕福でも貧乏でも、家族がいてもいなくても、当事者にならなければ誰もそのつらさや恐怖を肩代わりできないし、気持ちの全ては理解できない。
もちろん、周りの人やサポートがあれば気持ちに違いはあるとは思うのですが…
死は怖い。私だってそうです。
誰もが分からないことに向かうのは怖い。
私の大事な人もあっちに行ってしまったけど、「きっといつかまた会えるよ」と最期に言ってくれた言葉を胸に今も私は生きています。