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思い切って日本の近代貨幣を手放してしまったものの、コロナ禍で長い間コイン屋さんに行けなかったことで、ある感情が噴出してしまいました。
『やっぱり、菊花紋章、菊桐のリース、竜図が恋しい。。。』
ということで、先日、久しぶりにコイン屋さんを訪れてみました。
数店舗のお店に行ってみましたが、これは、と思えるような物は中々見つかりません。
どこのコイン屋さんの店頭を見ても、状態の良い裸円銀は、いまだに全くもって姿を消している状態。
それでも久しぶりにコインを手に取って見てしまうとその魅力にやられてしまいますね。特に円銀。
円銀は私にピッタリのコインなのです。
デザインが好みなのはもちろんのこと、大きいので老眼の私でも鑑賞しやすいのです。
舐めるように見ながら、『やっぱり円銀は良いなぁ。』と、胸の高鳴りを抑えることが出来ず、買ってしまいました。
今回購入したのは、円銀の中では一番入手しやすく状態の良い物も多い明治36年銘です。
未使用品として販売されているものもありましたが、私は状態表記されていないこのコインに惹かれ、めでたく久しぶりの円銀購入となりました。
菊紋面の一圓の字の両側のスレ傷が残念ですが、年号面はとても美しいです。
製造後何十年、あるいは百年以上経過したコインは、状態だけでなく、輝き、ミントラスター、テリ、トーンの色、トーン付き方等が一つ一つ違うので、それぞれのコレクターの好みに合ったものを選べるのも楽しいですね。
旧1円金貨 明治4年銘 中期です。
旧1円金貨の明治4年銘は、年号面の文字の配置等の違いに着目して、【前期】と【後期】の2種類に分類されて来ました。
【前期】と【後期】の相違点について、組合カタログでは以下のように記載されています。
(注)組合カタログで図示されている点は文章化して一部加筆しています。
①『明』の字に着目した分類
【前期】止明(第四画目が跳ねていない(第二画目を突き抜けていない)もの)
【後期】跳明(第四画目が跳ねている(第二画目を突き抜けている)もの)
②一圓の『一』の字と、『本』の字の第二画の位置関係に着目した分類
【前期】『一』の字の左端が、『本』の字の第二画の書き始めより上側にずれている
※一圓の字が上に寄っている
【後期】『一』の字の左端と、『本』の字の第二画の書き始めがほぼ同じ位置にある
※一圓の字が下側に寄っている
また、グレーディング会社では、『圓』の字の下にある『・』の位置に着目して分類されています。
【Low Dot】 『・』がエッジに近い
※日本の分類では【前期】です。
【High Dot】 『・』が『圓』の字の最終画とエッジの概ね中間にある
※日本の分類では【後期】です。
しかし、今から10年ほど前に、従来、【後期】と分類されてきたもの(上記②の分類上は【後期】になるもの)の中に【前期】の特長である止明であるもの(上記①の分類上は【前期】になるもの)が少数発見され、そのタイプは中期と呼ばれるようになりました。
年号面をよく見ると、『本』の字の辺りから『大』の字の辺りにかけて、裏面の錦の御旗が裏写りしていることが確認出来ます。
大きな傷も見当たらず、ミントラスターも十分に残っているお気に入りのコインでした。