先日、前から気になっていた宮下奈都「羊と鋼の森」を読んだ。今年の本屋大賞の話題作だ。

主人公がピアノの調律師に魅せられ調律師として成長していくストーリー。
物語を読み進めていく中で、ピアノの音と共に森の香り、静けさを感じる。
とても五感に響く小説だと思った。
読み終えるとふと、小川洋子の作品が無性に読みたくなった。
昨日、ブックオフで「妊娠カレンダー」を買って一気読み。高校生の頃に読んで以来大好きな作家。
ストーリーは、妊娠した姉に、毒入りジャム(農薬たっぷりの外国産グレープフルーツのマーマレード)を毎日たべさせる話。

小川洋子さんの作品も、五感で感じるものを独特の表現で表されており、その感覚や世界観がとても好きな作家だ。
何となく宮下さんの本と共通点を感じていたが、同じような事が「羊と鋼の森」の本の帯に書いてあった事に気付いてビックリ。

明るさと不穏…とは、ちょっと感覚は違うけどね。
文学は、五感で感じるもの全てを言葉で表現してしまう。読む人は必ずしも同じイメージを持つものではないと思うけど、それがまた面白いのかも。
奏でる音も言葉にするのが文学ではないかと思う。
そう思うと、音楽(メロディー)に乗せて歌った作品を今年のノーベル文学賞とした、ノーベル賞の選考委員の判断は、やっぱり私の中ではスッキリしないものだなぁ。
秋の夜長に徒然と思う。