先日、札幌出身のお笑いコンビが
地元を散策する番組を観ていた。
(多分、ローカル番組)
その日の散策場所は父の病院のある
駅の近辺だった。
画面に映る見慣れた風景。
地下鉄を降り改札を抜けてから階段で
上がり右に曲がるとテレビで紹介していた
魚屋さんだ。
いつも気になっていた。
たまに、画面にチラッと映る見慣れた建物。
あれは父がいた病院だ。
病院の救急入口から入って、管理の職員さんに
挨拶して病院の廊下を急いで歩いて
エレベーターを待つ。
たくさんの人がエレベーターに乗るのに
緩和病棟へ行く人はいないから
いつも最後は私1人だったな。
エレベーターを降りたらナースステーションに
軽く会釈して病室へ急ぐ。
父の病室へ入ると父に声をかける。
「お父さん、来たよー」
そして、しばし父とのんびりした時間。
ほんの少し前まで当たり前のような
毎日の光景。
それが苦痛に感じた事もあった。
父の回復に喜んだ日もあった。
あの8月からの2か月間はあっという間の
ような気もするし、
すごく長かった気もするし、
不思議な気持ち。
テレビに映る見慣れた風景に、父がいた
日々を思い出し涙が出た。
もう、エレベーターを降り病室へ
行く事もないんだね。
父が気に入っていた病院の食堂に
行く事もないんだね。
お父さん、今ごろ何をしてるかな。
空の上で私達を見てるかな。
今週末は49日です。
早いね。