6歳の自閉症息子を育てています。

3歳からABAがんばっています。

 

「使える脳の鍛え方」という本を読みました。

 

 

どうやったら効率よく学習できるかって話です。

ワシントン大学の心理学の先生が書かれてます。

脳神経学・薬学がご専門の東大教授、池谷裕二さんが推薦されています。

 

 

勉強って、何回もテキスト読んで、アンダーライン引いて、繰り返し繰り返し頭に叩き込む、というのが一般的ですね。

私も含め、おそらくほとんどのひとはそうやって勉強してきたと思います。

これを「集中学習」というそうです。

 

しかし、認知心理学の最新の研究において本当に効果があった勉強法は、忘れた頃に「何だっけ・・・」と思い出す作業を繰り返す、「想起練習」である、というのがこの本の主なお話でした。

 

集中学習では、一時に膨大な時間を使って何度も何度もテキストを読み返すから、テキストなんて「知ってる」感じでスラスラ読めるし、全部頭に入った気になる。

でも結局それをアウトプットしようとしたら出てこないし、まるまる覚えてるだけだから応用がきかない。

一夜漬けでガッツリ覚えたものは試験が終わったらスッキリ消えてしまいますよね。

つまり、膨大な時間が必要な割に、効率が悪いそうなんです。

 

それに対し、必ず人間は忘れていってしまうものだから、忘れそうな頃に記憶や知識を「思い出す」作業をすると、記憶を持続させることができるのみならず、より幅広い応用がきくようになる、ということでした。

そうやって脳の神経が強化されていくんだそうです。

「間隔」をあけるだけでなく、「交互」に想起することも効果的とのこと。

 

これ、つみき式DTTは「集中学習」で、今うちがやってるPRTがまさに「想起練習」だ。。。と思ったんです。

 

**この話を先生にすると、DTTは「子供の興味によらず、必要なことを連続試行して身につけさせる」(興味を引く工夫はしますけれど)

 PRTは「子供の興味に寄り添って、子供中心に必要課題を組み込む」ということで、どっちも使えばいいよって言われました。

 けど、こういう言い方されるとPRTって私的にはチンプンカンプンになる。

 だから私の解釈では、PRTは子供が興味のある遊びをしながらリラックスした状態で、間隔あけながら、それこそ何度も「想起」させて教えていくイメージです。 実際うちの先生はそうやって教えてくださってるので。

 

想起させようとすると試行数は減ります。

はじめはこんなペースで大丈夫か?て不安でした。

ただ、約半年続けて来て、確かにこの方が結果的に伸びが早く、「応用」もきくようになってます。

教える側としても、行き詰ることがありません。

間違えたらその場で訂正して、また忘れた頃に質問、を繰り返すと、やがて理解します。

DTTでは確実に教えたことが入っていましたが、今は教えてないことも不思議と身についていってるんですよね。

 

つみきの会のやり方は初心者は通った方がいいのかな、と思いますし、つみきブックのスモールステップの組み方は素晴らしいです。

しかし、あの方法を、本当に週20時間やら出来るひと、一体どれくらいいるでしょうか。

私は1日1時間半から2時間でも精神的に追い込まれてゆき、それでも何とかやろうとしましたけれど、結局行き詰まりました。

根性だけで乗り切れるものじゃなかった。

病みそうでした。実際病んでたかも。

 

そして、つみきの先生方は、行き詰ったときにそれがまるでタクオの「限界」のように捉えておられることを、言動から感じ取りました。

このレベルで、少しずつでも出来ることを増やしていこう、的な。

藤坂先生がそういう考えですね。

「どこかで壁にぶつかり、出来なくなる課題が出てくるかもしれない。

それを認めるのは辛いことだけど、受け入れましょう。

間隔をあけてまたやってみたときに出来るようになってることもあるし」、的なことがつみきブックに書いてあります。

 

藤坂先生がそう言うなら・・・と信じてしまいそうになりましたが、いや待て、自分の子供のこと、どんなえらい人であろうが勝手に決めさせない。

私個人としては、スピードは様々でしょうが、必ず子供は発達すると考えます。

正しく指導すれば。

「限界」があるのは子供ではなくて、指導者(指導方法)の方じゃないかなって。

だから、自分の行きたい方向と合致している方法と指導者を探し、見つけました。

今もなお探しています。出来ることは何でもやってみる。

 

別にPRTだけが正義とか思ってません。他にも私はいろいろやってます。

でもPRTのいいところは、単純にラクなので、無理せず出来るところ。

不連続の間隔を空けた「想起練習」なんて、口頭のやり取りが出来るならば、思い立った時にすぐ出来ますから。

ごはん食べてるとき、お風呂入ってるとき、お散歩してるときに質問すればいい。

座ってる必要なんてないですから。

 

ただ、ラクなのは親側であって、子供は思い出す負担がかかりますけどね。

でも思い出せたときに少しずつ脳神経は強化されているのかな~ってね。

 

使える脳の鍛え方にこんな金言が出てきました。

「出来ると思うのも正しい、出来ないと思うのも正しい」

これが真理だと思います。

自分が何を信じるか、どっちに行きたいか。結局のところそれに尽きるのかなって思います。