最近アルバイトを始めました。管理人です。

1日4時間のシフトで、週に5日間。

糞ニートひきこもりの私が社会復帰する足がかりにはちょうどいいかなと思って気軽に始めたのですが、なんと残業がほぼ毎日2時間、ひどいときには4時間あります。4+4=8ですよ。フルタイムですよ奥さん。早速出鼻をくじかれた私です。

 

 さて、本日の本は美輪明宏さん『強く生きるために』です。

私は美輪さん世代ドンピシャではないので。彼の過去のことは全く知りませんでした。ただ、三島由紀夫脚本の舞台『黒蜥蜴』を生で見た時は、あまりに感動して終演後しばらく椅子から立てず「美」の力に打ちのめされてしまったことをよく覚えています。

 

 『強く生きるために』は「なぜ生きるのか」という普遍的な事柄に関して、読者の質問への回答などを交えながら美輪さんが語ってくれています。酸いも甘いも経験して来た美輪さんの言葉は力強く、甘えを許さない厳しさがあります。しかしながら、瀉血のあとに体調がよくなるように、読み終わったあとは不思議と心が軽くなっているのです。

 

 心に残ったのは「人生は修行である」という考え方です。私は輪廻転生を信じていないので、魂のレベルというのはよくわからなかったのですが、「人生はそもそもつらいもの」と思っていれば「なんで私だけがこんなに不幸なの?」という視野狭窄に陥らないな、と目から鱗でした。

 

 また、文化は心のビタミンであり、努力して身につけるべき教養、という考え方も好きです。私も薹の立ちかけた女性ですが、人から愛される人格、教養、そういったものを身につければ寂しがる暇などない、という生き方にずいぶんと慰められました。死ぬまでに私がやるべき修行はまだまだ残っているのだ、と叱咤されました。

 

 正しい、正しくないは別として彼の独特な視点を獲得することは「強く生きる」ために大変有用であると考えます。悩んでいる方や快刀乱麻を断つようなスカッとした人生論を求めている方におすすめです。