マインド・コントロール/文藝春秋

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みなさんこんばんは。
最近チョコミントが好きになって来ました。管理人です。皆さんチョコミントって好きですか?私はどうもミント=歯磨きorガムのイメージが強くて、ミントを飲み込むっていう文化がなかったんですね。あれはお口をすっきりして吐き出すものだと長年思っていて、小さいころからチョコミントアイスなんて邪道だと思っていました。
が、この歳になるとなんかさっぱりしたものが食べたくなるんですよ。でも甘いものも食べたい。その二つの欲望をかなえてくれるのがチョコミントなわけです。小さいころの習慣が欲望に負けた瞬間でした。
さて、本日の本は岡田尊司さん『マインド・コントロール』です。
私は昭和最後の生き残り世代なんですけども、いわゆるオウム真理教世代なんですよ。小学校のときに地下鉄サリン事件が起こって、カルト宗教って怖いなぁと身近に感じて育った世代です。オウム真理教の幹部には東大生のような高学歴な人たちがいて、「なんでこんな賢い人たちがこんな宗教にはまってしまうのだろうか……」と疑問に思ったものでした。この本は、これまでに古今東西で実際に行われてきたマインド・コントロールを分析し、その手法を具体的に解説している興味深い本です。
マインド・コントロールの第一段階は『情報入力を制限、または過剰にする』こと。
新興宗教って必ず閉鎖的な空間を作って、信者たちを外部と接触しないようにしますよね。それは外部から入ってくる価値観を一切遮断して不安にさせるためなんだそうです。不安定になった人間は、教祖様やメンターの繰り返し言うことにすがって、真実だと思い込もうとするんです。いい面では勉強の強化合宿なんかがあります。余計なものを排除することで、勉強内容が頭に入ってきやすくなるんですね。
逆に情報の洪水にさらすことで、主体的な判断を鈍らせるという手法もあるようです。これは現代の情報過多になったわれわれの環境そのものだっていう作者さんの指摘にぞっとしました。私が最後に主体的にモノを判断したのっていつだろう……?
第二段階は『脳を慢性疲労状態に置き、考える余力を奪う』こと。
これは想像しやすいですよね。どんなに屈強な若者であっても、不眠不休・食べるものも与えられなければ意思を貫き通すことは難しいです。いわゆる拷問や押すだけの罵声なんかでは、人は逆にかたくなになって心を閉ざしてしまうようです。それよりは「いつ何をされるんだろう……」「どうして何もされないんだろう、この時間って意味があるのかなぁ」「この先どうなるんだろう……」という不安のほうが人を操りやすいのだそうです。なるほどなぁ。
これは子供の教育にも応用できて、子供が「疲れた……」なんていっている状態では、主体的に○○しよう!なんていう考えには絶対にならないんですね。
第三段階は『確信を持って救済や不朽の意味を約束する』
上記のようなことをされてへとへとに疲れた体と心に、希望という名の種を植えるわけです。誰だってすがりますよ、ええ。
第四段階は『人は自分を認めてくれた存在を裏切れない』
DVをしてくる夫から逃げられないのは、たった一度ささやかれた愛情の言葉をいつまでも信じていたいという気持ちがあるからなのだそうです。つらい、別れてしまいたい。でもこの人と離れたら私を愛してくれる人はもういない。そんな気持ちがいつまでも別れられない原因になってしまうのだそう。
ほかに興味を抱いたのはミルトン・エリクソンという天才精神科医のお話。
ダブルバインドという技法を聞いたことがあるでしょうか。何かをやってほしいとき、それをやるかやらないかではなく、やることを前提とした選択肢を用意して、質問するというやり方(以上引用)のこと。
たとえば、子供に勉強させたい場合。オーソドックスに「勉強しなさい」なんて言っても素直にやってくれる子はいませんよね。でも「宿題、ママと一緒にやる?それとも、ひとりでやる?」のように、宿題をやることを前提とした選択肢を用意することで、「宿題をする」という関門を突破しやすくするのです。
これは人の潜在意識に働きかけているのだそうです。時には理詰めに説得するよりも、相手の潜在意識をくすぐる言葉をかけてあげるのがいいのかもしれないですね。
ほかにも実際にマインド・コントロールが起こした事件や、軍の研究報告など、興味深いお話がたくさん提示されています。自分が主体的に考えるということの難しさを感じました。

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最近チョコミントが好きになって来ました。管理人です。皆さんチョコミントって好きですか?私はどうもミント=歯磨きorガムのイメージが強くて、ミントを飲み込むっていう文化がなかったんですね。あれはお口をすっきりして吐き出すものだと長年思っていて、小さいころからチョコミントアイスなんて邪道だと思っていました。
が、この歳になるとなんかさっぱりしたものが食べたくなるんですよ。でも甘いものも食べたい。その二つの欲望をかなえてくれるのがチョコミントなわけです。小さいころの習慣が欲望に負けた瞬間でした。
さて、本日の本は岡田尊司さん『マインド・コントロール』です。
私は昭和最後の生き残り世代なんですけども、いわゆるオウム真理教世代なんですよ。小学校のときに地下鉄サリン事件が起こって、カルト宗教って怖いなぁと身近に感じて育った世代です。オウム真理教の幹部には東大生のような高学歴な人たちがいて、「なんでこんな賢い人たちがこんな宗教にはまってしまうのだろうか……」と疑問に思ったものでした。この本は、これまでに古今東西で実際に行われてきたマインド・コントロールを分析し、その手法を具体的に解説している興味深い本です。
マインド・コントロールの第一段階は『情報入力を制限、または過剰にする』こと。
新興宗教って必ず閉鎖的な空間を作って、信者たちを外部と接触しないようにしますよね。それは外部から入ってくる価値観を一切遮断して不安にさせるためなんだそうです。不安定になった人間は、教祖様やメンターの繰り返し言うことにすがって、真実だと思い込もうとするんです。いい面では勉強の強化合宿なんかがあります。余計なものを排除することで、勉強内容が頭に入ってきやすくなるんですね。
逆に情報の洪水にさらすことで、主体的な判断を鈍らせるという手法もあるようです。これは現代の情報過多になったわれわれの環境そのものだっていう作者さんの指摘にぞっとしました。私が最後に主体的にモノを判断したのっていつだろう……?
第二段階は『脳を慢性疲労状態に置き、考える余力を奪う』こと。
これは想像しやすいですよね。どんなに屈強な若者であっても、不眠不休・食べるものも与えられなければ意思を貫き通すことは難しいです。いわゆる拷問や押すだけの罵声なんかでは、人は逆にかたくなになって心を閉ざしてしまうようです。それよりは「いつ何をされるんだろう……」「どうして何もされないんだろう、この時間って意味があるのかなぁ」「この先どうなるんだろう……」という不安のほうが人を操りやすいのだそうです。なるほどなぁ。
これは子供の教育にも応用できて、子供が「疲れた……」なんていっている状態では、主体的に○○しよう!なんていう考えには絶対にならないんですね。
第三段階は『確信を持って救済や不朽の意味を約束する』
上記のようなことをされてへとへとに疲れた体と心に、希望という名の種を植えるわけです。誰だってすがりますよ、ええ。
第四段階は『人は自分を認めてくれた存在を裏切れない』
DVをしてくる夫から逃げられないのは、たった一度ささやかれた愛情の言葉をいつまでも信じていたいという気持ちがあるからなのだそうです。つらい、別れてしまいたい。でもこの人と離れたら私を愛してくれる人はもういない。そんな気持ちがいつまでも別れられない原因になってしまうのだそう。
ほかに興味を抱いたのはミルトン・エリクソンという天才精神科医のお話。
ダブルバインドという技法を聞いたことがあるでしょうか。何かをやってほしいとき、それをやるかやらないかではなく、やることを前提とした選択肢を用意して、質問するというやり方(以上引用)のこと。
たとえば、子供に勉強させたい場合。オーソドックスに「勉強しなさい」なんて言っても素直にやってくれる子はいませんよね。でも「宿題、ママと一緒にやる?それとも、ひとりでやる?」のように、宿題をやることを前提とした選択肢を用意することで、「宿題をする」という関門を突破しやすくするのです。
これは人の潜在意識に働きかけているのだそうです。時には理詰めに説得するよりも、相手の潜在意識をくすぐる言葉をかけてあげるのがいいのかもしれないですね。
ほかにも実際にマインド・コントロールが起こした事件や、軍の研究報告など、興味深いお話がたくさん提示されています。自分が主体的に考えるということの難しさを感じました。